2015 ミラノサローネ 最新リポート|nendo
DESIGN / FEATURES
2015年4月30日

2015 ミラノサローネ 最新リポート|nendo

nendo|ネンド

特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2015

13回目の出展となる「nendo works 2014-2015」を開催

デザインオフィス「nendo(ネンド)」のミラノサローネ13回目の出展となる今年の個展「nendo works 2014-2015」が、イタリアの巨匠デザイナー、カスティリオーニ氏が改装したことで知られるミラノ市内の美術館「Museo della Permanente(ペルマネンテ美術館)」全館で、おこなわれた。

Photographs by OTA Takumi / Joakim BlockstromText by KAJII Makoto (OPENERS)

壮大な空間に200点以上の新作が登場

4月14日から4月19日まで開催されたnendoの個展「nendo works 2014-2015」では、国内外の21ブランドのために手がけた34コレクション200点以上の新作と、ヨーロッパで初めて発表する作品を展示。今回はそのなかでも注目を浴びた、グラスイタリアの作品を紹介する。

ガラスのイメージを裏切るガラスの表現をかたちにした、「Glas Italia(グラスイタリア)」の「soft」は3種類のローテーブルで、いずれも5枚のフロストグラスを使った箱のような形状。ガラスとガラスのジョイントは、ともに断面の角度を45度にしたものを接着しており、その断面には鮮やかな色をプリントしている。

パープルからレッド、オレンジからイエロー、ブルーからパープルというグラデーションがほどこされ、さらにこの色が平面のガラスに滲んだようなプリントをフロストガラスの裏面になされていることで、エッジの色が滲んでいるような、自然でやわらかい印象を作り出している。

グラスイタリアの「pair」は、フロスト加工されたスモークグラスでできたふたつの家具が、だんだんと重なり合うようなイメージでデザインしたコレクション。重なった部分は透明のガラスを使用し、スモークグラスと透明ガラスは小口のみで接着されており、同ブランドのカットと接着技術の真骨頂が発揮されている。

グラスイタリアとの作品はほかにも、ガラス製の2層の天板をもつダイニングテーブル「clear shadow」などが展示された。また、コクヨファニチャーと協業した最新コンセプトの「アメニティチェア」のプロトタイプ「offset-frame chair」、朝日ウッドテックの「LiveNaturalプレミアム」の新デザイン「stream」、70周年を迎えた木製ドアメーカー阿部興業とのあたらしい7つのドアコレクション「seven doors」、自身がクリエイティブディレクターを務めるプロテカのスーツケース「360」なども注目を集め、nendoが西武・そごうと共同開発をしているオリジナルブランド「by | n(バイエヌ)」のポップアップショップも好評を博した。

nendo works 2014-2015
<出展作品>
Glas Italia、Alcantara、Alias、BRIX、Cappellini、Driade、Häagen-Dazs、Industry+、Louis Poulsen、Moroo、Gebrüder Thonet Vienna、The Garden of Wonders、Tod’s、Patio Petite、Proteca、by | n、Rain bottle、chocolatexture、阿部興業、朝日ウッドテック、コクヨファニチャー、日本タンナーズ協会

 

佐藤オオキ|SATO Oki
1977年カナダ生まれ。2000年早稲田大学理工学部建築学科首席卒業。2002年同大学大学院修了、デザインオフィスnendo設立。「小さな“!”を感じてもらうこと」をコンセプトとして、東京・ミラノ・シンガポールを拠点とし、建築、インテリア、プロダクト、グラフィックと多岐に渡るジャンルのデザインを手がける。
2007年Newsweeks誌「世界が尊敬する日本人100人」、2008年「世界が注目する日本の中小企業100社」に選出され、Wallpaper誌(英)、Elle Deco誌をはじめとする世界的なデザイン賞の数々を受賞。
作品はニューヨーク近代美術館(米)・ポンピドゥーセンター(仏)・ビクトリアアンドアルバート博物館(英)など世界の主要美術館に多数収蔵されている。
www.nendo.jp

           
Photo Gallery