スタイリスト長澤実香とマガジニスト北原徹が語る、現代に蘇った“甘い生活” FIAT 500C(チンクエチェントシー) ドルチェヴィータの魅力|FIAT
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2020年12月2日

スタイリスト長澤実香とマガジニスト北原徹が語る、現代に蘇った“甘い生活” FIAT 500C(チンクエチェントシー) ドルチェヴィータの魅力|FIAT

Presented by FIAT

FIAT 500C Dolcevita|フィアット チンクエチェントシー ドルチェヴィータ

フィアット500C ドルチェヴィータ、邂逅と新たなライフスタイルへ。

イタリア映画界の巨匠フェデリコ・フェリーニ監督が1960年に発表した「LA DOLCE VITA(甘い生活)」。同作品に描かれた1950年代イタリアの豪奢でスノッブなライフスタイルの世界観を現代的な感性で蘇らせたフィアット500の特別仕様車「ドルチェヴィータ」が登場した。人気女性誌を中心に活躍するスタイリストの長澤実香さんと、元「ポパイ」副編集長で、現在はファッションカルチャー誌「プリーズ」の編集長を務めるマガジニストの北原徹さん。クルマとファッションとイタリア文化に造詣が深い2人の目に、“甘い生活”を車名にいただく小さな名車はいかに映ったのだろうか?

Text & Photographs by KITAHARA Toru

「LA DOLCE VITA」のごとくパパラッチごっこから撮影をスタート

「LA DOLCE VITA」のワンシーン ©gettyimages
フェデリコ・フェリーニの名画「LA DOLCE VITA」を車名に冠した小さな巨人フィアット500。クルマとは何か? を問いかけるようなフィアットのスタイルに合うファッション、そしてライフスタイルとは? モノクロ映画だったことから、モノクロで60年代気分を現代に置き換えたスタイルで現れた人気スタイリスト長澤実香さんとマガジニスト北原徹さんが語る。
まずは撮影の準備から始めていると北原さんが話し出した。
北原徹さん(以下「北原」) 今日のフィアット500Cはフェデリコ・フェリーニの名作「LA DOLCE VITA」をイメージしているということで、自分の持っているもので映画にまつわるものはないか? と思って持ってきたのがこれ。
長澤実香さん(以下「長澤」) パパラッツォ(編集部注※「LA DOLCE VITA」に登場する報道カメラマン)のカメラ!
北原 パパラッチの語源にもなったパパラッツォのローライフレックス。当時のままでありながら、今でも名機と言われ、フィルムを入れれば十分現役で使える。パパラッチごっこから撮影を始めようかな。
長澤 私は女優じゃありませんから!
北原 映画の台詞そのままだね!(笑)
北原 フィアット500は以前からかわいいな、と思っていたんだけれど、この「ドルチェヴィータ」が目の前に現れたとき、ドキッとしました。「かわいい」が「可愛い」になるみたいなドキドキワクワク感がしたんだよね。
長澤 人生において「ワクワク」することってすごく大事じゃないですか? ワクワクしたいから、いろんなことを見てみたいし、感じてみたい。何かに挑戦するのもワクワクし続けたいからなのかなぁって。そういえば19歳のころ、地元札幌の街でフィアット500を見て、免許取りに行こう! と決めたんですよ。道に止まっていたフィアットの横にもビンテージカーが止まっていて。今思えば映画「ルパン三世 カリオストロの城」のワンシーンみたいだった!
北原 フィアット500を一目見て、これ乗るために免許取りに行こう! ってさすが未来のスタイリスト。乗りたいクルマが先! 僕は免許取らないとまずい! って焦って取った。25歳のときだったなぁ。
長澤 クルマが先だったんですよ(笑)。クルマのスタイルって乗る人にとって重要だと思いますよ。
北原 大学時代に初代フィアット500の助手席に乗せてもらったのを思い出した(笑)。小さくて可愛いクルマが大学の近くにあって、ジロジロ眺めていたら、ご主人が家から出てきて、乗ってみますか? って。
長澤 それで乗っちゃうんだ。
北原 うん、乗せていただいた。「良いデザインでしょ? これ、ボディはフィアット500と同じだけれどエンジンが違うアバルトっていうモデルで、こんなに小さいのにパワーがあるんですよ」って言いながら渋谷の街をグィーンって加速するのよ。
長澤 ご主人はスタイルより走りだったわけね。
北原 走りも良かったけれど、僕にとってはこんなにかわいいクルマがあるんだ! って感じだった。とにかくかわいいのが良かったね。
長澤 そういう意味では北原さんも私と同じくフィアット500がきっかけで免許を取りに行った仲間じゃないですか!?
北原 そう考えると、そうかも。

