Audi A1 e-tron|アウディ A1 eトロン
CAR / FEATURES
2015年2月19日

Audi A1 e-tron|アウディ A1 eトロン

Audi A1 e-tron|アウディ A1 eトロン

プレミアムコンパクトのハイブリッドモデル

アウディは、若い顧客の獲得を狙ったプレミアムコンパクト「A1」のプラグインハイブリッドバージョンで、発電専用のロータリーエンジンを搭載する「A1 eトロン」の映像を公開した。

文=ジラフ

燃費52.63km/ℓを誇るハイブリッドシステム

A1 eトロンは、原則モーターのみで走行するEVモデルで、搭載されるモーターは最高出力61ps、最大トルク15.3kgmを発生し、最大走行距離50kmをゼロエミッションで走行することが可能だ。

またオーバーブーストモードが採用され、その場合でも最高出力102ps、最大トルク24.5kgmとやや非力な印象だが、1190kgという軽量さとあいまって、0-100km/h加速10.2秒、最高速130km/hと実用に見合った数値を記録している。気になる欧州複合モード燃費は52.63km/ℓ、CO2排出量は45g/kmと高記録をマークし、データからも環境に配慮したクルマであることがわかる。

Audi A1 e-tron|アウディ A1 eトロン Photo02

Audi A1 e-tron|アウディ A1 eトロン Photo03

2次電池として蓄電容量12kWhのリチウムイオンバッテリーを採用し、フロントグリルのソケットから充電をおこなうことができる。380Vの電源ならば約3時間でチャージが可能だという。
このほかに、バッテリーの残量が少なくなると、発電専用のロータリーエンジンが始動し、わずか254ccという排気量ながら、最高出力20psを発揮する。このエンジンの運動エネルギーによって、ジェネレーターが回転し、モーターに電力を供給させながら、バッテリーも充電することができる。燃料タンクは12リットルで、発電によってさらに200km走行距離を延長することが可能だという。アウディはA1 eトロンを、都市近郊での使用を想定したEV、「メガシティビークル」として世界各地への投入を計画。

ぜひとも、A1 eトロンがもつハイブリッドモデルらしい静粛な走りや、e トロンモデル独特の充電方法などを、アウディが配信している以下の動画で目の当たりにしてほしい。

BRAND HISTORY
Audi(アウディ)のエンブレムは“フォーリングス”。その輪ひとつひとつが自動車メーカーのアウディ、DKW(デーカーヴェー)、ホルヒ、ヴァンダラーをあらわしているのはご存知だろう。いずれもザクセン州に本拠を置き、20世紀のはじめ、ドイツの自動車産業を牽引したブランドである。しかし、第一次世界大戦後に起きた世界恐慌の煽りをくらった4社は、生き残りをかけて、1932年にアウトウニオンを結成。DKWがモーターサイクルと小型車、ヴァンダラーが中型車、アウディが高級中型車、そして、ホルヒがラグジュアリーカーに特化する戦略をとることになった。

しかし、第二次世界大戦の敗戦により旧東ドイツのザクセンはロシアの占領下となり、アウトウニオンは消滅。これを見越して、旧西ドイツのバイエルン州インゴルシュタットに新生アウトウニオンが設立される。BMWやメルセデス・ベンツとちがい、工場のない状況からの苦しいスタートをしいられたアウトウニオンであったが、DKWデリバリーバンなどの生産により徐々に体力をつけていった。

1964年末にフォルクスワーゲン傘下におさまったアウトウニオンは、ほどなくしてアウディの名を冠した新型車を世に送りだす。そして1969年には、ネッカースウルムに本拠を置くNSU(“ヴァンケルエンジン”の開発で知られる)を合併し、アウディNSUアウトウニオンとなり、1985年からはアウディとして現在にいたる。クワトロをはじめとするテクノロジーと、モータースポーツ活動に裏づけられたダイナミック性能、エレガントなデザイン。そして、質感の高い仕上がりが、アウディの人気を牽引している。

           
Photo Gallery