コンコルソ・デレガンツァ・京都 2018|Concorso d’Eleganza 2018
CAR / FEATURES
2018年4月11日

コンコルソ・デレガンツァ・京都 2018|Concorso d’Eleganza 2018


コンコルソ デレガンツァ 京都 2018|Concorso d’Eleganza KYOTO 2018


春の京都に咲き誇る、クラシックカーの華


世界遺産に認定されている京都元離宮二条城において、3月30日から4月2日にかけて「コンコルソ デレガンツァ 京都2018」が開催された。第2回目となる今回のベスト オブ ショウはアルファロメオ「6C2500SSヴィラデステ」(1951)に決定した。


Photographs by UCHIDA Shunichi & UCHIDA ChizukoText by UCHIDA Shunichi



雅やかな桜とクルマの共演


2016年12月に初開催された「コンコルソ デレガンツァ 京都」。二度目となる今回は、まさに花盛りな時期を迎えた二条城で行われた。


「二条城といえば桜。なのでぜひ桜の季節に開催したかったのです」とは、主催者でありアートアクアリウムアーティストでもある木村英智さん。その言葉通り、見事に咲き誇る桜とクラシックカーの共演が実現した。



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ダットサンフェアレディ(左)とダットサンDC3



「コンコルソ デレガンツァ 京都」を世界屈指のコンクールデレガンスに育て上げたいと、「コンコルソ デレガンツァ ヴィラ デステ」や「ペブルビーチ コンクール デレガンス」の審査員や、クラシックカー系のジャーナリストを世界から招致。


また、出展車両も日本のみならず海外からも出展車を募り、世界に通用するレベルを目指し開催している。



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ジャッジの面々と受賞者



会場となったのは京都元離宮二条城内、二の丸御殿中庭。通常は非公開エリアとなるこの場所に約30台のクラシックカーが集合した。初回は特にテーマは決められなかったが、今回からは毎回何かしらのテーマが決められての開催だという。


今年のテーマはカロッツェリア トゥーリング。1926年にイタリア・ミラノに設立された老舗の名門カロッツェリアだ。スーパーレッジェーラ(超軽量)構造により、一躍有名となり、イタリアだけでなく、イギリスのメーカーも手掛けるようになる。



1966年12月に一度活動を休止するも、2012年にカロッツェリア トゥーリング スーパーレッジェーラとして復活。コンセプトモデルや少量生産モデルを積極的に展開している。


今回の「コンコルソ デレガンツァ 京都」でも、2012年のジュネーブモーターショーにデビューした8台限定のアルファ・ロメオ「8Cディスコヴォランテ」が3台展示されたほか、そのデザインモチーフとなった「C52ディスコヴォランテ」もイタリア本国の「ムゼオ ストーリコ アルファロメオ(アルファロメオ歴史博物館)」から来日。この2ショット展示は世界的にみても稀なシーンであった。


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アルファ・ロメオ8Cディスコヴォランテ(左)とC52ディスコヴォランテ(右)


出展車両に目を向けると、テーマの通りアルファ・ロメオ「6C2500SS スポーツベルリネッタ」(1939)やアストン・マーティン「DB4」(1961)など、トゥーリングボディを纏ったエレガントなモデルが多くみられた。


その中にはハリウッド女優のエリザベス・テイラーが初代オーナーだったマセラティ「3500GT」(1962)が出展され注目を集めた。このクルマは、1957年のジュネーブショーでデビューしたマセラティ史上初の量産型GTであり、現行のグラントゥーリズモの始祖となるモデルといえよう。


ボディカラーはゴールドに塗られているが、これはエリザベス・テイラー4番目の夫、エディ・フィッシャーがマセラティに特別にオーダーしたカラーで、赤いリボンをかけられて納車されたエピソードが残されている。


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エリザベス・テイラ―が所有していたマセラティ3500GT






コンコルソ デレガンツァ 京都 2018|Concorso d’Eleganza KYOTO 2018


春の京都に咲き誇る、クラシックカーの華 (2)



栄えある受賞車たち


多くの宝石のような名車の数々の中から、厳正なる審査の結果、以下の12台が栄誉ある賞を受賞した。



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Early Cars to 1951
(1951年以前に作られた中で最も優れているクルマ)

1946年フィアット「1100フルア スパイダー」


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Late Cars from 1952
(1952年以降に作られた中で最も優れているクルマ)

1977年ランボルギーニ「カウンタックLP400」




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Touring Early Italian
(1951年以前に作られたイタリアのメーカーでトゥーリングのボディをまとった最も優れているクルマ)

1939年アルファ・ロメオ「6C2500SS スポーツ ベルリネッタ」


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Touring Classic Italian 1952~1961
(1952年~1961年に作られたイタリアのメーカーでトゥーリングのボディをまとった最も優れているクルマ)

1955年アルファ・ロメオ「1900CSS」




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Touring Italian class of 1962~
(トゥーリングのボディをまとい、1962年以降に作られた最も優れているクルマ)

1962年マセラティ「3500GT」


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Touring Foreign
(イタリア以外のメーカーでトゥーリングのボディをまとった最も優れているクルマ)

1959年アストンマーティン「DB4 3.7」




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Auto Italiana elegante
(ACI)(イタリアのメーカーで最も優れているクルマ)

1962年マセラティ「3500GT」


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Touring Milestone
(トゥーリングの歴史において画期的な道しるべとなるクルマ)

1949年フェラーリ「166インテル」




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Premio Sakura
(春の二条城に最も似合うクルマ)

1939年フィアット1500トゥーリング


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Craftsman award
(匠の技のエピソードが最も優れているクルマ)

1926年フィアット「509デルフィーノ」




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People's choice
(一般投票で最も得票数が多かったクルマ)

1971年ランボルギーニ「ミウラSV」


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Best of Show
(最優秀賞)

1951年アルファ・ロメオ「6C2500SSヴィラデステ」







コンコルソ デレガンツァ 京都 2018|Concorso d’Eleganza KYOTO 2018


春の京都に咲き誇る、クラシックカーの華 (3)



名所を巡るツアーも開催


4月2日で終了した「コンコルソ デレガンツァ 京都2018」。その参加車の一部はプライベートツアー、ツアー デレガンツァに出走。


3日に京都をスタートしたのち、伊勢、川奈、箱根、大磯などで名所旧跡をめぐり、また、宿では温泉や地元の食材を堪能したのちに8日のお昼に東京日本橋にゴールした。



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イタリアをはじめヨーロッパやアメリカから来日したエントラントたちは、京都以外でも日本文化に触れ、大いに楽しんでいた様子だ。


その日本橋では、毎年恒例の春の名橋日本橋祭り内で開催されているジャパン クラシック オートモービルに合流。他の参加者とともに道路元標のある日本橋上に展示された。



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さて、次回の「コンコルソ デレガンツァ 京都」だが、主催者によると2019年4月13日~14日、同じく京都離宮二条城で開催される予定だ。


テーマはカロッツェリア ザガートで、2019年に100周年を迎える同社を記念し、数多くのザガートボディを纏った名車が全世界から集まるという。