ルノー コレオスと過ごすフランスのヴァカンス
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2014年12月9日

ルノー コレオスと過ごすフランスのヴァカンス

Renault Koleos BOSE Edition dCi150 4x4|
ルノー コレオス ボーズ エディション dCi150 4x4

ルノー コレオスと過ごすフランスのヴァカンス

「5月のパリは美しい」とよく言われるけれど、こと、自然のことをいえば、フランスは初夏も美しい。ぐっと色を深める空と緑は、緯度の高いフランスでは、この時期にしか見ることのできないものだからだ。OPENERSでもおなじみの大谷達也氏は今年、そんなフランスで、数日の休日を過ごした。パリからモンサンミッシェルへの旅。ともにしたのはルノーのSUV「コレオス」。生活を愛する国の、バカンスを心待ちにする人たちのクルマは、こんな風に使うのが正解だ!

Text & Photograph by OTANI Tatsuya

フランスの、ごくあたりまえの風景

妻と出かけるはじめての海外旅行は、フランスを目的地に選んだ。たまたまフランスをまだ訪れたことのない彼女に、何気ないパリの街角、たとえ高級でなくとも、おいしい料理やワイン、そして歴史的な芸術の数々などを楽しんで欲しかったというのがその理由だけれど、これとは別に、フランスを旅するならかならず実現したいとおもっていたことがあった。

クルマで遠出して、フランスの田園風景をふたりでぼんやり眺める。ゆるやかな丘陵地帯がつづくフランスの中央部は、これまでにも取材で何度か訪れたことがあるが、私はその美しさにいつも心を奪われていた。別に、ひと目をひく急峻な峠があるわけでもなければ、真っ青な海と白いビーチが強烈なコントラストを織りなしているわけでもない。ただ、緑に覆われた大地がどこまでも広がっているだけ。そこに、穏やかな起伏が幾重にも連なっていて、はるか地平線までつづいている。

あるところは牛や羊たちが命を育む牧草地であったり、あるところは穀物や野菜が植えられた農園だったりと、その目的はさまざまだけれど、いずれにしても生命の強い息吹が伝わってくる場所であることには変わりない。そういった土地では、なぜか時間がゆったりと流れているように感じられる。



何世代も、何十世代にもわたって繰り返されてきた人々の営み。いったい、これまでに何度、この大地に日の出と日の入りが訪れ、春夏秋冬がやってきたのだろうか? そんなことを考えるうち、自分が急にちっぽけな存在におもえて、日々の雑事や悩みから解放される。

おなじような体験を妻にもして欲しい。そう考えた私は、彼女とフランスで過ごす4日間のうち、2日間をパリ観光にあて、残る2日間はクルマでフランスの田舎を訪れるプランを立てた。

コレオスとともに、モンサンミッシェルまで

別に、あてどなくクルマを走らせてもよかったのだけれど、ノルマンディー地方南部の大西洋上に浮かぶモンサンミシェルをいちおうの目的地として選んだ。私もまだモンサンミシェルを訪れたことがなく、妻もテレビでその美しい景色に圧倒されていたことから一も二もなく決まったのだけれど、実際に旅行した友人たちにたずねると、どうも評判がよくない。

ただし、よくよく話を聞けば、モンサンミシェルの景色自体は素晴らしいのだけれども、その狭い島内に日中は日本人観光客が溢れ、フランスらしい雰囲気を味わいにくいというのである。なるほど、それなら分からなくもない。そんなとき、フランスに20年以上も暮らしていたという知人が、ミシュランガイド片手に私の目の前にあらわれ、こんなアドバイスを授けてくれた。

「モンサンミシェルの50kmほど先にディナールという小さな港町がある。ここは静かで本当に美しい。しかも、このガイドブックによると、海沿いに小さなオーベルジュがあるらしい。だから、宿泊はディナールにして、モンサンミシェルは立ち寄るだけにしてはどうか?」

