ミニアチュール フェザーアートにみるヴァン クリーフ&アーペルの哲学|VAN CLEEF & ARPELS
VAN CLEEF & ARPELS|ヴァン クリーフ&アーペル
インターナショナル マーケティング&コミュニケーションズ ディレクターのジャン・ビヤンネメ氏に聞く
ヴァン クリーフ&アーペルが継承する哲学
世界最高峰のハイジュエリーメゾンであると同時に男女を問わず見る者を魅了するウォッチメゾンでもあるヴァン クリーフ&アーペル。そのウォッチクリエーションはどのようなコンセプトで構築されているのだろう。SIHHに先駆けて芸術的な新作が公開された香港でインターナショナル マーケティング&コミュニケーションズ ディレクターのジャン・ビヤンネメ氏に話を聞いた。
Text by SHIBUYA Yashuhito
すべての創作は「物語」から
「時計に限らず、私たちのクリエーションには必ず『物語』、つまり作品にまつわるファンタジックなストーリーがあります。これが、他のジュエリーやウォッチメゾンと、私たちの最大の違いです」
香港で発表された、メゾンにとって史上初となるミニアチュール フェザーアート(細密羽根細工)を使った「オワゾー アンシャンテ エクストラオーディナリー ダイヤル」の新作を前に、ビヤンネメ氏はメゾンの時計作りについて語り始めた。
「どうすればそのストーリー(物語)をジュエリーや時計の上で表現できるか。制作にあたって私たちは、常にそのことを考えています。どのような素材で、どのようなサヴォアフェール(最高峰の職人技)を使えば、ストーリーをより印象的で感動的なものにすることができるかを考えます」
最高峰の素材と職人技は「物語」のために
どんな素材を使うか、どんな職人技を採用して表現するのか。その決定にあたっては、頭の中だけでなく、多種多様な素材を実際に用意して検討するという。
「素材と職人技の決定では、欲張らない、その魅力だけにとらわれないことも大切です。私たちは何よりも職人とその技術を尊重していますが、大切なのは作品が魅力的なものになるかということ。その技術や素材がいかに素晴らしくても、適切な使い方をしなければいけないのです。魅力的と思えるすべてを、ひとつの腕時計の中に詰め込んでも、私たちが納得できる作品にはなりません。」
最近のアートウォッチの中には、希少な職人技自体を創作のテーマとして掲げた作品も少なくない。だが、ヴァン クリーフ & アーペルでは、あくまでストーリーが主役、メインテーマだ。
「ヴァン クリーフ アーペルのクリエーションは、物語からすべてが始まります。そのために時間がかかるのは仕方がないことです。また、魅力的なストーリーがあっても、最終的に完成した作品が魅力的でなければ、その仕上がりが納得できるものでなければ、世に出すことはしません。そのような理由でお蔵入りにしたものも、実は数多くあります」
満を持して登場したフェザーアートモデル
この点、香港で発表した、メゾンとして史上初めてミニアチュール フェザーアートを使った、3種類の鳥がテーマのこの3作品と、世界でただひとつの希少な作品「レディ アーペル ポーダンヌ フォレ アンシャンテ」は、あらゆる意味で納得できる自信作だという。
「自然、中でも“フライング ビューティー”とも呼ばれ、幸運の象徴でもある鳥は、ヴァン クリーフ&アーペルというメゾンにとって誕生当時から変わらぬ、大切なテーマのひとつです。本物の鳥の羽根。その小羽子と呼ばれる部分を100ミクロン単位で切り出し、ハードストーンの象嵌で描かれた情景をバックに、その美しく羽ばたく姿を文字盤上に再現したこの作品は、メゾンの独自性と卓越したセンスを存分に表現したものといえます。他に鳥の羽根を素材に使った時計メゾンはありますが、ここまで繊細で美しい作品はないと自負しています」
大切なのは「唯一無二の存在」であること
ヴァン クリーフ&アーペルが目指すのは、他のどのメゾンとも違う。
ファンタジックな物語の世界を最高峰の素材と職人技で、ジュエリーや時計として表現する。その美しさで持つ人を物語の世界に引き込んでしまう作品を作ること。
「私たちヴァン クリーフ&アーペルが、何よりも大切だと考えているのはシンギュラリティ。つまり『唯一無二の存在である』ことです。ここ香港も、そして日本もそうですが、アジアの国々の方々には、新しいものを積極的に評価するエネルギーがあり、私たちのシンギュラリティをどこよりも評価してくださる。いつも、心より感謝しています」
ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク
0120-10-1906
http://www.vancleefarpels.com