Cや3じゃない、高級セダンやスポーツセダンたち Part 1
CAR / IMPRESSION
2019年3月26日

Cや3じゃない、高級セダンやスポーツセダンたち Part 1

Alfa Romeo Giulia QuadriFoglio |アルファロメロ ジュリア クアドリフォリオ

M3やAMGのCと真っ向勝負のイタリアン

毎年2月に日本輸入車組合(JAIA)がプレス向けに開催する試乗会からの一気乗りリポート。セダン編の第1弾として、BMW「M3」やメルセデスAMGの「C」の競合車としてアルファロメオがリリースした「ジュリア クアドリフォリオ」に試乗。

Text & Photographs by HARA Akira

0-100km/h加速3.9秒、最高速度307km/hとスーパーカー並みのパフォーマンス

ミドルクラスの高性能スポーツセダンを選ぶとしたら、まず頭に浮かぶのがBMW「M3」やメルセデスAMGの「C」になるのは間違いのないところ。長きにわたってそれを眺めていたイタリア勢から2015年、アルファ・ロメオ創業105年の節目に対抗馬としてデビューしたのが、後輪駆動セダン「ジュリア」の最上級バージョン「クアドリフォリオ」である。

アルファロメロ ジュリア クアドリフォリオ

アルファロメロ ジュリア クアドリフォリオ

フロントの限りなく奥側に搭載された排気量2,891ccのV型6気筒インタークーラ付ツインターボエンジンは、最高出力510ps/6,500rpm、最大トルク600Nm/2,550rpmを発生。フェラーリ出身のエンジニアが開発したとされるこの90度V6エンジンは、たしかにフェラーリ カリフォルニアTが搭載する90度V8と同じボア(内径)、ストローク(行程)なので、そこから2気筒分を減らしたモジュラーエンジンと考えれば話は早い。

ノーマルモデルではアルミ製だったエンジンフードやルーフパネルをカーボン製とすることで重量を削り、パワーウエイトレシオは3.0kg/ps切りを達成。電子制御の8段ATを介して後輪を駆動し、0-100km/h加速3.9秒、最高速度307km/hというスーパーカー並みの性能を誇っている。

アルファロメロ ジュリア クアドリフォリオ

アルファロメロ ジュリア クアドリフォリオ

全長4,635mm、全幅1,865mm、全高1,435mmのトロフェオホワイトカラーの試乗車は、キャビンを後方に配したいかにも後輪駆動車らしいフォルムで、盾の形状のフロントグリルに蛇が子どもを飲み込むアルファ伝統の紋章、カーボン製の可動式フロントスプリッター、フロント245/35、リア285/30の19インチピレリPゼロコルサを装着するガンメタのホイール、レッドブレーキキャリパー、リアのカーボン製スポイラーとディフーザー、左右2本出しマフラー、そして極め付きのフェンダーに貼り付けられたクアドリフォリオ(4つ葉のクローバー)のバッジ等々が所有欲を大いにくすぐってくれる。

Alfa Romeo Giulia QuadriFoglio |アルファロメロ ジュリア クアドリフォリオ

M3やAMGのCと真っ向勝負のイタリアン(2)

中回転域でのモリモリとした力強さが印象的なV6ユニット

スタートするとすぐに、ステアリングの重さとクイックさに驚く。遊びは一切ないと言っていいぐらいで、腕の動きに鼻先が敏感に反応してくれる。もちろんM3やC63にも試乗したことはあるが、ここまでという感覚は残っていない。

ドライブモードは、右ハンドルに応じてシフトレバー右側に移設されたDNA Proダイヤルで変更できる。d(ダイナミック)を選択すれば、フロントスポイラーが速度に応じて上下し、ダンパーやトルクベクタリング機構の動きが俊敏化する。また、クアドリフォリオだけに搭載されたRACEモードではトラクションスイッチがオフとなり、ドライバーの腕が試される設定に変化する。大型のパドルシフトは、クイックなギア比のステアリングに合わせてコラム固定式だ。

アルファロメロ ジュリア クアドリフォリオ

アルファロメロ ジュリア クアドリフォリオ

510psを発生するV6エンジンは、最大トルクの発生回転数が2,550rpmをいう数字が示す通り中回転域でのモリモリとした力強さが印象的で、決して高回転域を多用すれば速い、というタイプではない。BMWやメルセデスのスポーツモデルでは、高回転時のシフトダウンやアクセルオフでリアから盛大なブリッピング音が聞こえてくるが、そうした点も意外とジェントルな音量に抑えられているのは意外だった。

残念だったのは、試乗車が履くPゼロの山(特にサイドウォール)がほとんど残っておらず、荒れた路面や道路のつなぎ目で感じる乗り味は少しラフだった。

アルファロメロ ジュリア クアドリフォリオ

アルファロメロ ジュリア クアドリフォリオ

インテリアは、曲線を多用したインストルメントパネルやアルファ伝統の2眼メーター、レザーとアルカンターラのコンビネーションになるスポーツシートで構成され、適度なタイト感が心地よい。このモデルだけリアが2座の4人乗り仕様だ。標準モデルでは少々プアな面が気になったセンターコンソールなどのプラスチックパーツがカーボンパーツに変更され、トップモデルにふさわしいものになっていた。

価格は1,132万円で、ドイツ勢よりも少しだけお安い設定。ただしダッシュボード中央の8.8インチモニターにはナビシステムがビルトインされておらず、スマホを接続してアップル・カープレイなどを使用するしかない、という部分を割り引いで考えないといけないのだが。

問い合わせ先

Alfa Contact

0120-779-159(年中無休9:00〜21:00)

           
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