VOLVO V60 Plug-in Hybrid|ボルボ V60 プラグイン ハイブリッド
VOLVO V60 Plug-in Hybrid|ボルボ V60 プラグイン ハイブリッド
ボルボV60プラグインハイブリットを公開
ボルボは、ジュネーブショーでディーゼルエンジンとバッテリーを組み合わせたプラグインハイブリッドを公開すると発表した。
文=高橋進一
世界一安全な「電気自動車」
2012年の発売をめざし、ボルボとスウェーデンの電力会社Vattenfall社が協力して開発をすすめているボルボ初のプラグインハイブリッドについて、同社Safety Strategy& Requirements部門のシニアマネージャー ヤン・アイバーソン氏は「市場に出ている電気自動車のなかで、もっとも安全なクルマをつくることがボルボのひとつの刺激的な挑戦」と語る。
採用される駆動用バッテリーは、前面、側面、後部といったあらゆる箇所の衝突試験をクリア。同社のほかの製品とおなじく世界基準の高い安全基準が適用されていることがうかがえる。くわえて、高度なモニタリングシステムも搭載されており、バッテリーの正確な電圧レベルや、最適な作業温度を維持し、異常があれば自動的にシャットダウンするようにコントロールされているという。
また、事故などによる衝突の瞬間には、バッテリーはカプセル化され、同時に衝突センサーが作動。接続されている車体のメインコンピューターへ情報を送り、衝突の影響を緩和するため、バッテリー・パッケージが、車体のクラッシャブルゾーンやコンパートメントから分離するように設計されている。万が一バッテリーが損傷を受け、爆発の可能性がある水素ガスが漏れるなどした場合でも、ボディの下部に設置されているダクトによってガスが排出される仕組みになっているという。さらに事故後、緊急救出サービスに事故情報が転送され、車両の扱いにかんし詳細な指示も受けられるシステムが組み込まれている。
CO2排出量49g/km、燃費52.6km/ ℓ!
ドライバーを補助するブレーキシステムも、DSTC(ダイナミック・スタビリティ・トラクションコントロール)のプログラムをプラグインハイブリットカー用にバッテリー積載時の重量増に見あった変更がくわえられたものを採用した。もちろん、このような安全面だけでなく、寿命をむかえた駆動用バッテリーを安全にすばやく車体から電源を分離するためのサービス・カットアウトが装備されており、環境面への配慮も忘れていないとしている。
注目のハイブリッドユニットは、エンジンに最高出力158kW(215ps)、最大トルク440Nm(44.9kgm)を発生する2.4リッター5気筒ターボ「D5」ディーゼルエンジンを採用。
12kWhのリチウムイオンバッテリーによって、最高出力51kW(70ps)、最大トルク200Nm(20.4kgm)を発生するモーターを駆動させる。0-100km/h加速は6.9秒と、必要にして十分な性能を発揮する。
興味深いのは、エンジンとモーター、それぞれの役割で、エンジンは前輪を、モーターは後輪を駆動するというように役割分担がなされ、後輪のシステムはERAD(エレクトリック・リア・アクスル・ドライブ)と呼ばれる。トランスミッションは6段ATが組み合わされる。
環境性能については、燃費52.6km/ℓ(1.9ℓ/100km)に、CO2排出量49g/kmと驚くべき数値を記録。走行モードは、可能な限り電気モーターだけで走行するピュアモード、一般的なハイブリッドに近い走行パターンとなるハイブリッドモード、そして電気モーターでエンジンパワーをアシストするパワーモードの3モードだ。なお、ハイブリッドモードの場合、最大航続距離は1,200kmとなるほか、電気モーターだけでの走行も約50kmまで可能だとしている。なお、充電時間に要する時間は、230V/6Aで7.5時間、230V/16Aで3時間だと発表されている。