大自然に囲まれながらヒストリカルでクリエイティブな刺激と休息を。 2つの国宝に隣接する「ホテルインディゴ犬山有楽苑」でリブートする|TRAVEL
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2023年4月21日

大自然に囲まれながらヒストリカルでクリエイティブな刺激と休息を。 2つの国宝に隣接する「ホテルインディゴ犬山有楽苑」でリブートする|TRAVEL

TRAVEL|ホテルインディゴ犬山有楽苑

歴史と自然、そして文化が息づくエリア。愛知・犬山

愛知県の北端、岐阜県との県境となる木曽川を臨む一帯に犬山という街がある。名古屋から電車で約30分、人口70,000人程度、犬山城下に栄えた歴史深い城下町だ。

Text by IJICHI Yasutake|Photogragh by KAWAMATSU Kentaro

犬山は、夏は木曽川で1300年の歴史を誇る鵜飼が行われ、秋は眼前に広がる里山が色づき、春は桜が艶やかに咲き誇る。鮎やウナギの他、自然のエネルギーをふんだんに吸収した季節野菜や果物などパワフルでヘルシーな食材が溢れ、また歴史に彩られた様々なイベントも開催されている。中でも、春に行われる「犬山祭」は犬山最大の風物詩。1635年に始まった犬山祭は、ユネスコ無形文化遺産に指定され、13輌の車山(やま)が笛や太鼓の音色にあわせて次々とからくり人形を披露しながら、城下町に繰り出す。夜になると提灯を灯しながら桜並木の城下町を練り歩き、幻想的な世界へと誘ってくれる。今回4年ぶりに開催された犬山祭にあわせ、ホテルインディゴ犬山有楽苑(うらくえん)にお邪魔し、犬山の街を散策した。
ホテルインディゴは、その街の歴史や文化を、客室や食事・スタッフのサービスまで随所に反映し、「ネイバーフッドストーリー」を体験させてくれるライフスタイル・ブティックホテル。箱根強羅、軽井沢に続き、2022年3月にオープンしたホテルインディゴ犬山有楽苑は、国宝茶室「如庵」を有する日本庭園 有楽苑と国宝「犬山城」に隣接。その広大な敷地は東京ドーム約1個分、歴史に紐づくビビットな刺激と柔らかな落ち着きを感じられる非日常空間。毎日せわしなく過ごして息詰まることもある中、ひとりまたは友人たちとのワーケーションにもファミリーやパートナーとのバケーションにもぴったりで、ひと時の癒しを求めに定期的に訪れたくなりそうな場所。
ホテルインディゴ犬山有楽苑をディティールまで全身で楽しむなら、まず日本庭園 有楽苑と犬山城を訪れた方がいいだろう。有楽苑は、昭和を代表する建築家 堀口捨己(ほりぐちすてみ)の監修によって昭和47年に築造された日本庭園。国宝茶室「如庵」や重要文化財「旧正伝院書院」を有し、花や木々の四季折々の豊かな表情と共に静かな佇まいを見せている。如庵は、織田信長の実弟で茶人 織田有楽斎が1618年頃京都に建てた茶室。築400年余で、日本に現存する3つの国宝茶室のうちの1つ。元々京都に建てられていたものを東京に運び、大磯を経由して、この犬山に運ばれてきていて、有楽苑は如庵が京都にあった時代の庭園を可能な限り再現している。
犬山城は、織田信長の叔父にあたる織田信康によって1537年に築城され、今も現存する天守は国宝指定されている。国宝指定されている城は日本に5つしかない。犬山城は、戦国時代は尾張と美濃の国境に位置したことから国盗りの要所となり、城主は目まぐるしく変わったと言われている。小高い山の上に位置し、3層4階の天守から眺める景色はまさに絶景。天守最上階は、最近の城では珍しく柵がない。そのため高所恐怖症の人は足がすくむかもしれないが、ホテルインディゴ犬山有楽苑の全貌を眼下にしながら、木曽川、御嶽山、天気が良ければ岐阜城、名古屋駅のビル群までダイナミックな眺望が見渡せる。