さんざん悩んだすえに、妻と私はこの提案を受け入れることにした。

Renault Koleos BOSE Edition dCi150 4x4|
ルノー コレオス ボーズ エディション dCi150 4x4

ルノー コレオスと過ごすフランスのヴァカンス(2)

パリをはなれ西へ

フランス滞在の3日目、私と妻はパリ郊外にあるルノー スクエアを訪れ、広報車の「コレオス」を借り受けた。ルノー コレオスは私のお気に入りの1台である。半年ほど前、マイナーチェンジを受けたコレオスに試乗したところ、その滑らかな乗り心地に強い感銘を受けた。SUVライクなクロスオーバーモデルにしては静粛性も高い。背の高い室内高は長距離ドライブをより安楽にしてくれるだろうし、たくさんの荷物を積むのにも便利なはず。極めつけは、高いヒップポイントがもたらす視界のよさ。今回の旅の相棒としては絶好の1台といえるだろう。

前日、時間切れで見られなかったオペラ座を訪れていたため、ルノー スクエアに到着したのは午後3時くらい。日本には導入されていない使いやすそうなビルトインナビゲーションにモンサンミシェルを目的地としてセット。距離は350km、およそ4時間の旅と表示される。フランスの遅い夕暮れ時にはモンサンミシェルを目の当たりにしているかとおもうと、自然と胸が弾んだ。

オートルートのA13に乗って北西を目指す。その後、カーン付近でA84に乗り換えてノルマンディーの海岸沿いにやや南下。モンサンミシェルを目指すというルートだ。借り出したコレオスはBOSEのオーディオが装着された「BOSE Edition dCi150 4×4」だった。搭載されるのは4気筒2.0リッターのターボディーゼルエンジン。最高出力は150psだけれど、最大トルクはいかにもディーゼルらしく320Nmと力強い。しかもギヤボックスはオートマチックだから、リラックスしたドライビングを楽しめそうである。



絶品のサンドイッチ

まだ帰宅時間には早いようで、渋滞に巻き込まれることもなくパリ脱出に成功。午後4時過ぎ、食べ損ねていたランチをとるため、近くのサービスエリアに入り、サンドイッチを買った。日本によくあるスライスしたパンではなく、バゲットを用いたものだけれど、フランスのサンドイッチはパンそのものが抜群に旨いうえに、あいだに挟まれている野菜、チーズ、ハムなどが絶品で何度食べても飽きない。

この日、利用したのも、サービスエリアによくある何の変哲もないお店。しかし、こうした何でもない食べ物ほど、その土地から生まれる食材の力がはっきりと表れるもの。手軽きわまりないごちそうに舌鼓をうちながら、さらに西を目指してコレオスを走らせた。

ルーアンの手前でやや左に折れ、カーンを目指してA13を進むものの、期待していたようなスケールの大きい景色には出会わなかった。ときおり目にする牧草地や畑は、街並みなどにさえぎられて、こじんまりとしている。それでも、パリとは大きくことなる風景に、妻は満足しているようだ。

海外旅行というと、どうしても首都を訪れることになりがちだが、冷静に考えればわかるとおり、首都ほどその国のなかで特殊な街はない。だから、その国で営まれている本当の暮らしを知るには、首都から飛び出すのがいちばんの近道だとおもう。

Renault Koleos BOSE Edition dCi150 4x4|
ルノー コレオス ボーズ エディション dCi150 4x4

ルノー コレオスと過ごすフランスのヴァカンス(3)

日本では味わえないディーゼルコレオス

出発するときにリセットしたトリップメーターはもう200kmを越えているが、休憩したいという気持ちにならないのは、やはりコレオスの乗り心地が快適だからだろう。日本仕様に比べると、タイヤの踏面が硬めなせいなのか、ややゴツゴツとした印象を与えるものの、ルノーらしいたっぷりとしたサスペンションストロークは健在で、路面のうねりを軽やかにやり過ごしてくれる。フラット感も合格点。掛け心地のいいシートとあいまって、身体のどこか一部に疲労が集中しない点は本当にありがたい。

