ティモ・ベルンハルト、ロマン・デュマ ALMSエントリー
PORSCHE 911 GT3 R Hybrid|ポルシェ 911 GT3 R ハイブリッド
ロードアトランタをポルシェ 911 GT3 R ハイブリッドが走る
ポルシェAGのワークスドライバー、ティモ・ベルンハルトとロマン・デュマは、10月2日に開催のアメリカン・ル・マン・シリーズ最終戦にポルシェ 911 GT3 R ハイブリッドでエントリーする。
text by OPENERS
「デイトナ24時間」優勝を果たしたトリオがポルシェのハイブリッドで参戦
ポルシェAGのワークスドライバー、ティモ・ベルンハルト(ドイツ)とロマン・デュマ(フランス)は、10月2日に開催される世界三大レースのひとつアメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)シーズン最終戦のロードアトランタにエントリーする。
使用するマシンはフロントに出力60kwのモーターを2基そなえ、リアに搭載された4リッター水平対向6気筒(最高出力480PS)の自然吸気エンジンをアシストするポルシェ 911 GT3 Rのハイブリッドである。
このコンビは、ALSM、LMP2プロトタイプクラスのチャンピオン、2008年セブリング12時間総合優勝、そして2007年から2009年までのニュルブルクリンク24時間において総合優勝という歴史的な記録をつくりあげてきた。
このチームのサードドライバーを、ポルシェ ジュニア出身で現アウディのワークスドライバーである、マイク・ロッケンフェラー(ドイツ)が務める。
同チームは先立って6月におこなわれたル・マン24時間で総合優勝を果たしており、1月にもデイトナ24時間にポルシェのエンジンを搭載したデイトナ・プロトタイプで参戦し優勝をおさめている。
ポルシェ 911 GT3 R ハイブリッドのシステムはというと、制動時に発生する運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、一時的にフライホイールに貯める。そして加速時に、自動的にフロントホイールにエネルギーを供給し、リアエンジンをアシストする。コーナーの立ち上がりやオーバーテイクにおいてもその威力を発揮し、フロントの2基のモーターに最大120kW供給する。これにより燃料消費量が低減され、航続距離が伸びるという仕組みである。
さらにドライバーはオーバーテイク時、この貯められたエネルギーをステアリングホイールに配されたブーストパドルをつかい手動で利用することも可能。
過酷な状態を走りぬくための意気込み
しかし、ロードアトランタのGTレギュレーションにおいて、同車のハイブリッドシステムはまだ認可をうけていない。そのため同車にはポイントが加算されていない状態にある。
そのことにかんし、ベルンハルトは「我われにとって今やるべきことは、ハイブリッドテクノロジーのさらなる開発であり、レースにおける燃費の最適化です。もちろん、GT2カーに混じってどのような走りができるか、といったことに非常に興味があることはいうまでもありません」と語っている。一方のデュマは「アメリカでのレースほど過酷なGTクラスのレースはほかにありません」とコメント。
同車は、今年のニュルブルクリンク24時間レースでリタイヤするまでの22時間15分以上のあいだ、8時間以上総合トップを走り、驚異的なポテンシャルをあらわにした。
ポルシェが理念としてもつ「ポルシェ・インテリジェントパフォーマンス」のフィロソフィをはっきりと具現したといえるだろう。
今回のALMSにおいてどのような走りをみせるのか、本番のレースを心待ちにしたい。