スピーク−マリン|ジュネーブ発、2016年 最新腕時計のすべて|SPEAKE-MARIN
SPEAKE-MARIN|スピーク−マリン
デザイン面で新境地を見せる(1)
イギリス出身の時計師、ピーター・スピーク−マリン氏がスイス・ジュネーブ湖畔の工房で、技術的にも芸術的にもハイクオリティな時計を生み出す。今回はクラシカルな2つのモデルに新しいデザインの息吹を吹き込んだ。
Text by KAWADA Akinori
ブラック文字盤でアクティブな装い
スピーク−マリンの「リジリエンス・ブラック」は、ベーシック機能とクラシックスタイルを極めたモデルだ。
新作「リジリエンス・ブラック」は、ラグのデザインとスペード針が印象的なモデルだ。また階段のように段差を設けたステップドベゼルが採用されており、アンティークを彷彿とさせる。さすが、歴史的な時計の修復に携わった経験を持つ彼ならではのデザインセンスがうかがえる。
前作の「リジリエンス」は、同じデザインのケースに、ホワイトの文字盤をセット。ローマンインデックスとレイルウェイサークル、ブルースチール針を組み合わせたクラシックなデザインだった。
新作の「リジリエンス・ブラック」では、ブラック文字盤を採用。アラビアインデックスを採用し、細身ながらユニークな書体のインデックスとした。針は従来のままだが、ゴールドカラーでフィニッシュ。ブラックとゴールドのカラーのコントラストが効いていて、クラシックなイメージから一転、スポーティでありながら、レトロな雰囲気を持つモデルに仕上がっている。
リジリエンス・ブラック
ケース|18Kピンクゴールド
直径|42mm
ムーブメント|自動巻き(Cal.Vaucher 3002)
ストラップ|アリゲーター
防水|3気圧
発売時期|2016年9月予定
予価|350万円(税別)
Page02. 秒針と時針のみを持つユニークモデルもフェイスを一新
SPEAKE-MARIN|スピーク−マリン
デザイン面で新境地を見せる(2)
秒針と時針のみを持つユニークモデルもフェイスを一新
新作「ヴェルシーダ」は、一度見ただけで忘れられない強烈なデザインだ。
そのデザインに大きく影響しているのが、時刻を表示するセンターの針である。写真を見ると、センターから文字盤の対極へ伸びている青い1本の針全体が回転するかのように見える。実は、その中心部には2つのパーツがセッティングされている。1つが文字盤全体に伸びる巨大な時針である。先端の赤い針(写真右側の針)が「時」と5分単位の「分」を表示する。その反対側に伸びている部分(写真左側の針)は、カウンターウエイトだ。秒針は搭載されていない。
ただし、針の上のセンターに配されたブランドロゴが、秒針のように1分かけて1回転することで、所有者の目を楽しませてくれる。
シンプルな機構で、個性あふれる時計を探しているのなら、この時計はおすすめだ。
ヴェルシーダ ゴシック
ケース|グレード5チタン
直径|42mm
ムーブメント|自動巻き(Cal.Vaucher 3002)
ストラップ|アリゲーター
防水|3気圧
発売時期|2016年9月予定
予価|185万円(税別)
PETER SPEAKE-MARIN|ピーター・スピーク−マリン
少量生産工房の代表的な存在
スピーク−マリンは、イギリス人時計師、ピーター・スピーク−マリン氏が、スイスで主宰する工房で作られるウォッチブランドである。スピーク−マリンというブランドの成立は2002年だが、スピーク−マリン氏は1980年代に古時計の修復に携わり、1996年からスイスで独立時計師として時計の製造を手がけ、時計ファンには複雑モデル製造の名手として知られている。独特で芸術的なスポークの形状をした歯車を要所に使用するのが常だが、今は、それがブランドのロゴとなり、文字盤の意匠にもなっている。
SIHH期間中、ジュネーブの市内で個別に展示を行っているが、今回登場したのは、ベーシックモデルのイメージを一新するものだ。昔の海洋クロノメーターを思い起こさせるような古典的なモデルと、ロゴをモチーフとする個性的な計時方式のモデルに、新たなデザインの要素を吹き込んでいる。