ジュネーブ現地リポート|Peugeot
Peugeot|プジョー
ジュネーブモーターショー現地リポート
コンパクトカーの原点回帰
プジョーの屋台骨を支えるBセグメントに投入される新型208。ボディは小さく、後席、荷室は広く、そして好燃費とコンパクトカーにとってなにが大事かを突き詰めたモデルチェンジだ。
Text by SATO Takeshi
Photographs by MOCHIZUKI Hirohiko
ヒットの可能性大
ジュネーブショーの楽しみのひとつに、その年の後半に売れ筋となるモデルをいち早く見られることがある。たとえばドイツでは税制の関係で12月に自動車の販売が集中するが、そこに向けて各社が人気モデルを発表する傾向があるのだ。
プジョーの屋台骨を支えるのが、いわゆるBセグメントに属する200シリーズ。30年以上にわたって生産され、のべ1500万台以上が販売されている。フォルクスワーゲン ポロやルノー クリオ(日本でのルーテシア)といった強敵が待ち受けるこのセグメントに、プジョーは新型208を投入すると発表した。
プジョー208をひとことで言えば、「コンパクトカーの原点回帰」だ。従来型にあたるプジョー207より全長で70mm、全高で10mmもサイズが縮小しているのだ。同時に、100kg以上の軽量化もはたしている。
ボディは小さくなりながらも、パッケージングを見直すことで後席も荷室も広くなっているというから大したもの。排気量1リッターのガソリンエンジンは、23km/ℓ以上の好燃費を記録するというから、コンパクトカーにとってなにが大事なのかを突き詰めたモデルチェンジだと言える。
プレスカンファレンスでは、販売にかんする責任者(プロダクト・ディレクター)であるクサピエ・プジョー氏が「全世界で年間55万台を売る」と強気の発言をしたが、スタイルといい中身といい、ヒットの可能性は十分にありそうだ。
デザインをまとめたジル・ビダル氏は「見るひとに活力を与えるデザイン」だと述べたが、たしかに躍動感がある。今年の後半、ヨーロッパの道ではプジョー208を数多く見かけるようになるかもしれない。