ACT5 | 番長 meets 坂本龍一 (3)
ACT5 番長 meets 教授
赤司竜彦 × 坂本龍一 対談(3)
第3回目となる今回は、坂本さんが代表発起人をつとめているプロジェクト「more trees」について、坂本さん自らその概要をかたります。
2008年から京都議定書が実行期間に入ったことで、「排出権取引」など日ごろ聞き慣れない言葉が飛び交いはじめた昨今。地球温暖化防止と森林再生のため、われわれができることはなんなのか? 注目の対談です。
文=秦野邦彦まとめ=高橋猛志(本誌)Photo by Jamandfix
赤司 教授が新たにmore treesというプロジェクトを始められたとうかがって、こういうものを試作してみました(間伐材を使ったBE@RBRICKの写真を見せる)。
坂本 これはすごい。間伐材を使うっていうのは、いいアイディアだね。間伐をすると健康な木がもっとよく育つようになるし、余った木はたくさん使ってあげたほうがいい。
赤司 そもそもmore treesをやろうという思いは、どこからご自分のなかに巻き起こったものなんですか?
坂本 環境なんて縁遠かったでしょ、僕。
赤司 ええ、昔から教授を見てる自分としても不思議なところはあります。すごく変わられたんだなって。
坂本 どういう風に? 正直に言ってごらんなさい(笑)。
赤司 自分が最初に傾倒したのが『B2-UNIT』だったこともあって、都市生活者のための音楽みたいなイメージが強かったものですから。
坂本 たしかに僕は東京生まれの東京育ちだし、あまり自然のことはよく知らないけど、それでも最近の環境問題は意識せざるをえない。つまり、僕ぐらいそういうことに関心が無かった人間でも、関心を持たざるを得ないほど状況は切迫していると思うんです。
赤司 たしかにそうですね。
坂本 特にこの2、3年は温暖化が加速している実感は誰もが感じてますよね? 通常なら大気中のCO2は、海と、陸上の植物が吸収してくれるんだけど、最近の研究によれば海がもう飽和状態で、吸収率がかなり低下しているそうなんです。ならば、残るは陸上の植物だけど、世界では毎秒ごとにサッカーフィールドひとつ分の森が失われているような状況だから、とりあえず森を増やさないと、とんでもないことになってしまうわけです。もちろん何もないところから森を作ることも大切なんだけど、日本のように既に森がたくさんある国の場合は、さっき言った間伐などで手を入れてあげれば、木々が健康になって吸収量がグンと跳ね上がる。それはいわゆる「排出権」として取引できるんですね。more treesが森の手入れをすることで吸収量を上げた場合、これは立派な財産になります。
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