フェラーリ 599
Car
2015年4月27日

フェラーリ 599

FERRARI 599
フェラーリ 599

名車の流れを汲む2シーターベルリネッタ

フェラーリ伝統の12気筒エンジンを積む最新モデルが「599」だ。「575Mマラネロ」や「365GTB」といった名車の流れを汲むこの2シーターベルリネッタは2006年のジュネーブショーにてワールドプレミアを果たしている。

ピニンファリーナによるスタイリングは、一目でフェラーリとわかる優雅さと威厳を持ち、フラグシップモデルとして存在感は十分。エンジンは、その名が示すとおり、5999ccの65度V12をフロントに搭載。620psの最高出力を7600rpmで発揮し、0-100km/h加速3.7秒、最高速330km/h以上という実力を手に入れている。

高速域での安定した走行を実現するため、アンダーボディやリアディフューザーといったエアロパーツは風洞実験によって最適化され、たとえば300km/h走行時には160kgのダウンフォースを発生させるという。

トランスミッションは、パドルシフトが可能なF1スーパーファーストギアボックスを採用。シフトに要する時間は100msで、オートマチックモードや、レーシングスタートをきめるためのローンチコントロール機能を有する。

さらに、磁性流体によりダンピングをコントロールする“SCMサスペンション”や最大限のトラクションを確保する“F1-TRAC”、車両性能をダイナミックにコントロールする“マネッティーノ”といった最新技術が、599のポテンシャルを余すところなく引き出すはずだ。

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フェラーリ 599

ボディ|全長4665×全幅1962×全高1336mm
エンジン|6.0リッターV型12気筒
最高出力|456kW[620ps]/7600rpm
最大トルク|608Nm[62.0kgm]/5600rpm
駆動方式|FR
トランスミッション|6段F1タイプ・ギアボックス
価格|3458万7000円
(2008年5月26日現在)

BRAND HISTORY
“カヴァリーノ・ランパンテ”、日本では“跳ね馬”と称されるエンブレムに胸躍らせるファンは少なくない。サーキットではその激しい走りに観衆は熱狂し、ストリートでは端麗なシルエットと甲高いサウンドで人々を魅了するクルマ、それがFERRARI(フェラーリ)だ。F1、市販車のいずれにおいても、スピードを極めるこのブランドは、創業者であるエンツォ・フェラーリの情熱がいまなお強く息づいている。

1898年にイタリアのモデナで生まれたエンツォは、10歳のときボローニャで見たレースに感激し、いつしか自分もレーシングドライバーになろうと思うようになる。一途な思いは着々と実現へ向かい、1920年、エンツォはついにアルファ・ロメオのテストドライバーとなった。そして、同じ年のタルガ・フローリオではアルファのドライバーとして参戦、見事2位の記録を残している。

しかし、やがてエンツォの興味はレーシング・チームを運営することへと移り、1929年にスクーデリア・フェラーリを立ち上げて、アルファのレース活動を引き受けることに。その手腕を発揮するにもかかわらず、1939年にはアルファとの関係は解消され、第二次大戦後の1947年、自前のV12エンジンを積む「フェラーリ125」を引っさげてレース活動を再開。ここからスポーツカーブランドとしてのフェラーリが歩みはじめた。

その後、フェラーリはフィアット傘下に入り、現在はフィアットグループの会長を兼任する社長のルカ・モンテゼーモロのもとで、ブランドの魅力を高め続けている。ラインアップは、V12エンジンを積む「599」と「612スカリエッティ」、V8のミドシップスポーツ「F430」「F430スパイダー」、そして、スポーティさを極めた「430スクーデリア」の5モデルである。

           
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