ポルトギーゼ・アニュアル・カレンダーが新登場|IWC
IWC|アイ・ダブリュー・シー
SIHH2015直前速報
ポルトギーゼ・アニュアル・カレンダーが新登場
2015年1月19日よりスイス・ジュネーブで高級メゾンを中心とする時計の見本市、SIHHが開催される。そのSIHHに参加する有力な老舗ブランドであるIWCが、新開発した実用的コンプリケーション「アニュアル・カレンダー」の搭載モデルを早くも発表した。
Text by KAWADA Akinori
月末のカレンダー調整が不要
機械式時計のカレンダー調整は、しばしば面倒になってしまうことがある。日付表示搭載モデルの場合、毎月月末から1日にかけて表示を調整しなければならない。これに、曜日表示、月表示まで絡んで修正が必要になると、かなり煩雑になる。そんな面倒な作業を手間を解消してくれる機構が、アニュアル・カレンダーという機構だ。
年次カレンダーとは、現在、時計メーカーが各社が開発にしのぎを削っている機構のひとつで、年次カレンダーとも呼ばれている。毎年、毎月、変化するカレンダーのプログラムををすべて内部機構が自動的に判別し、月末ごとのカレンダー調整を不要にするのだ。ただし、永久カレンダーとは、異なり2月末日から3月1日かけての調整のみ、ユーザーの手に委ねることになる。IWCは、このアニュアル・カレンダー機構を搭載する「ポルトギーゼ・アニュアル・カレンダー」を2015年のSIHHの目玉として、発表する予定。
「ポルトギーゼ・アニュアル・カレンダー」は、IWCが自社開発・自社製造の新しい自動巻きムーブメント Cal.52850を搭載。文字盤12時位置に、3つの独立した半円窓を持ち、それぞれに月、日付、曜日を表示する。月の大小を独自に開発したプログラム歯車によって判別し、2月末日のみ、リューズを操作して表示を調整すればよい。しかも、自動巻きで、2つの香箱を装備した7日間(168時間)のパワーリザーブを有しており、日常的に腕にするのなら、ゼンマイ切れの心配もない。ここに紹介したモデルは、深みのあるブルー文字盤を採用し、腕元で際立った個性も発揮する。
「ポルトギーゼ」は、これまでも日付調整が不要な永久カレンダーや重力の影響を回避するトゥールビヨンなどの複雑機構を搭載してきたシリーズだが、2015年のSIHHでは大きなラインの再編成があると見込まれている。ハイレベルな新機構の搭載機が早くも明言され、来るべきSIHHの会場では、ほかにもどのようなサプライズがあるのか、今から待ち遠しい。