フィアット500 ドルチェヴィータには乗りたくなるパワーがある

長澤 映画「LA DOLCE VITA」でもフィアット500は出てきますね。
北原 一瞬って感じだけれどね。フェリーニの名作とこのクルマってどう思う?
長澤 当時のブルジョアの世界が描かれているわけですよね。ただ、贅沢とか豪華とかに目がいきがちですが、私はこの中に描かれたリベラルな生き方が気になります。
北原 「快楽とアバンチュール」ってDVDのコメントにあるけれど(笑)。
長澤 そこにばかり目がいくけれど、イタリア人特有の普通じゃいられない感覚があると思うんですよ。自由なスタイルという感じです。
北原 深く聞いてみたいね。
長澤 クルマを造る側の人は、ほとんどの場合、目的とか燃費とか流線型とか形式的なことに捕らわれて造っていると思うくらいどこか普通で、結果的にみんな同じところに行きついていると思うんです。だけれど、この実用主義優先の現代において、このフィアット500は人の個性になりうるクルマだと思うんです。
北原 唯一無二だよね。
長澤 男性ってファッションとして個性を見せる部分はどうしても腕時計とクルマになってしまう。だけれど、クルマにはどうしても実用性という部分も出てきてしまいますよね。フィアットの開発者はまずワクワクするクルマを造りたかったんではないかと思うのです。「これくらいの現実感をこのクルマに込めました。だからこのデザインになりました」というスタートではなく、「こういうデザインのクルマに乗りたい」から始まっている気がするんです。
北原 それは分かる! 洋服でもこういうのが流行っているとか、こっちのほうが売れるから、という理屈で作るブランドもあるけれど、自分が着たいとか自分が格好良く、もしくは彼氏、彼女に着てほしい服というのを作っているほうが服そのものにパワーもあるし、着たくなる服が多いよね。
長澤 そう! それなんです。このクルマには乗りたくなるパワーがあるんですよ。ワクワクする気持ちを大事にしてくれるというか。
北原 映画でも主人公のマルチェロは毎日をワクワクしていたくて、ドキドキが欲しくてローマの夜を楽しんだのかもしれない。
長澤 楽しく乗れるクルマじゃないと! だって、クルマは最高のプライベートな空間なんですから。自分のライフスタイルの重要な一部分だと思っています。
北原 大音量で音楽聴いたり、家ではできないこともできるし、プライベートな話も話しやすかったりするしね。
長澤 クルマと一緒にいるときは、私にとってとっても大事な時間なんです。一人で良い音楽を聴いたり、本を読んだり、考えごとしたり、子どもやパートナーと長旅をしたり。だからインテリアも含め好きな空間であってほしい。若い子だってそうだと思いますよ。彼女や彼氏を隣に乗せてもいいし、一人で良い音楽を聴いたり、本を読んだり、考えごとをしたり。
北原 ただの移動の道具ではないってことだよね。
長澤 移動するプライベートルームってくらいです(笑)。自宅に住んでいる若い女子は一人暮らしをするよりお気に入りのクルマを買いなさい、と言いたいです。
北原 分かる。ドルチェヴィータは女子向きのインテリアですよね。
長澤 流線型だ、未来っぽいとか言われますが、このドルチェヴィータの丸身はどこか懐かしくて古き良き自動車を感じさせます。自分のファッションに合わせて、クルマを選ぶことも大事だけれど、クルマに合わせてファッションを楽しむのも大事なんですよ。ドルチェヴィータのインテリアは今日の我々のファッションのキーワード、モノクロはもちろん合うんですが、ベージュやブラウンのスタイリングも楽しめると思いますよ。
北原 白地に赤いラインが随所にデザインされているけれど、ヨーロッパの麻のテーブルクロスによくある色合いを感じるなぁ。雑貨屋さんで買ってきたのがうちにあるわ。ほどよいオフホワイトのシート(イタリアの高級ブランド「ポルトローナ・フラウ」のレザーを使用した専用シート)も良いよね。高級感がありながら、どこかカジュアル。まさにエレガントカジュアル! ポパイ時代の僕のコピーライティングだけれどね。

