0-100km/h加速4.3秒の5ドアハッチバック

アウディの5ドアハッチバックモデル「A3 スポーツバック」をベースとして、同社のモータースポーツ部門であるクワトロGmbH.がエンジニアリングをほどこしたモデル「RS3 スポーツバック」が、3月のジュネーブモーターショーのワールドプレミアから遅れること7ヵ月、ついに日本へ上陸を果たした。

今回、国内でははじめて導入されるRS3スポーツバックのエンジンには、欧州で販売されていた先代とおなじく2.5リッター直列5気筒直噴ターボ（TFSI）を搭載。最高出力370kW（367ps）、最大トルク465Nm（47.4kgm）を発生し、静止状態から4.3秒で100km/hに達する。アウディのRSラインの伝統に則り、駆動にはアウディ自慢のクワトロ、つまり4WDが採用される。

このハイパワーを誇るエンジンは、一方でエネルギー回生システムや、車両が完全停止するまえから作動するスタートストップシステム、オンデマンド制御のオイルポンプなどを搭載しており、JC08モードで13.1km/ℓという燃費を達成している。

トランスミッションには、デュアルクラッチの7段Sトロニックを採用。ほかのモデルと同様にDとSのオートマチックモード、ステアリング裏のパドルシフトにくわえて、RS3スポーツバックではローンチコントロール システムがそなわる。

4WDシステムは油圧クラッチを介したもので、最適なトラクションを得られるよう前輪50：後輪50から前輪0：後輪100まで電子制御される。左右のトルク配分には、電子ディファレンシャルロックの「トルクベクタリング」が機能。高速コーナリング中において、内輪にわずかにブレーキをかけるいっぽうで、外輪にトルクを多く配分することで車両の俊敏性を向上させている。

内外装も専用装備でスポーティさを演出

低く構えたボディは、通常のA3スポーツバックにくらべて25mm低く、トレッドはフロントで25mm、リアは10mm拡大している。サスペンションも専用に強化されたものを採用。ホイールには19インチの鍛造アルミ製が与えられ、組み合わされるタイヤは235/35サイズとなる。その内側に覗くブレーキディスクは、フロント370mm径、リア310mm径で、標準でブラック、オプションでレッドのRSロゴ入り8ピストン固定キャリパーがそなわる。

A3ファミリーでも特別なモデルらしく、フロントのシングルフレームグリルは専用デザインとなっており、光沢のあるハニカム風ブラックにマット仕上げアルミ調フレームで構成。リアには大型ルーフスポイラーやハニカムパターンのディフューザーインサート、左右配置のオーバル型テールパイプなど、スポーティなアイテムが装着される。

インテリアはブラックでまとめ上げられ、ロックグレーのステッチが入ったナパレザー専用スポーツシート、専用レザーステアリングホイール、専用シフトレバーなどがあしらわれる。

新型アウディRS3スポーツバックの価格は、756万円。国内仕様は右ハンドルのみが設定される。

このRS3スポーツバックの導入により、従来からあるA3スポーツバックやS3、先日年内の発売をあきらかにしたプラグインハイブリッド「A3 スポーツバック eトロン」と、A3ファミリーはエコカーからハイパフォーマンスまで幅広いラインナップをもつことになった。

Audi RS 3 Sportback｜アウディ RS 3 スポーツバック
ボディサイズ｜全長 4,345 × 全幅 1,800 × 全高 1,440 mm
ホイールベース｜2,630 mm
トレッド 前/後｜1,560 / 1,515 mm
重量｜1,560 kg
エンジン｜2,480cc 直列5気筒 DOHC ターボ
ボア×ストローク｜82.5 × 92.8 mm
圧縮比｜10.0
最高出力｜ 270 kW（367 ps）/ 5,500-6,800 rpm
最大トルク｜465 Nm（47.4 kgm）/ 1,625-5,550 rpm
トランスミッション｜7段デュアルクラッチ（Sトロニック）
駆動方式｜フルタイム4WD
サスペンション 前｜マクファーソンストラット
サスペンション 後｜4リンク
タイヤ｜235/35R19
ブレーキ 前/後｜ベンチレーテッドディスク
トランク容量｜280 リットル
燃費（JC08モード）｜13.1 km/ℓ
CO2排出量｜177 g/km
ハンドル位置｜右
価格｜756万円