2.0リッターのターボディーゼルは、ガソリンモデルに比べればやや燃焼音が耳につくけれど、だからといって気になるほどのレベルでもない。そのいっぽうで、ボトムエンドの力強さは、ガソリンモデルの比ではない。2,000rpmに届かない領域からでも、スロットルペダルを軽く踏んだだけで俊敏に加速を開始する。そして当然のことながら、制限速度の130km/hをオートクルーズにセットすれば、そのスピードでたんたんと走りつづけてくれる。

そういえば、フランスのオートルートでも150km/hオーバーで飛ばすドライバーはほとんど目にしなくなった。「サルコジが大臣になってから取り締まりが厳しくなり、誰も飛ばさなくなった」とはフランスに暮らす知人の弁だが、平均的な流れは120km/hを下回っているようで、130km/hでコンスタントに走るコレオスを抜かすクルマは皆無といっていいくらい。

昔は、何かに取り憑かれたように飛ばすドライバーを目にしたものだが時代が完全に変わってしまったようだ。

A84をアヴランシュ付近で下り、一般国道のN176からN175へ進み、さらに地方道に入る。片側一車線でガードレールさえも時々なくなる、文字どおりの地方道だ。やがて、遠くに海が見えはじめた。地図によれば、ここからモンサンミシェルまでの距離はせいぜい10kmほどだ。

まだ完成したばかりの駐車場。クルマに乗る一般客は、ここまでしかモンサンミシェルに近づくことができない。詳しい地図がないのでよくわからないが、どう見ても、島までは歩いて1時間くらいありそうだ。やむなく、この日は島を遠目に眺めるだけで退散。予約しておいたディナールのオーベルジュに向かったのは、午後7時過ぎのことだった。

紛れもなくヨーロッパ

モンサンミシェルから1時間ほど走って着いたディナールは、海岸のすぐ近くまで切り立った山が迫っているという意味では日本的な景色だが、緑の濃さや、そこかしこに点在する建物のデザインは紛れもなくヨーロッパでしか見られないもの。目指すオーベルジュは小さなドラッグストアと隣接しており、コレオスのナビが教えてくれなければ、目の前の通りを走っていても決して気づかなかったことだろう。

けれども、ここで供された料理が本当に絶品だった。フランス料理というと、やたらクリーミーなソースが添えられてくるような先入観があるが、この店の料理はまったくの別物。素材のよさを引き出す、比較的あっさりした味付けなのである。しかも、熱いものはしっかりと熱く、冷たいものはキリリと冷やしてある。



私は前菜に生ガキ、メインに3種の魚料理の盛り合わせをオーダー。妻は貝類のワイン蒸しをオードブルに、そしてメインはこの日お勧めという魚料理を頼んだ。デザートを含むコースは1人45ユーロ、ワインは1本30ユーロと、まったくのお手軽価格だったが、これより旨いフランス料理は食べたことがないとおもえるほど美味だった。

しかも、プリフィックス(料金は固定)といいながら、こちらのかなりわがままなオーダーにも笑顔で応えてくれるほどサービスは良好。まあ、私のグルメ経験など大したものではなく、したがって、この程度の店はフランスなら他にもゴロゴロあるのかもしれないが、妻とふたり、大切な夜をこの店で過ごせた幸運を、紹介してくれた知人と、彼が手がかりとしたミシュランガイドに心から感謝した次第である。

Restaurant - Hôtel Didier Méril

1, Place du Général de Gaulle Dinard 35800 France
Tel. 02 99 46 95 74
Fax. 02 99 16 07 75

Renault Koleos BOSE Edition dCi150 4x4|
ルノー コレオス ボーズ エディション dCi150 4x4

ルノー コレオスと過ごすフランスのヴァカンス(4)

モンサンミッシェルは朝日とともに

翌朝5時、眠い目をこすりながら起き上がり、まだ闇に包まれた道をコレオスで進む。日の出前、まだ観光客が動き出すより早く、モンサンミシェルを訪れようというわけである。昨日のうちに確かめておいた駐車場にコレオスを停め、徒歩でモンサンミシェルを目指す。およそ1時間の道のりを歩くうち、次第に太陽が昇り、13世紀には現在の姿となっていたとされる石造りの建物を、朝日が照らしはじめた。

