ART FAIR TOKYO 2015|特別企画展の見どころを紹介
LOUNGE / ART
2015年5月14日

ART FAIR TOKYO 2015|特別企画展の見どころを紹介

ART FAIR TOKYO 2015|アートフェア東京2015
さまざまなジャンルのアートを東京で体感する

琳派から現代アートまで、特別企画展の見どころを一挙紹介(1)

3月20日(金)から22日(日)までの3日間、「アートフェア東京」が有楽町・東京国際フォーラムで開催される。10回目の開催を記念し、「琳派」と、「ヴェネツィア・ビエンナーレ」を切り口に、日本独自の美術の文脈と、国際的な美術の文脈から日本の現代アートを辿る特別展示が企画されている。また、アマナサルトのブースでは建築家・安藤忠雄による作品集も国内ではじめて発表される。全3回にわたってお届けする「アートフェア東京2015」特集の第2弾は、特別企画展などを中心にアートフェア東京の見どころをお伝えする。

Text by ART FAIR TOKYO PR

琳派のもつポップ性とは? 「琳派はポップ / ポップは琳派」

現代アートがグローバル化するなか、日本独自の美術表現を改めて見直し、より歴史的な文脈で日本の美術を再考する取り組みが多く見られるようになった。誕生から400年を迎える琳派は、俵屋宗達と本阿弥光悦にはじまり、尾形光琳らによって発展を遂げ、その影響は日本国内だけに留まらず、19世紀の印象派から現代のデザインにまで広がっていると言われている。一方、1960年代欧米のアートシーンで支持された「ポップ」は、現代では広く社会にその感覚が浸透し、ファッションなどにももちいられている。

「琳派はポップ / ポップは琳派」の展示エリアでは、時代を越えて、いまなお支持される琳派の“ポップ性”に注目し、現代日本の多様な表現のなかから、9名の作家による作品を紹介する。コシノジュンコと矢柳剛のコラボレーションにより制作された色鮮やかでグラフィカルな作品をはじめ、琳派を独自の視点で解釈し、屏風や水墨などの日本特有の素材やメディアをもちいて制作された金氏徹平、しりあがり寿、染谷聡、山本太郎、山口藍の作品やインスタレーション、琳派的な感覚を取り入れながら表現された中島克子の陶芸作品、そして、華やかな色彩の組み合わせが美しい蜷川実花の写真作品が登場する。

ART FAIR TOKYO 2015│アートフェア東京2015

山口藍 ことど 撮影:市川靖史 ©ai yamaguchi・ninyu works Courtesy SPIRAL / Wacoal Art Center, Mizuma Art Gallery

ART FAIR TOKYO 2015|特別企画展の見どころを紹介 ギャラリー 金氏徹平 Ghost in the Liquid Room (lenticular) #8 copyright the artist courtesy ShugoArts RETURN prev 1 / 11 next ART|特別企画展の見どころを紹介

山本太郎紅白紅白梅図屏風 ©Taro YAMAMOTO courtesy of imura art gallery

また、日本文化に対する敬愛の念を根底にもちながら、屏風絵や襖絵を制作するロバート・クシュナーの作品も周辺ブースで展示される。

国際的な視点で日本の現代アートを俯瞰

ART FAIR TOKYO 2015|アートフェア東京2015
さまざまなジャンルのアートを東京で体感する

琳派から現代アートまで、特別企画展の見どころを一挙紹介(2)

ヴェネツィア・ビエンナーレをテーマにした「ヴェネツィアがみた日本の現代アート」

1988年からスタートし、現在世界で最も影響力のある国際展と言われる「ヴェネツィア・ビエンナーレ」。2013年には田中功起が特別表彰を受賞するなど、日本の現代アートが国際的に高く評価される場にもなった。この企画では国際的な視点で日本の現代アートを俯瞰するために、ヴェネツィア・ビエンナーレに参加した実績のあるアーティストのなかから、「多様性の中の現在」と「もの派から辿る20世紀」というふたつのテーマを軸に、15名の日本人作家の作品を紹介する。

ART FAIR TOKYO 2015│アートフェア東京2015

森村泰昌 セルフポートレイト/白いマリリン copyright the artist courtesy ShugoArts

「多様性の中の現在」と名付けられたブースでは、1988年から今年までの間にヴェネツィア・ビエンナーレで紹介された作家の作品のみならず、ヴェネツィア・ビエンナーレに関連した作品やアーカイブなどを展示する。ちなみに1988年は、森村泰昌や宮島達男が若手グループ展「アペルト」部門に作品を出展し、今日高く評価される日本の現代アートが国際的に認知を高めるきっかけとなった年だ。

そして森万里子をはじめ、米田知子、そして国内外での活躍が目覚ましい束芋や田中功起、塩田千春(2015年参加予定)など、今日の日本社会や世界の多様性に焦点を当てた、意欲的で世界的な評価も高い作品をここで見ることができる。

また、ドイツ銀行グループのアーティスト・オブ・ザ・イヤー2015を受賞した田中功起は、「アートフェア東京2015」の一週間後からベルリンのドイチェ・バンク・クンストハレで開催される展覧会や関連する作品を、ドイツ銀行グループのブースで紹介。2005年に参加した土屋信子は、周辺ブースでの展示以外に、架空の展覧会を想定したフライヤーのプロジェクトを展開する。

そして、現在世界的に注目されている日本のアートムーブメントである「もの派」。その主要メンバーのひとりである菅木志雄は、1978年にクループに参加。日本館が紹介したアーティストは、同じく「もの派」の文脈で紹介される小清水漸にはじまり、戸谷成雄や遠藤利克、村岡三郎といった作家たちにまで広がっている。

戦後日本のアートシーンに大きな衝撃を与えた「もの派」や、それ以降に生み出されたアートやムーブメントが、時代とともに日本のアートシーンに与えた影響とは、果たしてどのようなものだったのか。20世紀日本の現代アートを、この5名の作家の関連作品や近作と共に辿ってゆく。

ART FAIR TOKYO 2015│アートフェア東京2015

小清水漸 赤と木 5 Courtesy of the artist and Tokyo Gallery+BTAP

国内初披露! 建築家 安藤忠雄の作品集

アマナサルトのブースでは、建築家・安藤忠雄の『ANDO×ANDO ‒ Photographs』を発表する。これは「光の教会」などの代表的な建築作品を安藤氏自らが撮り下ろしたプラチナプリント技法で制作した10点の写真作品が収録されたポートフォリオ集だ。

ART FAIR TOKYO 2015│アートフェア東京2015

写真提供(株)アマナサルト

安藤氏が「ただ光に希望を託して、もっとも単純で、もっとも豊潤な意味をもつ空間を追い求めてきた、私のむきだしの思考の軌跡がそこにある」と語る通り、ANDO建築の原点とその普遍性が表現されている。「アートフェア東京2015」では、本作の日本初披露にくわえ、昨年発表されたポートフォリオ集第1弾『ANDO BOX ‒ Drawings』も同時に展示される貴重な機会だ。

アートフェア東京2015
日程|3月20日(金)11:00~21:00
3月21日(土)11:00~20:00
3月22日(日)10:30~17:00
会場|東京国際フォーラム 地下2階展示ホール
東京都千代田区丸の内3-5-1
入場料|1-DAYパスポート 当日2000円、前売り1500円
3-DAYパスポート 当日3500円、前売り3000円(3月19日まで発売中)

アートフェア東京実行委員会事務局
Tel. 03-5808-1451

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