ゴルフのEVモデルがいよいよ発売|Volkswagen
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2015年3月13日

ゴルフのEVモデルがいよいよ発売|Volkswagen

Volkswagen e-Golf|フォルクスワーゲン e-ゴルフ

ゴルフのEVモデルがいよいよ発売

フォルクスワーゲンは、昨年のフランクフルト モーターショーで発表したゴルフのEVモデル「e-ゴルフ」をいよいよ欧州で今夏より発売する。これは「electrified! e-mobility weeks by Volkswagen」と題しベルリンで開催されているイベントであきらかにされたもの。「e-ゴルフ」が一回のフル充電で走れる距離は190kmだが、オーナーには1年間に30日無料でレンタカーを使用できる権利も付帯するなど、フォルクスワーゲン独自のサービスを展開する予定だ。

Text by SAKURAI Kenichi

燃料コストは化石燃料の半分以下

フォルクスワーゲンは3月8日(土)からベルリンでおこなわれている「electrified! e-mobility weeks by Volkswagen」と題したEVのプロモーションイベントで、ゴルフの量産EVモデル「e-ゴルフ」の価格や購入時におけるサービスなどの詳細を発表した。

これは、フォルクスワーゲンの各国ディーラー関係者や、プレス、アナリスト向けに、EVを軸とした同社がかんがえる持続可能なモビリティを紹介するプロモーションイベントで、3月14日(金)-16日(日)の3日間は、一般ユーザーも無料で参加できる。EVや将来のモビリティにかんする講演をはじめ、欧州の有名アーティストによるコンサート、DJパフォーマンスなどのエンターテイメントプログラムが用意されているほか、「e-UP!」のテストドライブも体験できる。

このイベントの主役ともいえる「e-ゴルフ」は、昨年のフランクフルト モーターショーでワールドプレミアした純EVモデル。ドイツ国内ではすでに予約受付をはじめており、デリバリーは今夏以降を予定している。フランクフルト モーターショー関連記事でも詳細をお届けしているが、LEDヘッドライトやLEDリアライトを採用し、既存の「ゴルフ」シリーズとはことなったEVモデルらしさをもたらすエクステリア上の差別化がほどこされる。

エンジンのかわりに搭載されるのは、最高出力85kW(115ps)、最大トルク270Nm(27.5kgm)を発生する電気モーターで、すでに発表されているように0-100km/hが10.4秒、最高速度は140km/h(リミッター作動)をマーク。シティコミューターという位置付けでは、じゅうぶん実用的なパフォーマンスを得ているといえそうだ。

このモーターを駆動するバッテリーは、24.2kWhのリチウムイオン電池。一回のフル充電における航続距離は190kmに達する。100km走行あたり12.7 kWhのエネルギー消費となり、それをコストに換算すると100kmあたり3.28ユーロになるという。これはガソリンや軽油など、化石燃料とくらべると半分以下のコストである。

Volkswagen e-Golf|フォルクスワーゲン e-ゴルフ

ゴルフのEVモデルがいよいよ発売 (2)

オーナーのためにレンタカーも無償提供

「e-ゴルフ」にはタコメーターのかわりに充電状況や電力の消費状況を随時表示するパワーメーターや、8インチタッチスクリーン式の「ディスカバー プロ」と名付けられた最新のインフォテイメントおよびナビゲーションを搭載するほか、スマートフォンから充電状況を確認できるアプリケーションも用意した。

さらに、出発時間をセットし、その時間にあわせてエアコンなどで車内環境を最適に整える「eマネージメント」システムも標準装備する。これは、スタート前に車内の温度などを調整することで、走行中の余計なバッテリー消耗を防止する狙いもある。

ユニークなのは、「サプリメンタリー モビリティ」とフォルクスワーゲンが呼ぶシステムを用意していること。これは、「e-ゴルフ」のオーナーであれば、新車購入から誰でも3年にわたり受けられるサービスで、1年間30日まで長距離ドライブ用にフォルクスワーゲンが用意するレンタカーを無償で使用できるというシステムだ。クルマを乗り換える手間は必要だが、航続距離や充電ステーションが心配なサマーバケーションなどの長距離移動も、このサービスを使えば安心しておこなえる。

参考までに、「e-ゴルフ」のドイツでの価格は、3万4,900ユーロ(邦貨約500万円)と発表されている。普段は街乗りが中心で、たまに長距離走行も、という向きには、「サプリメンタリー モビリティ」のサービスが付帯することで、かなり現実的な選択肢になり得るといえそうだ。

フォルクスワーゲンでは、今夏よりはじまる欧州市場での発売に引きつづき、今年末にまでにはアジアや北米での販売もスタートする予定だ。日本での具体的な発表にはいたっていないが、欧州と同様なシステムを導入すれば、一気にユーザーが広がる可能性もあるだろう。別途お届け予定の試乗レポートや、日本市場での続報にもご期待いただきたい。

           
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