さらに向上した駆けぬける歓び

先だっておこなわれたデトロイトモーターショーでプレミアとなったBMW 6シリーズ カブリオレが、はやくも日本国内で販売されることが決定した。同車は、流麗なボディに、上質なインテリアをもちながら、BMW車の理念であるエフィシエントダイナミクスに基づくテクノロジーを導入することで、走りの楽しさと環境性能を両立させたプレミアムな1台である。

日本で販売されるラインナップは、「640i」「650i」の2モデル。まず、640iに搭載されるエンジンは、ツイン・スクロール・ターボチャージャー、高精度なダイレクト・インジェクション・システムにバルブトロニックを組み合わせた3.0リッター直列6気筒のBMWツインパワー・ターボ・エンジンで、最高出力235kW（320ps）、最大トルク450Nm（45.9kgm）を発生する。このエンジンは、BMW 535iやBMW X5 xDrive35iなどに積まれているエンジンと同型のものだが、最高出力を10kW（14ps）、最大トルクを50Nm（5.1kgm）向上させた高効率なものとなっている。一方の650iは、4.4リッターV型8気筒のBMWツインパワー・ターボ・エンジンを搭載し、最高出力300kW（407ps）、最大トルク600Nm（61.2kgm）を発揮する、よりハイパワーな仕様である。トランスミッションは、両モデルともに、パドルシフトつき8段スポーツATが採用される。

この新型6シリーズ カブリオレは、5シリーズなどにも備わっているインテグレイテッド・アクティブ・ステアリング（前後輪統合制御ステアリング・システム）という、車速に応じてフロントホイールの切れ角を可変制御するアクティブ・ステアリングに、リヤ・ホイールのステアリング機能を組み合わせるシステムが備わっている。それにくわえ、シーンに合った走行モードをセットアップできるダイナミック・ドライビング・コントロールなど、ドライビングをサポートする機能がふんだんに設定されたことで、「駆けぬける歓びをさらに向上させた」とBMW側ではしている。

640iには、BMWのAT車としてはじめて「エンジン・オート・スタート／ストップ機能」が採用されており、その結果、「平成22年度燃費基準+25%」および「平成17年排ガス基準75%低減レベル」を達成。欧州データによれば、CO2排出量は185g/kmまでおさえられている。ちなみに、650iは249g/kmである。

デザイン性と実用性を両立させた内外装

デザインにかんして、まずエクステリアは、わずかに傾斜したBMW伝統のキドニーグリルから、それに沿うように描かれているアウトラインは美しく、スポーティ。ヘッドライトには片側2灯式のバイキセノンタイプを装備し、そこにLEDスモール・ライト・リングをあらたに採用したことで、ヘッドライト最上部に配置されたライト・ストリップのLEDアクセント・ラインと相まって、精悍な顔だちになっている。

インテリアは、センター・コンソールとインストゥルメントパネルが一体化したデザインが採用され、BMW伝統の左右非対称なフォルムを形成。

インストゥルメントパネル最上部に配置された10.2インチ高解像度ワイド・コントロール・ディスプレイにはクロームの枠がほどこされた独立型のフラット・スクリーンが用いられている。

また、速度40km/h以下であれば、自動で開閉が可能なソフトトップは、非常にコンパクトに折りたたむことができるため、開いた状態でも300リットルのトランク容量を確保（ソフトトップを閉めた状態では350リットル）し、実用性においても遜色は見られない。

この新型BMW 6シリーズ カブリオレは、640iが1,028万円、650iが1,330万円のプライスタグが下げられ、2月24日より予約注文受付を開始、4月からの納車が予定されている。