見ていてもハンドル握っても楽しい

長澤 乗ってみて分かったんだけれど、パラパラパラっていうのかしら?
北原 漫画のオノマトペで「ボロロロロロォォォ」って描きそう! エンジン音も古き良き時代を思い起こさせますよね!
長澤 女子にとってもこの優しい音色は好みだと思います。「甘い」音色ですよね!
北原 運転してみて、オートマモードでもマニュアルの感触を思い出す、アクセルワークも好みだった。
長澤 さっき試乗したとき、ソフトトップを空けて走ったけれど、気持ちよかったですね。開口部が広い。こんなに後ろまで空けられるとオープンカーと変わらない!
北原 (ソフトトップの)白とブルーのストライプが爽快なんだよね。
長澤 ボーダーTみたいな感覚はフィアット500のイメージ全体にあるかもしれませんね。デザインにどこか太陽の国イタリアを思わせる。明るくて、太陽燦々で、気分が上がる感じ。
北原 さっきソフトトップを全開にして、トランクを開けようとしたのね。そしたら、ソフトトップがちょっと上がるのよ。気が利いているんだよね。
長澤 ダッシュボードを開けたら、車検証入れが出てきたんだけれど、白地に刺繍が可愛いんですよ。こういうところの気の利かせ方、さすが! って思いました。
北原 乗っていて楽しいんだよね。丸いヘッドレストなんてチャーミングだし、見ていても楽しくなりながら、ハンドル握っても楽しい。
長澤 ハンドル握った腕周りまでオシャレしたくなるクルマですよね。
北原 そうだね。長澤さんと話していて「LA DOLCE VITA」もこのフィアット500C Dolcevitaも“今を楽しむ”ってことを教えてくれている気がした。今を楽しめないと人生も楽しくないぞって!こういう風に感じさせてくれる自動車はとても貴重だよね。

Spec

FIAT 500C Dolcevita|フィアット チンクエチェントシー ドルチェヴィータ

  • ボディサイズ|全長3,570×全幅1,625×全高1,505mm
  • ホイールベース|2,300mm
  • トレッド前/後|1,415/1,410mm
  • 車両重量|1,030kg
  • エンジン|1,240cc直列4気筒
  • 最高出力|51kW(69ps)/5,500rpm
  • 最大トルク|102Nm(10.4kgm)/3,000rpm
  • トランスミッション|ATモード付き5速シーケンシャル(デュアロジック)
  • 駆動方式|FF
  • サスペンション前|マクファーソンストラット(スタビライザー付)
  • サスペンション後|トーションビーム(スタビライザー付)
  • ブレーキ前|ディスク
  • ブレーキ後|ドラム
  • タイヤ|195/45R16
  • 燃料消費率(国土交通省審査値)/WLTCモード|17.5m/ℓ
  • CO2排出量(燃費換算値)|133g/km
  • 乗車定員|4人
  • 全国メーカー希望小売価格(消費税込)|289万円
500/500C Dolcevitaの詳細 はコチラ
https://www.fiat-auto.co.jp/limited/500-dolcevita/
NAGASAWA Mika|長澤実香
女性ファッション誌をはじめメンズやインテリア、ベビー服のディレクションとジャンル問わず多岐に渡って活躍し、多くの女優やモデル、タレントから絶大な支持を得る。ハイモードからヴィンテージまでをミックスしてリアルなモードに落とし込む手腕は、業界内でも随一と評判。自身のOL経験を生かしたお仕事のスタイル提案や、切れ味のよいコメントは説得力抜群。
KITAHARA Toru|北原徹
(株)PLEASE代表。マガジニスト/フォトグラファー/文筆家。「週刊SPA!」「an an」「POPEYE(副編集長)」「クロワッサン」など数々の雑誌に参加。現在は雑誌「PLEASE」を創刊し、写真が撮れる編集者として雑誌、アパレルのカタログなどの制作をする。フォトグラファー Ray and LoveRock としても活動。
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CIAO FIAT
Tel.0120-404-053
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