シトロエンの新プレミアムブランド「DS」の発信拠点をパリにたずねる|DS
CAR / FEATURES
2015年7月27日

シトロエンの新プレミアムブランド「DS」の発信拠点をパリにたずねる|DS

DS WORLD PARIS|DS ワールド パリ

シトロエンの新プレミアムブランド「DS」を発信する拠点

DS WORLD PARISをたずねる

シトロエンから分離したあらたなプレミアムブランド「DS」の世界を発信する拠点として、パリにオープンしたショールーム「DS WORLD PARIS」。販売車を見せるショールームという機能だけではなく、カスタマイズサービスに応じたり、博物館収蔵の希少なモデルのDSを紹介するなど、やさまざまな仕掛けが用意されているという。最新モデルに触れ、その起源も味わう、奥深いDSの情報基地を大矢アキオ氏が案内する。

Text and Photographs by Akio Lorenzo OYA

ヘリティッジをテーマにしたショールーム

カルティエ、バルマン――高級ブティックが軒を連ねるパリ8区フランソワ1世通り。目と鼻の先にあるシャンゼリゼ通りの喧騒が嘘のようだ。

その一角に「DS WORLD PARIS」がある。シトロエンのプレミアムブランド「DS」の世界を発信する拠点として、2013年11月にオープンしたショールームだ。

高級感あるブラックを基調とした館内で最初に迎えてくれるのは「DS3」「DS4」など最新DSシリーズである。2015年はオリジナルモデルであるDSの誕生60周年ということで、筆者が訪れたときは、記念特別仕様が展示されていた。脇には、オフィシャルグッズを集めたコーナーも設けられている。

1階は現行DSのショールーム

1階はDS3をはじめとする現行DSのショールーム

[caption id="attachment_1311567" align="alignnone" width="670"]60周年記念特別仕様車

60周年記念特別仕様車は、ボディステッカーのほか、インテリアには特製フロアマット、1台ごとの限定ナンバーが彫られたプレートなどが奢られている

ただし吹き抜けを見上げた瞬間、クルマ好きなら、次の順路は自然と決まってしまうだろう。
 
天井に貼られたミラーには、金色に輝くカブリオレが映っているからだ。

それに導かれるまま登る階段の途中には、オリジナルモデルであるDSのフォルムを創造したイタリア人デザイナー、フラミニオ・ベルトーニによるスケッチや、デザイン開発用のスケールモデルが展示されている。シトロエンの歴史資料館「コンセルヴァトワール」の秘蔵コレクションである。

金色のカブリオレは、かつてフランスを代表する高級カロスリ(ボディ製作工房)のひとつだったアンリ・シャプロンによるスペシャル・コーチワークである。1960年の「クロワゼット」と名付けられたモデルだ。

アンリ・シャプロンによる1960年「クロワゼット」

アンリ・シャプロンによる1960年「クロワゼット」

オリジナルDSのクレイモデルと、デザイナーのフラミニオ・ベルトーニ

オリジナル シトロエンDSのクレイモデルと、デザイナーのフラミニオ・ベルトーニ(1903-1964)

 
その傍らに展示されているのは、シャルル・ド・ゴール元フランス大統領のプライベートカーだった1969年モデルのDSである。35年の長きにわたり、納屋の中にあったのをレストアしたものという。走行距離は8万キロ。ドアを開けた途端、古いクルマ独特の香りが、あたりにたちこめた。

DS WORLD PARIS|DS ワールド パリ

シトロエンの新プレミアムブランド「DS」を発信する拠点

DS WORLD PARISをたずねる (2)

カスタマイズや歴史資料館など幅広いサービス

いっぽう地下は、新ブランドのDSシリーズのための商談フロアに充てられている。

コンセイエ(フランス語で顧問。セールス担当)のゴティエ・カルカイヨン氏によれば、「パリの中でもこのエリアは独特です。多くのお客様は企業経営者の方などで、午後3時以降、ゆっくりと観にいらっしゃいます」という。

新DSシリーズは多彩なカスタマイズをチャームポイントとしているが、DS WORLD PARISの場合、納期は基本的に1ヵ月から2ヵ月である。また、欧州で納車はオーナーがディーラーまで出向くのが基本だが、DS WORLD PARISの場合、オーナー邸での納車にも対応している。くわえて、定期メインテナンスの際の車両引き取りおよびデリバリーにも応じている。

地下の商談フロア

オートクチュールの街区で、クルマのオートクチュールを愉しむ贅沢が、そこにある

ステッチに用いられる糸

ステッチに用いられる糸の色もバリエーションに富んでいる

DS WORLD PARISが提供するサービスといえば、こんなユニークなものもある。

パリ郊外オールネー スー ボワにある、前述のシトロエン歴史資料館の訪問オーガナイズだ。短期のパリ滞在では予定を合わせることが難しいかもしれないが、通常非公開で、従来は常設の受付窓口がなかっただけに、フランス車ファンにはうれしい計らいである。

レセプションのカリッサさんは、さらなる体験型アトラクションも紹介してくれた。ショーファー付きのオリジナルのDS21によるパリ遊覧だ。最大4名乗車可能で、1時間半コース(240ユーロ:約3万3000円。1ユーロ138円で換算)から、「パリ ロマンティーク」と題された3時間コース(445ユーロ:約6万2000円)まで、4コースから選べる。

くわえて、1973年モデルのDSをレンタルし、自分で運転できるプランもある。こちらは24時間/走行距離150km込み250ユーロ(約3万5,000円)、1週間/600km込みで1,300ユーロ(約18万2,000円)だ。

戦後自動車史に残る1台と存分にランデヴーを愉しむことができることを考えれば、けっして高くないプライスだろう。

最新モデルに触れ、その起源も味わう。このショールームはDSというタイムマシーンの出発点なのである。

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オリジナルDS21によるパリ遊覧

 

問い合わせ先

DS WORLD PARIS

33. rue François 1er

75008 Paris France

10:00-19:30 日曜休

http://www.dsworld.paris

           
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