レクサスGS450hに試乗|LEXUS
CAR / IMPRESSION
2014年12月26日

レクサスGS450hに試乗|LEXUS

LEXUS GS450h|レクサス GS450h

レクサスGS450hに試乗

「セカンドステージにはいった」というレクサスブランドの先陣を切った「GS」。すでに「GS350」、そして「GS250」の試乗記をOPENERSではお届けしているが、この2モデルにやや遅れての登場となった、ハイブリッドレクサス、「GS450h」に試乗する機会を得た。

Text by OGAWA FumioPhotograhs by MOCHIZUKI Hirohiko

新GSファミリーにもハイブリッドモデル到着

2012年1月26日に発表された新型レクサス「GS」は、大ぶりな4ドアセダンだ。このたび、「GS250」、「GS350」に遅れて、3月19日に発売となったハイブリッド仕様、レクサス「GS450h」に試乗することができた。

レクサス「GS450h」は3.5リッターV6エンジンに電気モーターを組み合わせた後輪駆動モデル。「V8ガソリンエンジンに匹敵する加速感」と、従来比約40パーセントという燃費の向上が喧伝されている。

このエンジンは、アトキンソンサイクルを採用して、燃料直噴方式をとる。13.0という高圧縮比とともに、すべてにおいて制御の緻密化が進められた、という。

ハイブリッドシステムもさらなるスムーズさを目ざして微調整をおこなったそうだ。

車体寸法は全長4,850×全幅1,840×全高1,455mm。先代に比して、全長は同じだが前後のトレッドを拡大したことで全幅は+20mm、全高は+30mmと、ごくわずか大型化している。

LEXUS GS 450h|レクサス GS450h

ハンドリング性能を重視したFスポーツ(800万円)と、インテリアにバンブーなど凝った素材を使用し独自の高級感を追求したバージョンL(790万円)を中心に、ラインナップは構成されている。

LEXUS GS450h|レクサス GS450h

レクサスGS450hに試乗(2)

外観も迫力を増す Fスポーツ

まず乗ったのはGS450h Fスポーツ。レクサススポーツの本拠地、富士スピードウェイの頭文字を流用して名づけられたスポーツ仕様で、操縦を積極的に楽しむドライバー向けのモデルだ。ハンドリングを重視して、サスペンションも独自の設定となる。

後輪操舵機構であるLDH(レクサス ダイナミック ハンドリングシステム)を装備するのも、Fスポーツの特徴。クルマの速度とともに、運転者がハンドルをどれだけ、いかなる速度で切り、さらに車両がどんなカーブを曲がっているかを車載センサーを用いてコンピューターがチェックし、後輪を動かし舵角を与える。高速では同位相で俊敏な動きに、低速では逆位相で小回りをきかせる。

GS450h Fスポーツの魅力は、ワインディングロードで光る。大ぶりなサイズを感じさせることなく、カーブが連続する道を軽快に走る。きびきびと動き、気持ちよく曲がる。

サスペンションは硬めで、ハンドルを切りこんだときの車体のロールは抑えられている。LDHの恩恵か、いかなる速度域でも、操縦感覚の楽しさが薄れることはない。コーナーでは、進入から中間領域、そして脱出して加速という一連の動作が、きわめて気持ちよくおこなえる。

かつ、Fスポーツではドラインビングモードとして、高めの回転を使う「スポーツ」モードと、さらにシャシー制御まで含めてコーナリング能力を高めた「スポーツ+」モードが用意される。

ダイヤル式セレクターでスポーツモードを選択すると、ガソリンエンジンの、もっとも「おいしい」ところを味わえる設定となる。3,000rpmから上のトルクカーブのピークを使いながら、GSシリーズの車体の基本設計のレベルの高さが感じられる。

外観もその操縦性を表現しているといえる。スピンドルグリルと呼ばれる新世代のフロントグリルに、立体的な造型のスポイラー一体型バンパーなど、Fスポーツ専用の装備を与えられ、見るものに強烈な印象を残す。

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レクサスGS450hに試乗(3)

バージョンLの価値とは

いっぽう、GS450hのバージョンLは、Fスポーツより快適志向。高知の竹を加工したという、バンブーと本革を組み合わせたステアリングホイールなどがオプション設定されているのも、バージョンLのキャラクターをあらわしているといえる。

システム全体で348psの最高出力を発生するパワーユニットはFスポーツと共通だが、車体の上下動などがもう少しゆったりとして、ハンドリングの印象もおとなしく感じられる。

少ない舵角で車体が反応よく向きを変えるというより、多少スローな速度でハンドル操作をしながら、いい音楽など聴くようなひとが、ターゲットに近いのだろう。

LEXUS GS 450h|レクサス GS450h

LEXUS GS 450h|レクサス GS450h

もちろん、走りはけっして悪くない。バージョンLでは落ち着いた気分で高速走行も試してみたが、ハイブリッドとエンジンの切り替わりなどの制御は洗練された印象で、スムーズさを身上としている。

高速走行時の加速性は、Fスポーツと共通しているのだが、背中がシートバックに押しつけられるようなものでなく、悠揚せまらぬという印象だ。「ドライビングポジションおよびシート性能の見直しにより、運転操作性の向上と、正確かつ疲れにくい運転姿勢を実現」とレクサスが謳うように、騒音レベルは低く、疲労度も少ない。

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レクサスGS450hに試乗(4)

ハイブリッド+ニューGS=?

総体としての印象は、新型GSシリーズは先代にくらべて、「クルマの出来」のレベルが何段階も上がった印象だ。開発者がより明確に目的をとらえながら車両を開発した感がある。その目ざすところは、BMW(あるいはアルピナ)やメルセデス(あるいはAMG)のスポーティモデルに匹敵するような、ラグジュリーと娯楽性が同居したセダンではないか。

その意味で、GSは積極的に運転を楽しみたいひとにオススメできる。とくにガソリンエンジン搭載の「GS250」と「GS350」は、ともにすばらしくよくできている。ハイブリッドを否定はしないが、GSの本質的な楽しさはガソリン車でより輝くようにおもえる。GS450hに興味あるひとは、同時にGS350なども試乗して最終的な評価を下したほうがいい。

これは褒めているのか、そうではないのか。書いている本人にも、答えにくい結論になってしまった。

spec

LEXUS GS450h|レクサス GS450h
ボディサイズ|全長4,850×全幅1,840×全高1,455mm
ホイールベース|2,850mm
トレッド幅 前/後|1,575/1,590mm
最低地上高|130mm
車輛重量|1,860kg(I package1,820kg)
トランスミッション|電気式無段変速
エンジン|3,456ccV型6気筒DOHC
ボア×ストローク|94×83mm
圧縮比|13.0
エンジン最高出力|217kW(295ps)/6,000rpm
エンジン最大トルク|356Nm/4,500rpm
燃料供給装置|筒内直接+ポート燃料噴射装置(D-4S)
モーター最高出力|147kW(200ps)
モーター最大トルク|275Nm
駆動用電池|ニッケル水素電池
駆動方式|後輪駆動
燃費|18.2km/ℓ(JC08モード) 20.5km/ℓ(10・15モード)

           
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