ホテルに戻ろう。部屋は全156室。国宝 犬山城ビュー、木曽川ビュー、国宝茶室 如庵ビューのプレミアムなど、どの部屋からも臨む絶景はこれから過ごすひと時への高揚感を煽ってくれる。ホテルインディゴらしく、部屋のいたるところに犬山の街に息吹く歴史・文化にインスパイアされたインテリアやデザインの数々が施され、国宝茶室「如庵」で腰貼りに暦が使われた「暦貼り」を模した壁、木曽川の鵜飼籠を連想させるライト、江戸時代の浮世絵師池田英泉が犬山城をモチーフに描いた浮世絵のアートウォールなどが採用されている。伝統的な和のトーンがトレンドを織り交ぜることでクリエイティブ且つスタイリッシュに昇華され、壮大な景色と名水百選の木曽川のせせらぎ、太陽の恵みと相まったその空間は、刺激的でありながらも心が安らぐスペシャルなものとなっている。
今回ディナーで頂いたのは2023年4月17日よりスタート予定の「めじろ」。犬山のネイバーフッドの旬な食材がふんだんに使われたストーリー性の高いコース。「RIVERSIDE STORIES」と題されたドリンクメニューは、世界中の川にまつわる多彩なテイストのお酒が用意されている。コースは、飛騨・美濃の伝統野菜 守口大根(長さ1m以上で細長く身が締まっているのが特徴)を酒粕とみりん粕で漬けた守口漬けとマグロのタルタルに始まる。ユニークなテクスチャーと程よい塩味に乗っけからお酒が進み、アルプスサーモンの塩麹マリネに添えられたネイバーフッドサラダの山菜のうるいの香りとほろ苦さにオトナの幸せをかみしめる。クリアな軟水でダシを取りやすいという岐阜の養老山麓の水で煮出したアサリのスープの濃厚な旨味に唸り、知多半島 師崎のマダカ(スズキの出世魚)と春野菜のコラボレーションに感嘆する。ラストを飾る一皿 和牛フィレ笹焼き 筍の木の芽ベアルネーズはホテルを囲む竹林や国宝からインスピレーションを受けたというだけあって、お味もプレゼンテーションも創造性が高い。デザートのシトロンブランマンジェは上から下までをスプーンで掬って一緒に食べることでナチュラルなはちみつレモンの味わいが楽しめる。トータルバランスが絶妙に整えられている。
そして何と言っても、食事の後に必ず楽しんでもらいたいのが隣接したバーでいただけるシグネチャーカクテル。犬山の抹茶・ブランデー・ココア・金箔で作られたこのカクテルは、織田有楽斎が現代に生きていたらどんなカクテルを飲むかと考えられた中で生まれたもの。抹茶本来の香りと苦味とブランデーが融合し、犬山の静かな夜をしっとりと〆てくれる。
広々した大浴場は、犬山唯一の天然温泉。澄み切ったアルカリ性単純温泉は美肌効果があると言われ、もちろん露天風呂やサウナも完備。広々したフィットネスセンターは、ドイツ製の再生可能な木材を使用した電源を使用しない自走式駆動のマシーンで環境にも配慮。ジムは24時間、大浴場は朝6時から開放しているので、汗を流したい朝はホテル眼前の木曽川沿いを走っても良いだろう。
朝食は、和食/洋食のいずれかをチョイス。さらにセミビュッフェがオンされる。朝日を浴びる犬山城を眺めながら、ネイバーフッドの彩り豊かな野菜と果物に焼き立てのパン、ふわふわのオムレツ、見るからに旨味が凝縮された肉厚のアジのひらきを見てしまったら、普段は朝食を食べないという方もついつい食べ過ぎてしまうかもしれない。
500年近い歴史が凝縮された街、犬山。木曽川が流れる里山に囲まれた大自然で育まれた食文化。茶室「如庵」と犬山城という2つの国宝を間近で堪能できるホテルインディゴ犬山有楽苑では、尾張・美濃の時代から続く歴史・文化を五感で感じることができる。コロナが明けて世の中も一気に活動的になった今、ヒストリカルでクリエイティブな刺激を受けながら癒しをもらえるこの土地で、一度リブートしてみてはいかがだろうか。
ホテルインディゴ犬山有楽苑
住所|〒484-0082 愛知県犬山市犬山北古券103−1
問い合わせ先

ホテルインディゴ犬山有楽苑
Tel:0568-61-2211
https://inuyama.hotelindigo.com/

                      
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