911カレラのボディに911GT3 RSの能力が潜む

3月2日（水）より日本でも予約が開始された「911R」は、1967年にデビューした初代「911R」のスピリットを受け継ぎ、軽量なピュアスポーツとして仕上げられた特別な限定モデルだ。

ボンネットとフェンダーにはカーボン、ルーフにはマグネシウムを採用することで低重心化。さらに、リア ベンチシートの省略やエアコンのオプション化、リアとリアサイドウィンドウをプラスチック製にするなどの結果、車両重量は「911 GT3 RS」の重量を50kgも下まわる1,370kgを実現。現行の911モデルでは最軽量となる。

敢えて見た目を「911カレラ」から大きく変えていない911Rだが、その中身はピュアスポーツマシンに匹敵するものを秘めており、ポルシェでは「羊の皮をかぶった狼」と表現する。

搭載されるエンジンは、911GT3 RS由来の4リッター水平対向6気筒自然吸気で、最高出力500ps/8,250rpm、最大トルク460Nm/6,250rpmを発揮。トランスミッションは6段マニュアルのみが設定され、0-100km/h加速は3.8秒、最高速度は323km/hに達する。

911Rには専用設定された後輪操舵システム「リア アクスル ステア」や、機械式リアLSD、それにフロントφ410mmとリアφ390mmのポルシェ セラミック コンポジット ブレーキ（PCCB）を標準採用。ホイールにはセンターロック機構を備える。

ポルシェ スタビリティ マネージメント システム（PSM）も独自の設定となっており、スイッチを押すとシフトダウン時に自動的にダブルクラッチを入れる機能が搭載される。また、オプションでシングル マス フライホイールや、日常走行時に便利なようフロントのロードクリアランスを30mm上昇させるリフトシステムも用意される。

インテリアではカーボン製のフルバケットシートや、直径360mmの専用スポーツステアリング、カーボントリム、そして限定モデルならではのシリアルナンバープレートが施される。

911Rは991台のみが製造される限定モデル。ハンドル位置は左右いずれもが用意され、その価格は2,629万円とされた。