BMW ACTIVE HYBRID X6|BMWにもハイブリッドの波
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2015年4月14日

BMW ACTIVE HYBRID X6|BMWにもハイブリッドの波

BMW ACTIVE HYBRID X6|ビー・エム・ダブリュー アクティブハイブリッド X6

BMWにもハイブリッドの波

BMWは、同社初のフルハイブリッドカーとなる「アクティブハイブリッドX6」を発表した。

文=ジラフ

量産ハイブリッド最強のパワー

ベースとなる車両は、X6のトップグレード「xドライブ50i」。ここに搭載されるハイブリッドシステムは、2モードハイブリッドシステムと呼ばれるもので、50iとおなじ直噴ガソリン4.4リッターV8ツインターボ(最高出力400ps、最大トルク62.2kgm)に、2基のモーターを追加したもの。この2基のモーターは低速用(91ps、26.6kgm)、高速用(86ps、28.5kgm)に分けられ、エンジンとのトータル出力は、480ps、79.5kgmという「量産ハイブリッド車で最強のパワー」を誇る。

また「7速ツーモードアクティブトランスミッション(ECVT)」と4WDの「xドライブ」の採用により、そのパワーをロスすることなく路面に伝え、0-100km/h加速5.6秒、最高速は250km/h(リミッター制御)という動力性能を現実のものとしている。

最高時速60km/hでゼロエミッション走行可能

二次電池は、ハイブリッドシステムの主流になるともいえるリチウムイオンではなく、液冷式の高圧ニッケル水素バッテリーを採用。2.5トン近い車両を、最長で約2.6km、最高時速60km/hでゼロエミッション走行させることが可能だという。もちろん、アイドリングストップや回生ブレーキなども採用されている。

正式な燃費は好評されていないが、BMWが「50iの約20%増し」とアナウンスしていることから、欧州複合モード燃費で9.6km/l前後の数値が予想される。

アクティブハイブリッドX6は、9月に開催されるフランクフルトモーターショーで正式発表後、9 ~ 12月期に発売される予定だという。

BRAND HISTORY
“キドニーグリル”と丸目四灯ヘッドライトにより、ひと目でそれとわかるフロンマスクが特徴のBMW。日本の輸入車市場においても常に高い人気を誇っているが、その名前が何を意味するのか、即座に答えられるひとは意外に少ないのではないだろうか。

Bayerische Motoren Werke(バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ)。直訳すれば「バイエルン地方のエンジン工場」という意味だ。前身だったラップ社は、カール・フリードリッヒ・ラップが1913年にドイツのバイエルンに設立した航空機用エンジンのメーカーで、おなじバイエルンの機体メーカーのオットー社と組んで、ビジネスを成功に導く。1916年にはバイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ有限会社と改称。2年後には株式会社に組織変更するとともに、バイエルンの青い空と白い雲をイメージしたプロペラのロゴマークを登録している。

その後も革新的な技術により存在感を高めたBMWだったが、第一次世界大戦の敗戦により、航空機エンジンの製造中止を余儀なくされた。そこでBWMは、もてる技術をモーターサイクルに注ぎ、1923年にはシャフトドライブの「BMW R32」を発表して注目を浴びることに。しかし、それだけでは飽きたらず、オースチンセブンをライセンス生産するディクシー社を買収。これにより自動車ビジネスの足がかりをつかみ、1929年には「BMW3/15 PS」を発売、自動車メーカーとしての歴史をスタートさせている。

ちなみに、BMWと深い関係にあったオットー社は、ガソリンエンジンの理論を確立したニコラウス・アウグスト・オットーの実の息子であるグスタフ・オットーが創立した会社。BMWが内燃機関にこだわるのは、このあたりに理由がありそうだ。

           
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