マイナーチェンジしたメルセデス・ベンツCクラスに試乗|Mercedes-Benz
CAR / IMPRESSION
2018年10月10日

マイナーチェンジしたメルセデス・ベンツCクラスに試乗|Mercedes-Benz

Mercedes-Benz C Class|メルセデス・ベンツ C クラス

マイナーチェンジしたメルセデス・ベンツCクラスに試乗

デビューから4年経ち、マイナーチェンジしたメルセデス・ベンツ「Cクラス」。改良点は約6,500箇所に及び、車体の構成部品の半分にも達するという。Cクラスは、セダン、ステーションワゴン、クーペ、カブリオレとバリエーションが多いが、4車種すべてに刷新が施されており、内外装だけでなくパワートレインにも大きな変更がなされている。長野県軽井沢町にこの夏オープンしたル・グラン軽井沢ホテル&リゾートをベースにした試乗会に参加し、その出来栄えを試した。

Text & Photographs by HARA Akira

マイルドハイブリッドシステムを搭載した「C 200」

最初に試乗したのはセダンの「C 200 アバンギャルド」。パワートレインを、従来の2.0リッター直4ターボから、1.5リッター4気筒ターボエンジン+48V電気モーターの組み合わせというマイルドHVシステムに変更した、今回の目玉モデルだ。

搭載する新開発の「M264」型1.5リッター直列4気筒エンジンは、単体で135kW(184PS)/5,800-6,100rpm、最大トルク280Nm/3,000-4,000rpmを発生。それにベルトを介してクランクシャフトと接続される、スターターとジェネレーターを兼ねるモーター「BSG(ベルドドリブン スターター ジェネレーター)」と「48V電気システム」が組み合わされる。こちらは回生ブレーキ等で発電した電気を1kWhの電池に蓄電し、最高出力10kW(14PS)、最大トルク160Nmを発生して動力を補助する。エンジンの出力やトルクの発生回転数が高いのは、低回転域をこのモーターが補助してくれるからだ。

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Mercedes-Benz C 200 Avantgarde

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Mercedes-Benz C 200 Avantgarde

進化の度合いは、エンジンのスタート時点からすぐに分かる。セルモーターがないので、その音や振動無しに、一発でエンジンが始動する。さらに、スタート直後から電気モーターがターボチャージャーの過給圧が十分に高まるまでの間アシストを行うため、ゼロスタートからの加速がとてもスムーズに行われるのだ。

またこのモーターはギアシフト時にも作動し、シフトアップではエンジン回転の落ち込みをアシスト、ダウン時には抵抗となって回転を抑えるため、変速ショックがほぼ皆無の状態で加減速を体感させてくれる。おかげで、軽井沢周辺のアップダウンの多いワインディングロードをハイペースで駆け抜けるのがとても楽しい時間になる。また、アイドリングストップからの再始動時も、大きなスターターを使うことで従来の「ブルンッ」というショックなしで一発スタートでき、高級感が増しているのが分かる。

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マイナーチェンジしたメルセデス・ベンツCクラスに試乗(2)

ランフラットタイヤを廃止

高級感といえば、前期型が採用していたランフラットタイヤは今回からほぼ全てのモデルで廃止。エアボリュームが感じられるノーマルタイヤに変更されたことにより、轍や荒れた路面を通過する際の快適性がアップしたことが、ステアリングや座面を通して伝わってくる。メルセデス・ベンツ日本では、道路環境が良くサービス拠点の多い日本ではパンクの心配が少なく、ユーザーからの要望もあって、と説明しており、これはこれで良い決断だったのではと考える。

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Mercedes-Benz C 200 Avantgarde

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Mercedes-Benz C 200 Avantgarde

そのほか改良点を探すと、試乗車のヘッドライトは、上位の「Sクラス」や「Eクラス」同様の「マルチビームLEDヘッドライト」となり、テールライトユニットは「C」の文字をモチーフにしたライトデザインを採用していた。フロントグリルは「ダイヤモンドグリル」となり、ワイド感を強調するエアインテークとその左右のエアカーテンなどで、アピアランスはさらに強化された印象だ。インテリアも、よりワイドになったダッシュボード上部の10.25インチワイドディプレイとCクラス専用12.3インチコックピットディスプレー、Sクラスと同じデザインの最新世代ステアリングホイールでブラッシュアップされている。

