CHROME HEARTS リチャード・スターク 独占インタビュー
「CHROME HEARTS TOKYO」リニューアルオープン
リチャード&ローリー・スターク 独占インタビュー
1999年12月に世界で直営ショップ2号店として開店した「CHROME HEARTS TOKYO」が、大幅にボリュームアップして新たにスタート。リニューアルオープンに際して来日したCHROME HEARTSのデザイナー兼オーナーであるリチャード・スターク氏と夫人のローリー・スタークさんにお話を伺った。
まとめ=梶井 誠(本誌)photo by Jamandfix
CHROME HEARTSを好きになってくれることがすべて
──リニューアルオープンおめでとうございます。ものすごい店になりましたね
リチャード 自分でも驚いているよ(笑)。日本の関係者にもかなりがんばってもらったからね。
──特にこだわった部分は?
リチャード ドア、そのハンドルや金具まですべてLAから運んで、日本の工事関係者とCHROME HEARTSの職人や大工の手によってここまで仕上がったが、とくに今回こだわったのは、コンクリート打ちっ放しの階段を設けたことだね。
ローリー この「CHROME HEARTS TOKYO」の設計・デザインはリチャードのディレクションとアイデアによってできています。これまで世界中のショップの階段はすべて木材でしたが、今回はじめてコンクリート打ちっ放しが実現しました。
リチャード コンクリートの階段は本当はLAの工場内に設けたかったんだけど、なかなか難しい作業だった。日本にインスピレーションを与えられたわけではないが、日本人の建築家の安藤忠雄氏などはすばらしい打ちっ放しの建築を完成させていて、日本人はそれに関してマスターだとずっと思っていた。だから今回はどうしてもコンクリート打ちっ放しの階段をつくりたかったんだ。長年温めてきたが、すばらしいできばえだと思っているよ。
──クロムハーツは日本で圧倒的な人気を誇りますが、マーケットは意識しますか?
リチャード 世界中どこでもマーケットのことは考えない。われわれが考えて、デザインして、つくって、それを好きになってくれればうれしい。
ローリー でもひとつ言えるのは、日本人は美意識がものすごく繊細で、時代に敏感。そういうマーケットで支持されていることにとても満足しています。日本はどこのショップをみても特徴をもっていてすばらしいし、日本人はファッションやアート、音楽などさまざまな分野で、たとえば「kawaii」感覚とか、日本人みたいになりたいと、日本がひとつのモデルのようになってきているのを感じます。世界に向けてとてもコマーシャルになっていると思う。
インターネット? あまり興味はないね(笑)
──日本の好きなところをひとつ教えてください
リチャード それはとてもいい質問だけど、日本には19年前から来ているから、好きなものはたくさんありすぎてひとつだけ挙げるのは難しいな。「これだ!」というのは日本にとってかえって失礼になるかも。あ、そうだ。15年前におなじ質問をされたときに「お餅」と答えたんだよ。そうしたら、お餅がたくさん送られてきた! それから来日するたびにお餅をもらったから、いまなら薄型の大型ハイビジョンテレビとか言えばいいんだな(笑)。
──OPENERSはインターネットのメディアですが、ネットに興味は?
リチャード あんまり関心はないね、かろうじてメールは使っているけど。自分ではコンピュータの仕事はしたくないな。
ローリー 私はリチャードとは正反対で、仕事のリサーチやコミュニケーションなどで、すごく便利に使っているわ。アッというまになんでも買えるし(笑)。とくにGoogleアースを見ているのが大好き。自分の家を見ていると不思議な感じがするの。
リチャード ボクがGoogleアースをキライなのは、そういうものが日常にあると、どんどん驚きがなくなってしまうと思う。たとえば別の国に行くときに、驚きやときめきこそ欲しいものなんだ。ケータイもそうだけど、そういうものにしょうがなくついていこうとしているけど、ポリシーとしては必要ないね。
──ぜひ、この記事はネットで見てください(笑)
CHROME HEARTS TOKYO
住所│東京都港区南青山6-3-14 Tel. 03-5766-1081
営業時間│12:00~20:00(平日)、11:00~20:00(土日祝)
公式サイト│http://www.chromehearts.com
http://www.united-arrows.co.jp/ch/