ミラノサローネでevalaと田根剛がコラボレーション|CITIZEN
12万個の時計地板が輝く
音響を加えたインスタレーション
サウンドアーティスト・evala氏と建築家・田根剛氏が、イタリア・ミラノで開催された「ミラノサローネ」でコラボレーション作品を発表した。
Text by WASEDA Kosaku(OPENERS)
テーマは「時」
「ミラノデザインウィーク」は、毎年4月、イタリア・ミラノで開催される世界最大規模のデザインの祭典「ミラノサローネ(Salone Internazionale del Mobile di Milano)」を中心に開かれる一大イベントだ。インテリア、小物、アートなどその展示対象は多岐にわたる。今年のデザインウィークで注目された作品の一つがシチズン時計と建築家・田根剛氏によるインスタレーション「time is TIME」だ。
ミラノサローネ2014では、史上初の2冠を獲得するなど国際的デザインアワードを多数受賞した「LIGHT is TIME」。シチズン時計と田根氏によるインスタレーションは、東京で凱旋展示され、7万人以上もの来場があり、大きな話題を呼んだ。
その第2弾として、サウンドアーティスト・evala氏とテクニカルディレクター・遠藤豊氏を迎え、2016年のミラノデザインウィークで初披露されたのが「time is TIME」。最新鋭の音響を含めた「時」をテーマにした巨大な作品となる。
このインスタレーションで使われたのは時計の基盤である「地板」。その数は約12万個にも及ぶ。それらが設置された会場内の二つの空間は、それぞれ表現が異なるという。「SPACE A」は絶え間なく動き続ける“時間の流れ”を表現。「SPACE B」では1秒の間に存在する“さまざまな時”を表現した。
「時間」という現代人が共有する概念を、インスタレーションとして表現する挑戦と探求心に注目だ。
evala|エバラ
本名、江原寛人。2006年デビュー。音楽家、サウンドアーティスト。先鋭的な電子音楽作品を発表し、国内外の音楽祭や美術展にてインスタレーションやコンサートの上演、また公共空間、舞台、映画、広告メディアにおいて立体音響システムや先端テクノロジーを用いた多彩なサウンドデザインや楽曲提供を行う。主な作品に、CD『acoustic bend』、インスタレーション『大きな耳をもったキツネ』(NTTインターコミュニケーション・センター/2013)の音楽、『蜷川実花:Self-imag展』音響プログラムなどがある。
TANE Tsuyoshi|田根剛
1979 年東京生まれ。建築家。2006 年『エストニア国立博物館』の国際設計競技にて最優秀賞(2016 年完成予定)、また新国立競技場基本構想国際デザイン競技の『古墳スタジアム』がファイナリストに選ばれ国際的な注目を集める。2015 年、21_21 DESIGN SIGHT 企画展「建築家フランク・ゲーリー展 “I Have an Idea”」展覧会ディレクターを務め話題となった。フランス文化庁新進建築家賞、ミラノ建築家協会賞受賞、ミラノ・デザイン・アワード2 部門受賞(2014)など多数受賞 。2012 年より、コロンビア大学GSAPP で教鞭をとる。
ENDO Yutaka|遠藤 豊
1977 年新潟生まれ。アートディレクター/ プロデューサー/ テクニカルディレクター。
舞台芸術を中心に、音楽、映像、デザイン、コンプューターテクノロジーとの関わりを独自に作り出す。積極的な人と間隔の交流を目指し、拠点の境目をなくし、感覚の遍在化を目指す。テクニカルディレクターとして、ミラノサローネ、Baselworld、デザインあ展「モノ・オトと映像の部屋」(2013 東京)、「北斎」展 (2014 パリ)、建築家 フランク・ゲーリー展 “I Have anIdea”(2015 東京)他、映像、音響、照明演出などに携わる。
シチズンミラノサローネ2016特設コンテンツ
http://citizen.jp/event2016/milan/index.html