Fiat|パンダの復活、プント エヴォからプントへ
Fiat Panda│フィアット パンダ
Fiat Punto│フィアット プント
ツインエアを積極的に採用した2モデルのリファイン(1)
フィアットは、フランクフルトモーターショーで第3世代パンダおよび、ツインエアエンジン搭載のプントなどを発表する。
文=松尾 大
パンダ8年ぶりのフルモデルチェンジ
フィアットからの一番のニュースは累計650万台を売り上げた名車パンダのフルモデルチェンジだ。1980年にデビューした初代、発表されるや欧州カー・オブ・ザ・イヤーなどを獲得したフィアットを代表する一台だった2003年デビューの2代目と、この車名が世に出て30年以上経過するのに、やっと3世代目に突入することになる。
エクステリアデザインは、写真で見てもわかるとおり、キープコンセプトといえるだろう。プラットフォームを共用する500やランチア イプシロンが比較的低めの車高をもつことから、差別化しようという意図が見てとれる。
公表されているディメンションは、全長3,650×全幅1,640×全高1,550mm。全長で115mm、全幅で50mm、全高で15mm拡大されているが、これは安全性と快適性を両立させるために最低限のサイズアップをはかったということだ。
搭載されるエンジンは、500でおなじみの0.9リッターツインエアエンジンのターボ版と自然吸気版が用意され、最高出力は前者が63kW(86ps)、後者が48kW(66ps)だとしている。ほかに51kW(70ps)の1.2リッターFIREエンジン、56kW(76ps)の1.3リッターMultijet IIエンジンが用意される。また、ガソリンとメタンガスという両方の燃料に対応したエンジンもあり、0.9リッターツインエアターボ Natural Powerで60kW(81ps)、1.2リッター EasyPowerで51kW(70ps)という最高出力となっている。
駆動方式は当面、前輪駆動モデルのみで、いずれ4輪駆動モデルが追加される予定だ。またブレーキシステムにおいては、30km/h以下の速度での走行時、障害物を検知し、自動的に車輛を停止させる機構も備えた。パンダといえば、フルオートメーションで生産されたFIREエンジンなど、いつの時代もフィアットのテクノロジーの粋を集めたモデルといえるだろう。あたらしいパンダも、ナポリ・ポミリアノダルコのジャンバッティスタヴィーコ工場のあたらしく建設された生産ラインで製造される。フィアットいわく、「ワールドクラス」の生産技術をもつ工場で、高い生産効率と災害ゼロ、故障ゼロを実現するものだとしている。
Fiat Panda│フィアット パンダ
Fiat Punto│フィアット プント
ツインエアを積極的に採用した2モデルのリファイン(2)
ツインエアを搭載し、プント エヴォからプントへ
もうひとつ、おおきな変化があったのがプントだ。2005年にデビューし、当時瀕死の状態にあったフィアットを一躍V字回復させた立役者と呼ばれたグランデ プントの後継モデル。イタルデザインによるボディの形状はほとんど変えることなく、中身を大幅にリファインさせて登場したプント エヴォをさらに進化させてデビューしたのが、このプントというわけだ。デザインそのものは約6年間ほぼ変化はないものの、中身が劇的に変化した。
今回のハイライトは、500やあたらしいパンダにも搭載されるツインエアエンジンだ。この0.9リッター2気筒ユニットは、ターボ過給され、最高出力63kW(86ps)/5,500rpm、最大トルク145Nm/2,000rpmを発生。CO2排出量は98g/kmに抑えられている。さらにおなじく63kW(86ps)という最高出力を発揮する1.3リッター16バルブ MultiJetエンジンにおいては、インテリジェントオルタネータとインテリジェントフローというふたつのあたらしい技術の導入により、CO2排出量を90g/kmというレベルにまで下げているという。