レクサス IS250C|美しいたたずまいのオープン
LEXUS IS250C|レクサス IS250C
美しいたたずまいのオープン
ライバルとなるメルセデスやBMWなどではおなじみの、フル4シータ-オープンカーが、今年、レクサスのラインナップにもくわわった。ISから派生した同車の魅力とは。
文=小川フミオ写真=荒川正幸
20秒でフルオープン
ラインナップ拡充に余念がないレクサスでは2009年、趣味性の高いモデルを相次いで投入した。そのうちの1台がIS250C(495万円~)。ISのシャシーを使い、215馬力の2.5リッターV6エンジンを搭載した後輪駆動車だ。電動のリトラクタブルメタルルーフを採用した4人乗りで、内装色も2トーンシート、ステッチ、ウッドパネルの組み合わせが豊富で、遊び心が強いのも特徴だ。
IS250Cは、ルーフを閉じた状態で大人4人が乗れる機能性の高さを誇る一方、約20秒でフルオープンにしたときは、美しいたたずまいをもつ。外国ではフル4シーターのオープンカーが好まれるが、日本でも年配のユーザーがこのクルマに乗るのは格好がいいだろう。いっぽうルーフを閉じた状態では、外部からの騒音は極力抑えられている。ルーフの開閉機構など孔が多く開けられているが、ひとつずつ丁寧に遮音対策をほどこしたそうだ。
レクサスならではのエアコン
乗ってみると、開発者の思惑どおり、大人っぽい印象が強い。重量はベースになったIS250より約160kg増したというが、ボディが重くなったぶん、乗り心地がしっとりとした感が強い。ボディのきしみは感じられないし、足まわりはしなやかで、ショックも少なく段差を超えるなど、設定も上手だ。
山道などではパワーが不足ぎみと感じられる場面もあるが、総じてよく走る。街中では4635mmの全長に1800mmを切る全幅の車体のサイズと相まって、取りまわしのよさをふくめて快適に使えるし、高速道路ではゆったりとした乗り心地が魅力的だ。かつエアコンの性能も素晴らしく、局所的に冷風や温風があたるのではなく、キャビン全体の温度がじわーと変わっていく。上手な設計だ。こういうところがレクサスならではのよさだろう。
LEXUS IS250C|レクサス IS250C
ボディ|全長4635×全幅1795×全高1415mm ホイールベース2730mm
車両重量|1730kg
エンジン|2499cc V型6気筒
最高出力|158kW[215ps]/6400pm
最大トルク|260Nm[26.5]/3800rpm
駆動方式|FR
トランスミッション|スーパーインテリジェント6速AT
サスペンション|F:ダブルウィッシュボーン R:マルチリンク
タイヤ|F:225/45R17 R:245/45R17
価格|495万円
レクサスインフォメーションデスク
0800-500-5577
http://lexus.jp
BRAND HISTORY
トヨタがアメリカ市場において高級車ブランドLEXUS(レクサス)を立ち上げたのは1989年のこと。トヨタが誇る高い技術力と優れた品質、そして極上の顧客サービスにより、アメリカやドイツの高級車とは一線を画す新しい価値を提供しようというのが狙いであった。
同年9月、「LS400」(日本名セルシオ)と「ES250」(同カムリ)がアメリカ市場に投入されると、翌1990年2月には早くもLS400がベストインポートカーを獲得している。その後もレクサスの評価は高まるばかりで、ラインナップの拡大とともに、高級車ブランドとしてのポジションを確実にしていった。
アメリカでの成功を受けて、2004年にはヨーロッパ進出を果たしたレクサスは、同年5月、日本での事業展開を発表。翌2005年8月には、母国での高級車ビジネスをスタートさせた。開業当初は、「GS」(トヨタブランドのアリストの後継車)、「SC」(同ソアラ)、「IS」(同アルテッツァの後継車)と、フラッグシップの「LS」を欠くラインナップだったが、2006年9月には待望の新型LS、そして、2007年5月にはそのハイブリッド版の「LS600h/LS600hL」を投入することで、ラグジュアリーサルーン購買層の期待に応えている。
一方、2007年10月にスポーツモデル「IS F」を発表、また、2008年5月に行われたニュルブルクリンク24時間レースに開発中のスポーツクーペ「LF-A」を投入するなど、スポーツイメージの獲得に力を入れており、さらなる人気拡大が期待される。