海のなかにポツンと浮かんだその島を、茜色から藍色までの様々な光が染め上げ、刻一刻と表情を変えていく。おなじように徒歩でこの島を訪れた観光客とたまにすれちうがうだけで、あたりは完全な静寂に包まれている。そのなかで、雄大な景色だけが、人知れず色を変化させていく。夢のような、幻想のような世界だ。



人気のないモンサンミシェルの島内をひとしきり歩く。まるで宮崎 駿の映画を見ているような気分になるが、無論、こちらがオリジナルである。そこで過ごした30分ほどの時間がどれほど感動的だったかは、残念ながら文字で表すことができない。読者諸氏に申し上げられるのは、「機会があったらぜひ、早朝のモンサンミシェルをたずねて欲しい」ということでしかない。

さらに1時間歩いて駐車場に戻り、それから1時間コレオスを走らせてホテルに戻った私と妻は、シンプルなコンチネンタル ブレックファースト(ただし、またしてもバターが絶品だった)で空腹を満たすと、チェックアウトタイムぎりぎりまで睡眠をむさぼり、ホテルをあとにした。

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ルノー コレオス ボーズ エディション dCi150 4x4

ルノー コレオスと過ごすフランスのヴァカンス(5)

ガイドブックに書いてない、本当のフランス

パリに向かう帰り道は、ル・マンの近くを通る南側のルートを選んだ。ル・マンとシャルトルを結ぶA11の周辺には、私が妻にぜひ見せたいとおもっていた広大な景色が広がっているのを知っていたからだ。

この日のような天気のことを、抜けるような青空というのだろう。それにしても、北海道並みに緯度が高いフランスの空は、空の青が本当に濃い。それを反射するかのように、牧草地の緑が輝いている。ときおり、何頭かの牛がポツンポツンとたたずんで、草を食んでいる姿が見えた。その景色を見て、私は当たり前だが牧歌的だとおもった。妻は、牛の姿を見て「幸せそう」と羨んだ。

パリには、まだまだ訪れたい場所があった。モンマルトルの丘にも上っていなかったし、ルーブルも外観しか見られなかった。たった2日間でパリを見つくそうというのが、どだい、無理な話なのだ。



でも、4日間のフランス滞在中、2日間を長距離ドライブにあてたことは正解だった。実は、この旅の途中で、地元の人とのさまざまなふれあいがあったのだが、それらは、首都だけを見てまわる海外旅行では決して知ることのできない貴重な経験だった。「ガイドブックに書いてない、本当のフランスを知ることができた」 帰りの飛行機のなかで、妻はそう口にした。

海外のドライブにはリスクがつきものだ。だから、安易に誰にでも勧めることはできないけれど、周到な準備を済ませたうえで、チャンスがあれば、ぜひトライして欲しい。

最後に、フランスという国を創造した偉大な先人たちと、フランスという国だからこそ誕生したルノーという自動車メーカーにあらためて感謝をしつつ、この一文を締めくくることにしたい。

spec

Renault Koleos BOSE Edition dCi150 4x4|ルノー コレオス ボーズ エディション dCi150 4x4
ボディ|全長4,520×全幅1,855×全高1,695mm
ホイールベース|2,690mm
最低地上高|188mm
エンジン|コモンレール式水冷直列4気筒16バルブ ターボチャージャー付ディーゼル
総排気量|1,995cc
トランスミッション|6段オートマチック
最高出力|110kW(150ps)/4000rpm
最大トルク|320Nm/2000rpm
駆動方式|四輪駆動
車両重量|1,730kg
CO2排出量|166g/km
燃費|6.4L/100km(EU複合値、およそ15.6 km/L)
最高速度|177km/h
0-100km/h加速|12.3秒
最小回転半径|5.8m
タイヤ|225/60 R17
積載容量|450L(最大1,380L)
(すべて欧州仕様)

           
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