ほどけることのない愛の絆「SALON de CHAUMET」|CHAUMET
CHAUMET|ショーメ
ほどけることのない愛の絆「SALON de CHAUMET」
「SALON」とは「客間」を意味するフランス語。17世紀の初め、貴族が芸術家や知識人を屋敷に招いて、知性や創造性を互いに刺激し合う時間を持ったことがはじまりでした。「CHAUMET」の最初のお客様であったナポレオン一世の皇后、ジョゼフィーヌも、多くのサロンを開いて新しい文化を生み出していったのです。カリブ海、マリティニーク島生まれだった彼女は、洗練された明るいクリエイティビティを持った女性でした。そんなジョゼフィーヌの意思を受け継ぎ、『SALON de CHAUMET』が東京で開かれます。第3回目のテーマは「愛」。独自の分野でそれぞれに輝きを放つクリエーター達が集まりました。
Photographs by TANAKA TsutomuText by OGATA Mariko
チコ シゲタ|CHICO SHIGETA
SHIGETA主宰、ホリスティックビューティーコンサルタント
現在は、パリのセレブリティやアーティストのためのパーソナルコーチとして活動するほか、大手化粧品会社や美容機器会社のコンサルティング及びブランドスポークスマンとしても活躍中。近著に『「リセットジュース」を始めよう~パリ美人のダイエット』(講談社刊)など、著書多数。
平尾 香|HIRAO Kaori
イラストレーター・作家
1972年神戸生まれ。嵯峨美術短期大学卒業。広告制作会社、非常勤助手を経てフリーのイラストレーターに。世界的ベストセラー「アルケミスト」や「ベロニカは 死ぬことにした」(角川書店)などパウロ・コエーリョの翻訳本の装画を担当。
青木カレン|AOKI Karen
ジャズボーカリスト
幼少から海外と日本を行き来し、慶応大学在学中本格的にアーティスト活動を開始。ジャズ専門TV番組のメインキャスト、ラジオのMCなども務める。今年9月にはデビュー10周年を記念するアルバム「The Story of Karen Aoki -10th Anniversary Best」をリリースした。
龜石太夏匡|KAMEISHI Takamasa
リバースプロジェクト代表 脚本家
1971年東京都生まれ。学生時代から脚本家を志しながら俳優としても活動し、北野武監督「ソナチネ」等に出演。2002年「カクト」、2008年「ぼくのおばあちゃん」、2012年「セイジ 陸の魚」などの映画を手掛ける。2009年、伊勢谷友介と共同代表で「人類が地球で生き残るためにはどうするべきか」を理念にリバースプロジェクトを設立。
――ナポレオンとジョゼフィーヌの時代から、想いを伝えるジュエラーとして歩んできたショーメ。その目に見えない感情をジュエリーで表現し、人から人へ、その愛を運ぶ役割を担ってきました。
シゲタチコ(以下、チコ) ジュエリーを見た瞬間に人と人との「愛」や「繋がり」、「絆」を感じましたが、それはモチーフだけではなくて、その背後にある匠の技に他ならなく、この技なくして、ここまでのドラマは生まれないであろうと感じますね。
平尾香(以下、平尾) 職人さんの本当に細かい仕事のお話などお聞きして、工房から、いや、石を採掘した人から、お店に並ぶまで、そして一人の人間の手もとに届くまでは、長い旅をしてますよね。様々な人の気持ちがジュエリーには託されているんだなと思います。
龜石太夏匡(以下、亀石) 人の手によって生み出されたジュエリーを通して、人は愛の交換が出来ているのかなと感じました。愛を理解することは永遠のテーマですね。
八木隆裕(以下、八木) わたし自身は「愛」を考えるときに「家族の愛」を思い浮かべることが多いんですね。ふたりの愛を軸としたジュエリーが残っていく。時代を超えて家族の中に続いていくことに感動しました。
――1977年に創作した「リアン・ドール」がメゾン初のブティックコレクションであるショーメ。フランス語で「絆」を意味するリアン。
クロスモチーフの重なりは、人と人とをつなぐ愛情 — 絆を示しています。
青木カレン(以下、青木) わたしの場合は、ライブでお客さまと心がシンクロする瞬間に愛を実感できます。人の心があわさった、と感じる瞬間。心は見えないけれど、確実に心に感じることができる。
亀石 やはり愛を感じるのは人との出会いですね。未来を共有し、ビジョンを共有し、プロジェクトの構築が動き出す瞬間なんかはグッときます。これは仕事だけに限らず、人と何かを成す上で、根底に愛が必要なことなんだと思います。相手の気持ちを考えることがすごく大事で、自分ひとりで発電しながらやるって、あっという間に枯れてしまうし。人から支えられていることが大きいですよね。
平尾 その時その時、表現の愛の形や種類は、変化はしてゆくのだろうけれど、私自身が愛する作品を創り、それらが愛されることを大事にしたいです。人との出会いや繋がりに対して愛おしく感じるのと同じくらい、己が紡ぎ出すものを愛おしく思わないとできないことだから。
――ショーメの言葉で「技術は脇石に現れる」というものがあります。技術とは職人の愛情表現です。職人が愛情をこめて、時間をかけて、引き立て役の脇石を美しくセッティングしていく。そのジュエリーがいかに愛情をこめて作られたかの証になるんです。
八木 茶筒って、真上の角っこを持って空けるんですけど、今の人はペットボトル開けるのに慣れているから、横からつまんであけようとするんです。そうすると、昔の堅さではあかない。微妙にちょっとゆるくしてるんですよ。僕の役目は、自分の代で何かするのではなく、次の代でやりたいことができるような土台をつくることなんじゃないかなと。途切れずにつながっていくことに価値がある。
チコ 化粧品をつくるにも、毎回難産みたいな感じなんですよ。世に送り出す時には、自分達で最高の出来だ思っているものを、一個一個の製品として出すんです。製品づくりはひとりの人間をつくるのと一緒なんです。どんなパッケージにするか細部まで考えて、すごく愛おしいものなんです。
青木 一対一の愛よりも、今はもっと普遍的な愛を歌いたいなって思うんですよね。以前、耳を壊してやめようかなと思ったときに、末期ガンの方がビルボードに来てくださって。何事も、サクセスじゃなくてプログレスだって言っていただいて。変わらない愛を音楽にしたい。そのために、積み重ねていこうと思いましたね。
恋人や家族、自分を取り巻く人々、あるいは自分自身とのつながりを思い起こさせ、愛する人たちとの絆を表現し続けるCHAUMET。歴史を重ねながら不変の愛に寄り添うジュエリーが、人々の絆をより輝かせます。
尾形真理子|OGATA Mariko
1978年東京都生まれ。2001年、博報堂に入社し、コピーライターとして活躍。LUMINE、資生堂、東京海上日動あんしん生命、キリンビール、日産自動車などの広告を手がける。朝日広告賞グランプリ他受賞多数。「試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。」(幻冬舎文庫)が初めての小説となる。雑誌「広告」の編集長も務める。
ショーメ
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