「そうだ 京都、行こう。」 今改めて夏の古都を訪れて味わう、非日常の特別な“癒し”|TRAVEL

蓮華寺

LOUNGE / TRAVEL
2024年6月27日

「そうだ 京都、行こう。」 今改めて夏の古都を訪れて味わう、非日常の特別な“癒し”|TRAVEL

TRAVEL|京都

日本に生まれ育って、京都に行ったことがないという人はそういないんじゃないかと思う。修学旅行の定番の行先だし、友人や恋人と、家族と、国内旅行の行先としても第一想起的に挙がってくる候補地だろう。

Text & Photographs by IJICHI Yasutake

清水寺 ※プライベート訪問時に撮影
北野天満宮 ※プライベート訪問時に撮影

幾度となく訪れていても幾度となく訪れたい、京都

寺の数は3,000以上、神社の数は1,700以上。清水寺、金閣寺、銀閣寺、知恩院、八坂神社、伏見稲荷、平等院、パッと浮かぶだけでも数えきれないし、祇園、先斗町、川床、新京極、錦市場など、京都独特の文化やシーンも枚挙にいとまがない。嵐山や太秦、貴船や鞍馬、高雄や山科や宇治、最近では丹後、伊根など、京都府全域に魅力的なエリアがあるにもかかわらず、市街地だけでも1日では巡りきれないほどのコンテンツに溢れている。紛れもなく質・量ともに日本随一の観光資源を誇り、幾度となく訪れていてもまたすぐに行きたくなるのが、京都という場所。叶うなら年に2,3回は行きたい。
京都は、794年桓武天皇が長岡京から平安京に遷都して以降、明治維新で都が東京に戻るまで1000年以上に渡って日本の首都として機能してきた。その平安時代には日本独自の文化の礎が築かれた。枕草子や清少納言などの傑作が生まれ、以降の日本仏教の宗旨に展開されていく真言宗や天台宗といった宗派が開かれた。鎌倉時代には商人や職人が集まり商業の中心地と栄え経済的発展を遂げ、室町時代には足利義満が金閣寺を、義政が銀閣寺を建立した。さらに、足利氏は芸術の発展にも大きく寄与し、能や狂言が生まれたのもこの頃。応仁の乱を経て戦乱の世に移っていく中では、茶道や雅楽が発展していった。京都はこうして、日本の政治・経済、文化に様々な影響を与えてきているわけで、これらを象徴するようなヒストリカルでストーリーテリングなコンテンツが無数にあるのは必然だと言える。
こうしたコンテンツを知りうる手段は今でこそネットやSNSなどでいくらでもあるけれど、2000年以前はTVの影響が大きかった。TVを通して大きな影響を与えたのが、「そうだ 京都、行こう」のTVCMではないだろうか。四季折々の京都の魅力を印象的なナレーションとコピーとBGMで紹介するCMは子どもの頃から鮮明に視覚と聴覚を通して脳内に刻まれ、あれを見て京都に行きたいと思ったことは数知れない。大人になった今も何気なくTVを点けていて「おっ」と思う景観に目をやると、「そうだ 京都、行こう」のCMだったりする。「そうだ 京都、行こう」はJR東海が794年の平安京遷都から1200年の歴史が紡がれたことを機に、1993年に京都への観光促進を狙ってスタートしたキャンペーン。30thを迎えた今年のテーマは、「京都がくれる癒し」。
今回は、京都の街並みや食、社寺や歴史的建造物を通して感じられる特別な「癒し」を、プレスツアーで堪能させてもらった。

カフェ・ドン バイ スフェラの現代的で文化的な贅沢な癒し

三条と四条河原町を結ぶ遊歩道に構える「カフェ・ドン バイ スフェラ」では、抹茶と上生菓子を。青々と茂るしだれ柳の姿に風情をめいっぱい感じられる季節。建築とインテリアにこだわりを感じる静寂の空間でいただく、クリアな空気。現代的だけど文化的な趣も効いている贅沢な空間で癒しの時間が味わえる。

長楽館のクラシカルで優雅な癒し

明治42年に煙草王と呼ばれた実業家 村井吉兵衛によって建てられて以降、京の迎賓館として知られている「長楽館」では、ランチを。ハレの日のランチやディナーだけでなく、アフタヌーンティー利用もできて、「京都市有形文化財」のクラシカルな空気を堪能できる。新館は全6室のプライベートなゲストルーム。無垢の木材と薪の炎が揺らぐ暖炉がなんともあたたかい。円山公園の真裏に位置しながら、東山の木々に囲まれ、静けさと穏やかさも重ね持った佇まい。明治維新以降、文明開化と富国強兵を掲げ、急速に近代化・西洋化を遂げてきた日本の歴史に包まれた、優雅な癒しを感じることができる。

東華菜館のノスタルジックで飽きがこない癒し

日本最古のエレベーターで知られる「東華菜館」は、明治から昭和初期にかけて、特に関西エリアにおいて多くの西洋建築を手がけたウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計によって、大正15年に建てられた洋食レストランが、戦時中継続が困難になり、北京料理のシェフに引き継がれたのが発祥だという。京都の中心 四条河原町を象徴する建築物として四条大橋に佇み、本格的な北京料理を味わせてくれる。夏は、京都伝統の川床を楽しむことができ、鴨川と対岸にある南座を臨む絶景はどこかノスタルジック。幼少期から幾度となく訪れているが、何度行っても飽きない場所。

東福寺の壮大で荘厳な癒し

1236年に建立された禅寺で、京都五山のひとつ「東福寺」。奈良最大の寺院「東大寺」と奈良で最も盛大を極めた「興福寺」から「東」と「福」の字をもらい、「東福寺」とされた。通天橋の眼下に広がる四季折々が彩る景観は京都屈指、紅葉期は特に圧巻。高さ約15メートルの釈迦如来坐像(しゃかにょらいざぞう)の左手が祀られ、150畳分の広さの天井に壮大な龍が描かれた本堂、日本の禅寺で最古で高さ22mを誇る三門、現存する日本最大最古の東司(トイレ)など、見どころが詰まる。

蓮華寺の静寂の癒し

高野川のほとり、比叡山のふもとに位置する、「蓮華寺」。もとは現在の京都駅付近にあったが応仁の乱で荒廃。江戸時代初期に加賀前田家の家老 今枝近義によって再興されてこの地に移された。市街地からやや外れた閑静な一角にありながら、門をくぐり参道に入ると、空気が一気にガラッと変わる。形容しにくいが、様々な気が交差して入り混じることなく、張り詰めた膜の中で安隠と澄み切った空気が流れている感じ。副住職曰く、寺において庭は仏教の世界を環境で表現したもので、自分と心を通して向き合い、受けとめる場所だと言う。この庭園は、今回のCMでもいちばんの見どころと言っていい。庭園に体を向けて目を閉じれば、感じられるのは水と虫と風の音だけ。気負うことなく自ずと自分と対峙できるだろう。
2024年夏の「そうだ 京都、行こう。」は9月30日までを予定している。ごはんを食べたり、お酒やお茶を飲んだり、街を歩いたり、お店をのぞいたり、日常のことですら古都の空気に包まれればそれは非日常の趣となって、「癒し」を与えてくれる。この夏、京都にいま一度足を運んでみてはいかがだろうか。
※写真は特別な許可を得て撮影したものを含みます。二次利用や転載はお控えください。

問い合わせ先

そうだ 京都、行こう。キャンペーン特設サイト
https://souda-kyoto.jp/other/summer2024/

                      
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