from TOKYO MOON|2月21日 ON AIR Jose Jamesインタビュー(前編)
Lounge
2015年4月13日

from TOKYO MOON|2月21日 ON AIR Jose Jamesインタビュー(前編)

from TOKYO MOON|2月21日 ON AIR

ホセ・ジェイムズ×松浦俊夫 インタビュー (前編)

Make “BLACKMAGIC”on you!

日曜の夜、上質な音楽とともにゆったりと流れる自分だけの時間は、大人たちの至福の時。そんな豊かな時間をお届けするのは、DJ松浦俊夫によるラジオプログラム『TOKYO MOON』──。彼が世界中から選りすぐった素晴らしい音楽や知的好奇心を刺激する大人のためのトピックスを、毎週日曜日Inter FM 76.1MHzにて19時からオンエアー。 ここでは毎週オンエアーされたばかりのプログラムを松浦俊夫みずからお届けします。さて、今回彼がピックアップしたものとは?

文=松浦俊夫写真=鈴木健太

TOKYO MOON Jose James Special!

スモーキーで艶のある独特の歌声で世界中の音楽リスナーを魅了する新世代ジャズボーカリスト、Jose James(ホセ・ジェイムズ)。

Gilles Peterson(ジャイルス・ピーターソン)主催レーベルBrownswood Recording(ブラウンズウッド・レコード)よりリリースされたばかりのニューアルバム『BLACKMAGIC』を引っさげて、東京・大阪でのライブツアーのため来日した彼を「TOKYKO MOON」が単独インタビュー。

ニューアルバム制作の背景から自身のジャズとの出会い、そして想い。番組にはなかった日本語訳もふくめ、ノーカットで一挙公開します!

REVIEW|TRACK LIST
01.Jose James / Black Magic
02.Jose James / Black Magic-Jay Orbison mix
03.Jose James / Detroit Loveletter
04.Jose James / Warrior (LIVE at Billboard Live Tokyo)
05.Jose James / Touch
06.Jose James / Electro magnetic
07.Duke Ellington All Stars / Take The A Train

What is “JAZZ” for you?

松浦 ニューアルバム「BLACKMAGIC」完成おめでとうございます。

JJ 制作に2年もかかったので完成して安心しています。いい評判もいただけて、とてもうれしいです。

松浦 前作よりもソウル色が強くなっていますね。

HJ それについてはジャイルス(ジャイルス・ピーターソン)と話し合って決めたんです。ファーストアルバムはよりピュアなジャズを、そしてセカンドアルバムではよりソウル色を強めていこうと。

でもその時点ではまだこうしよう、ああしようといった具体的なことはなにも決まっていなかったのですが、Flying Lotus(フライング・ロータス)やMoodymann(ムーディーマン)などのすばらしいアーティストたちと出会ったことで自然と発展していったんです。

松浦 そのムーディーマンやフライング・ロータスは今作に参加していますね。なぜ彼らと共演しようと思ったのですか?

JJ フライング・ロータスにかんしては、ちょうど彼が『Reset EP』のリリース直後だったため、プロモーションでロンドンに来ていたんです。そのときにぜひ会いたいと思い、ファーストアルバム『The Dreamer』用にレコーディングした20曲くらいをもって会いに行ったんです。そうしたら彼が僕の曲を気に入ってくれて、そこで一緒になにか作りたいね、という話になったんです。

もともとは彼のファーストアルバム『Los Angeles』に収録するために『VISIONS OF VIOLET』という曲を作ったんです。結局その曲は別のかたちでブラウンズウッド・レコードからリリースすることになったんだけど、それが僕たちの最初のコラボレーションとなり、その関係が今作にまでつづいているといった感じです。

ムーディーマンはファーストアルバムに収録されている『DESIRE』という曲のリミックスを彼が手がけてくれたんです。それが本当にすばらしかったので、彼がDJをしているところに会いに行ってそのことを伝えたんです。そうしたら「じゃあまたぜひ一緒にやろうよ!」と言ってくれて、今回のコラボレーションにつながりました。

Taylor Mcferrin(テイラー・マクファーリン)については、彼の『Love Conversation』という曲をシンガポールでおこなわれた「WORLDWIDE SHOWCASE」に向かう機内のなかで聴いて、そのすばらしさに感動したことをきっかけに今回のコラボレーションが実現しました。

DJ MITSU THE BEATS(DJ ミツ・ザ・ビーツ)にかんしては、僕がフィーチャリングとして参加した彼のアルバム曲が本当にすばらしかったため、これをぜひ今作に収録したいと思ったんです。

松浦 もともとジャズって目に見えないアートフォームのような、スピリットのようなものだと僕は思ってきたんですが、近頃“クラブにおけるジャズ” というジャンルが“ジャズっぽいものの上でなにかを表現する”というような形式的なものにとらわれている気がするんです。ジャズのもつ“前に進むべき精神”というものが失われてきているのではないかと、僕は日本にいて感じていて。

なので『BLACKMAGIC』を聴いたときはまず驚いたんです。フライング・ロータス、ムーディーマンとのコラボレーションであったり、Benga(ベンガ)の『Emotion』を編曲して『Warrior』という曲にしたり、未開の地に進んでいく感性というか勇気というか、そういうリベラルな考え方が今作に強く反映されていると思ったんです。その自由な発想、そしてジャズというものをどう考えますか?

JJ すごくうれしいです、ありがとうございます。もちろんフライング・ロータスはJohn Coltrane(ジョン・コルトレーン)の血のつながりをもったあたらしい世代であり、すばらしいミュージシャンであるということが僕の根底にあるんです。

ベンガにしても、おなじサンプリングであっても彼は全然ちがうアプローチをしているんです。僕にとってあれはただのビートなんかではなく“song”に聞こえる。それってすごくおもしろいことだと思うんです。

まさに松浦さんがおっしゃったようにジャズというのはスピリットが大事。「ジャズ=スピリット」と言ってもいいものだと思っています。前の世代の壮大さやいろいろなことをつなげていく、それがジャズだと思います。

前作の『The Dreamer』はそんな想いが強く反映されていたアルバムだと思うんです。もちろん今作に対しても姿勢は変わりません。たとえばワンテイクで収録したりライブで録ったり、クリックなどは使わない、あとから修正することもしないでそのままを使うとか。そういう姿勢がスピリットというものを反映していると思うんです。

──ホセ・ジェイムズ×松浦俊夫 インタビュー(後編)へ

Jose James|ホセ・ジェイムス
『Blackmagic』発売中
Brownswood / Beat Records BRC246

松浦俊夫『TOKYO MOON』

毎週日曜日19:00~19:30 ON AIR
Inter FM 76.1MHz

『TOKYO MOON』へのメッセージはこちらまで
moon@interfm.jp

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www.interfm.co.jp

           
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