BMW X1|Xシリーズのエントリーモデル
BMW X1|ビー・エム・ダブリュー X1
Xシリーズのエントリーモデル
BMWはニューモデル「X1」のティーザー写真を公表した。
文=ジラフ
X3、X5、X6に共通のデザインモチーフ
これらの写真からは、X3、X5、X6に共通する大型のキドニーグリルや、最新BMWと同様のリング状のポジショニングライト、LEDのストップランプが確認できる。また、X3、X5と同様に、前後のオーバーハングが短く切り取られているほか、大き目のフェンダーアーチ、やや長めのボンネットフードが見て取れる。
ボディサイズは、全長4457×全幅1789×全高1535mm。これはX3よりも130mm短く、65mm狭く、140mm低い数値だが、写真を見る限り、もっとも印象的なのがその車高の低さ。間違いなくBMWのSAV(スポーツアクティビティビークル)に属しながらも、非常にライトでスポーティな印象を受けるのはその車高ゆえだろう。また、やや寝かせ気味にデザインされたリアゲートもこの「X1」の特徴で、スタイリッシュな印象を与えてくれる。
正式発表はフランクフルトモーターショーを予定
エンジンなど詳細は公表されていないが、おそらく「1」や「3」シリーズと同様となる、2.0リッター直4のガソリンエンジン(170ps)、2.0リッター直4のディーゼルエンジン(177ps)などの採用がウワサされる。また最上級モデルには、BMW伝統の3.0リッターのストレート6(231ps)も搭載される予定だという。もちろん「Xドライブ」が駆動方式として採用されるのは間違いない。
「X1」の正式発表は、9月のフランクフルトモーターショーを予定。ヨーロッパでは今年末から販売が開始されるという。
BRAND HISTORY
“キドニーグリル”と丸目四灯ヘッドライトにより、ひと目でそれとわかるフロンマスクが特徴のBMW。日本の輸入車市場においても常に高い人気を誇っているが、その名前が何を意味するのか、即座に答えられるひとは意外に少ないのではないだろうか。
Bayerische Motoren Werke(バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ)。直訳すれば「バイエルン地方のエンジン工場」という意味だ。前身だったラップ社は、カール・フリードリッヒ・ラップが1913年にドイツのバイエルンに設立した航空機用エンジンのメーカーで、おなじバイエルンの機体メーカーのオットー社と組んで、ビジネスを成功に導く。1916年にはバイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ有限会社と改称。2年後には株式会社に組織変更するとともに、バイエルンの青い空と白い雲をイメージしたプロペラのロゴマークを登録している。
その後も革新的な技術により存在感を高めたBMWだったが、第一次世界大戦の敗戦により、航空機エンジンの製造中止を余儀なくされた。そこでBWMは、もてる技術をモーターサイクルに注ぎ、1923年にはシャフトドライブの「BMW R32」を発表して注目を浴びることに。しかし、それだけでは飽きたらず、オースチンセブンをライセンス生産するディクシー社を買収。これにより自動車ビジネスの足がかりをつかみ、1929年には「BMW3/15 PS」を発売、自動車メーカーとしての歴史をスタートさせている。
ちなみに、BMWと深い関係にあったオットー社は、ガソリンエンジンの理論を確立したニコラウス・アウグスト・オットーの実の息子であるグスタフ・オットーが創立した会社。BMWが内燃機関にこだわるのは、このあたりに理由がありそうだ。