PORSCHE Cayenne|ポルシェがカイエンでディーゼル戦線に参入
PORSCHE Cayenne|ポルシェ カイエン
ポルシェがカイエンでディーゼル戦線に参入
エコロジー(Cayenne)や低燃費の観点で、ディーゼルエンジン旋風が巻き起こっている欧州だが、ポルシェAGも、カイエンシリーズのラインナップをより充実させるため、満を持してディーゼルエンジン搭載モデルを2009年2月より発売する。
文=ジラフ
アウディ製3リッターV6ターボを搭載
カイエンのディーゼルモデルに搭載するエンジンは、アウディ製の3リッターV6ディーゼルターボ(最高出力240ps)。トランスミッションには、優れた実績を誇るオートマチック「ティプトロニックS」の搭載が予定される。
このエンジンの特徴は、ナチュラルなスロットルレスポンスと太いトルク(最大550N・m)で、カイエンに求められる、高い走破性とドライビングプレジャーを両立させている。平均燃費は9.3リッター/100 kmで、CO2排出量は244 g/kmとなる。
これによりポルシェは燃料消費量を削減するという社会的責任を果たすことになるが、燃料消費量が9リッター/100 kmに満たないカイエン・ハイブリッドモデルの開発は現在も進行中で、2009年末の市販化を目指しているという。
今回発表されたディーゼルエンジン搭載のニューカイエンは、2009年2月以降、欧州各国のディーラーでの販売が予定されるが、そのほかの市場での発売についての検討も開始されている。
BRAND HISTORY
ドイツを代表するスポーツカーブランドとして世界中の腕利きから圧倒的な支持を得ているのがPORSCHE(ポルシェ)である。はじまりは1931年。20代の頃から自動車エンジニアとして頭角をあらわした奇才・フェルディナンド・ポルシェは、ダイムラー社の技術部長を経験したあと、ドイツのシュトゥットガルトに「ポルシェ設計事務所」を設立して独立。以後、自動車メーカーからさまざまなクルマの開発を託されることになる。なかでも有名なのが、ドイツの「国民車」としてモータリゼーションに大きく貢献した「フォルクスワーゲン・ビートル」だ。
自動車メーカーとして、自らの名を初めて冠したのは、1948年に登場した「356」であった。それからポルシェは「911」「924」「928」といったスポーツカーを世に送り出すとともに、モータースポーツに力を注ぐ。たとえば、世界でもっとも苛酷なレースといわれるルマン24時間で16回の優勝を手に入れたほか、F1でもエンジンサプライヤーとして3度のシリーズ優勝に貢献するなど、輝かしい戦績を収めたのだった。その技術力と走りへのこだわりがいまなお彼らの製品に息づいているのはいうまでもない。
現在は、デビューから45年が経ったいまでもスポーツカーのトップランナーとして高い評価を得る「911」をはじめ、オープンスポーツの「ボクスター」、ボクスターのクーペ版の「ケイマン」、そして、プレミアムスポーツSUVの「カイエン」と、ラインナップすべてが高い人気を誇る。