C 200 アバンギャルドセダンの価格は552万円。レーダー セーフティ パッケージ、AMGライン、レザー エクスクルーシブ パッケージ、スペシャル メタリック ペイントなどを含んだダイヤモンドホワイトの試乗車の合計価格は706万7,120円となっていた。

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マイナーチェンジしたメルセデス・ベンツCクラスに試乗(3)

Eクラスと同じディーゼル搭載の「C 220 d」

次に乗ったのがステーションワゴンの「C 220 d アバンギャルド」。パワートレインを、従来の2.2リッター直4ディーゼルから、最新のEクラスが搭載する「OM654」型2.0リッター直列4気筒クリーンディーゼルに換装したモデルだ。

排気量を減らしつつも高出力化を果たしたこのディーゼルエンジンは、最高出力143kW(190PS)/3,800rpm、最大トルク400Nm/1,600-2,800rpmを発生。シリンダーをアルミ、ピストンはスチールという異なる材質を使用し、さらに表面コーティングNANOSLIDEを導入したことで摩擦を低減、ディーゼルのガラガラ音やブルブルという振動がより小さくなったと謳われる。

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Mercedes-Benz C 220 d Stationwagon Avantgarde

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Mercedes-Benz C 220 d Stationwagon Avantgarde

走り出すとディーゼル音は全く気にならず、400Nmの怒涛のトルクがなめらかにワゴンボディを加速させていく感覚の虜になる。車速がかなりの速度域に上がっても、タコメーターの針は低い位置にキープされていて、そのギャップに驚いてしまう。アクセルを踏み込む右の足裏から厚いトルクの塊が感じることができ、街中なら2,000回転も回せば周囲のクルマを十分にリードできるほどだ。

また、C 200のような電気モーターの補助なしでもギアシフトはスムーズで、走行後に同社広報に確認すると、エンジンが変わったせいでマウント類も変更され、これが功を奏しているのでは、という見解だった。602万円の本体価格にC 200と同程度のオプションが装備され、イリジウムシルバーの試乗車の価格は750万9,560円となっている。

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マイナーチェンジしたメルセデス・ベンツCクラスに試乗(4)

パワーアップした「AMG C 43」

最後はメルセデスAMGが専用開発した高出力V6エンジンと、四輪駆動システム「AMG 4MATIC」を備えた4シーターオープンモデル「AMG C 43 4MATIC カブリオレ」。搭載する「M276」型V6直噴ツインターボエンジンは、タービンを大型化することで最高出力が従来モデルより23PSアップの287kW(390PS)/6,100rpm、最大トルク529Nm/2,500-5,000rpmを発生する。

ブリリアント ブルーとダーク ブルーのソフトトップに、明るいポーレセン/ブラックの内装が組み合わされた試乗車の撮影をしている最中に小雨が降り出し、慌ててホロを閉じ、中速コーナーのあるワインディングに試乗に向かった。この操作は走行中でもでき、50km/hまでなら20秒ほどで完了する。

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Mercedes-AMG C43 4MATIC Cabriolet

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Mercedes-AMG C43 4MATIC Cabriolet

軽井沢の路面は濡れていたが、ダイナミックセレクトでSport+モードを選択した。最も手前の位置がSport+(画面では下側)となるのがAMGスポーツモデルらしいポイント。スピードメーターにAMGのロゴ、タコメーターにはBITURBOの文字が入るのが、目に嬉しい。このモードではAMGエグゾーストシステムが本領を発揮。ハイパフォーマンスカーはこうでなくっちゃ、と思わせるV6エンジン特有の勇ましいサウンドや、AMGスピードシフトTCTのシフトダウン時の「フォンッ」というブリッピング音が周りの木々に反射し、トップを下ろした車内でもそれが楽しめる。

AMG 4MATICは31:69のリア寄りのトルク配分で、AMGライドコントロール スポーツサスによるロールの少ない、というかロールしないセッティングと相まって、コーナーを抜けるのが楽しくなる。一方街中に戻ったらcomfortモードを選択し、ハイパフォーマンスカーらしからぬ穏やかな走りも体験できた。価格は1,000万円をわずかにオーバーする1,003万円だ。

マイナーチェンジしたCクラス各車に乗ってみると、好調なセールスを記録していたモデルが、さらなる高みに到達したことを実感できる。BMW「3シリーズ」(新型が噂される)や、アウディ「A4」、また日本では新型トヨタ「クラウン」など同じカテゴリーにライバルはひしめいているが、Cクラスを追っかけていくのはなかなか大変そうだ。

問い合わせ先

メルセデスコール

0120-190-610

           
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