ACT5 | 番長 meets 坂本龍一 (4)

ACT5　番長 meets 教授
赤司竜彦 × 坂本龍一　対談（4）

全4回の最後を飾るのは、前回の対談冒頭でも触れられた「more trees」のために赤司氏が開発を進めているエコバリューウッド製BE@RBRICK。さらに坂本氏デザインによるBE@RBRICKの構想にまで話は広がり、今後の両者のコラボレーションがどのようなものになるのか、ますます楽しみになってきました！

文＝秦野邦彦まとめ＝高橋猛志（本誌）Photo by Jamandfix

赤司　06年から伊勢丹さんのご依頼を受けてMerry Green Christmasというチャリティキャンペーンのお仕事を手伝わせていただいているんですけれども、それは子どもたちへ机などの国産材製品を寄贈したり、そのために必要な木を育てるための森づくりをしようというプロジェクトなんです。いま教授からmore treesについてのお話をうかがいながら、みなさんおなじような視点をおもちなんだなって思いました。

坂本　机はいいですね。たとえば、この目の前にある会議用の机で、炭素がだいたい500キロぐらい固定されているとします。これを捨てたり燃やしたりせず50年大事に使っていけば、そのあいだ炭素が固着されたまま大気中に出てない状態になって、大変すばらしいことなんです。モノをなるべく永く使っていくことは、とても大事なことで、ちょっと前までは、おばあちゃんのタンスみたいに代々使うとか、当たり前のように、みんなやってたことなんだけど。だから、机を作るにしても、なるべく長持ちするようなデザインとか機能を考えるというのも大事なことですね。

赤司　こんかい、間伐材を使ったBE@RBRICKというところでmore treesのプロジェクトに参加できたら面白いと思って、どんな素材がいいかカリモクさんと相談した結果、エコバリューウッドというリサイクル材を使った素材で試作してみたんですが、意外と味があるものができました。

坂本　いや、これはすごい。ここまでくるとアートだね。

赤司　かわいいですよね。これはじゃあ、一回フルボディ作ってみますので、できあがったらご覧になってみてください。

坂本　ぜひお願いします。さっき言ったようにカーボンフリーの商品としてmoretreesのロゴを焼き印で入れてもらったら、すごくいいんじゃないかな？　これは買いますよ、僕も（笑）。

赤司　せっかくですから、ご自分でデザインされてみてはいかがですか？　参考までに、先日まで渋谷パルコファクトリーで開催していた展覧会「BE@RBRICK World Wide Tour～Triumphant march～」のパンフレットをお持ちしました。世界各国のクリエイターのみなさんがBE@RBRICKをモチーフに、いろんなデザインを施されているんですよ。

坂本　（パンフレットを見ながら）どれもかっこいいですね。細野さんがやるとよさそう。細野さん、漫画家になろうと思ってたぐらい上手だから、こういうのきっとやりたがると思いますよ。

赤司　たしか細野さんは漫画家の杉浦茂先生の作品がお好きだとおっしゃっていましたね。これは「BE@RBRICK World Wide Tour」のためのものではないんですが、先日うちのモバイルサイトのプレゼント用として、幸宏さんに犬をモチーフにデザインしていただいた「BE@RDOG」です。

坂本　かわいいなあ。彼は大の犬好きだからね。ちなみに僕は猫が好きです（笑）。

赤司　では、ぜひ猫で！　僕も大好きで６匹飼ってますから（笑）。