BMW初のFFモデル、2シリーズ アクティブツアラー登場|BMW
CAR / NEWS
2015年1月15日

BMW初のFFモデル、2シリーズ アクティブツアラー登場|BMW

BMW 2 Series Active Tourer|ビー・エム・ダブリュー 2シリーズ アクティブ ツアラー

BMWブランド初のFFモデル、2シリーズ アクティブツアラー登場

BMWは、同ブランド初のFFモデルとなる「2シリーズ アクティブ ツアラー」をジュネーブ モーターショーで発表することをあきらかにした。2シリーズ アクティブ ツアラーは、2012年のパリ モーターショーで「コンセプト アクティブ ツアラー」としてプレビューされたコンパクトMPVのプロダクションモデル。すでにデビューしている「2シリーズ クーペ」とおなじシリーズ名を名乗るが、こちらはFRで、両車はまったくことなるモデルとしてラインナップされることになる。

Text by SAKURAI Kenichi

ライバルはメルセデス・ベンツ「Bクラス」

BMWの「2シリーズ アクティブ ツアラー」は、「ミニ」で培ったFFのシャシーをBMWでも採用した、BMWブランド初となるFFがベースとなるラインナップだ。エクステリアデザインはもちろんこと、インテリアもほかのBMWラインナップとの血縁をかんじさせる仕上げで、FFであるということをのぞけば、これは紛れもないBMWである。

ボディサイズは、全長4,342×全幅1,800×全高1,555mm、ホイールベースは2,670mmで、これは先行するメルセデスの「Bクラス」とほぼ同一となるサイズ。ちなみに、Bクラスの本国でのサイズは全長4,359×全幅1,786×全高1,557mm、ホイールベースは2,699mmとなっている。

特徴的な丸形ツインヘッドライトに挟まれたキドニーグリルや短いフロントオーバーハングは、BMWらしさをかんじさせるポイントだが、FF車としてかんがえれば、この短いオーバーハングは非常にめずらしいといえるだろう。また、Cピラーのうしろに付けくわえられたサイドウィンドウがキックアップするとともに、L字型のリアコンビネーションも採用。これまでBMWをBMWらしく見せてきたデザイン上の記号もすべて盛り込まれている。

ホイールベースとおなじ2,670mmもの長さをもつルーフラインがしめすように、キャビンは広く快適な空間を確保している。着座位置はセダンよりもはるかに高く、独特のポジションを得ているというが、水平基調で立体的な、ドライバー側に若干傾斜しているダッシュボードデザインも、紛れもなくBMWそのものといえるだろう。

各種運転情報をフルカラーで前方に映し出すヘッドアップディスプレイや、BMWコネクテッド ドライブとしておなじみのさまざまなインフォテインメント機能のほか、カメラによって前方を監視し、渋滞時でもストップ&ゴーを自動でおこなう渋滞アシスト付きクルーズコントロールをなども採用され、装備は上級モデル並に充実。さらに、BMWコネクテッド ドライブサービスという、スマートフォンアプリケーションを使用し、コンシェルジェサービスなどをおこなう新機能も用意している。

注目のラゲッジスペースは、通常の468リットルから1,510リットルにまで拡大可能。シートアレンジも多彩で、リアシートのバックレストは40:20:40の分割可倒式となり、長尺ものも簡単に収容できるデザインになっている。さらに必要におうじて、ニールームまたはラゲッジスペースのいずれかを増加させることができるように、リアシートはスライドできるようになっている。ラゲッジルームへのアクセスを良好にするために足を使ったフリック操作でゲートが自動開閉するスマートオープナー機構も装備可能だ。

BMW 2 Series Active Tourer|ビー・エム・ダブリュー 2シリーズ アクティブ ツアラー

BMWブランド初のFFモデル、2シリーズ アクティブツアラー登場 (2)

プレミアムコンパクト市場へ投じるあらたな一石

エンジンは、1.5リッターの3気筒または、2リッターの4気筒ガソリンエンジンと、おなじく2リッターのディーゼルエンジンの3タイプをラインナップする。いずれもBMWお得意のツインパワーターボエンジンで、1.5リッター3気筒エンジンは、最高出力100kW(136ps)、最大トルク220Nm(22.4kgm)を発生、「218i アクティブ ツアラー」に搭載される。

「225i アクティブ ツアラー」に搭載される2リッター4気筒エンジンは、最高出力170kW(231ps)、最大トルク350Nm(35.7kgm)を発生、「218d アクティブ ツアラー」に搭載される2リッター4気筒ディーゼルエンジンは、最高出力110kW(150ps)、最大トルク330Nm(33.6kgm)を発揮する。すべてのエンジンはオート スタート ストップ機能、ブレーキエネルギー回生システムを搭載するとともに、ユーロ6の排ガス規制に準拠。燃費をおさえる「エコ プロモード」も用意し、どのパワーユニットであっても低燃費、低排出ガス、低CO2排出が自慢である。

トランスミッションは、「218i アクティブ ツアラー」に6段MTまたは6段ATを、「225i アクティブ ツアラー」と「218d アクティブ ツアラー」には、6段MTまたは8段ATを組み合わせる。暫定の数値にはなるが、燃料消費量は ECE試験サイクルの都市複合で、「218iアクティブツアラー」がリッターあたり20.4km、CO2排出量は115g/km(6MT)、「225iアクティブ ツアラー」がリッターあたり16.6km、CO2排出量が139g/km、「218d アクティブ ツアラー」では、リッターあたり24.3km、CO2排出量が109g/kmとなっている。

サスペンションは、フロントがシングルジョイント・スプリング・ストラット、リアはマルチアームアクスルとなり、発表時点のリリースからはMINIとは若干ことなったデザインであることが読み取れるが、このあたりは実車の登場を待って確認したい部分だ。

さらに「2シリーズ アクティブ ツアラー」には、ほかのBMWラインナップ同様「Mスポーツパッケージ」もラインナップし、こちらは11月からデリバリーされるも見込みだ。「Mスポーツパッケージ」は、スポーティなエアロパーツで構成されたMエアロダイナミクスパッケージ、リニアなハンドリングを提供するMスポーツサスペンションにくわえ、17インチまたは18インチのMライトアロイホイールを装着可能としている。

2月14日の本国発表から時間をおくことなく、国内でも発表がうわさされている「2シリーズ アクティブ ツアラー」。BMW初のFFモデルというプロフィールを、日本のユーザーがどう受け止めるのか。そして、コンパクトクラスにまたあらたな選択肢が増え、先行するB-Cセグメントのライバルたちがどう反応するのか。大ヒットしたコンパクトSUV「X1」の登場を振り返ると、今後プレミアムコンパクトクラスを牽引していくのは「2シリーズ アクティブ ツアラー」ではないかと予想もでき、興味は尽きないのである。

           
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