サンゴの村で地球の未来を考える、サンゴの植え付け体験|サスティナブルオキナワ
LOUNGE / TRAVEL
2022年5月30日

サンゴの村で地球の未来を考える、サンゴの植え付け体験|サスティナブルオキナワ

サンゴとは何なのか、どうして海に必要なのか

上地 一輝 / Kazuki Uechi
サンゴの植え付け体験をする場所は、沖縄県・恩納村の海。恩納村は沖縄を代表するリゾート地で、1999年よりサンゴの養殖を、2003年より養殖したサンゴの海への植え付けをスタート。2018年には“世界一サンゴにやさしい村”として「サンゴの村宣言」をした。
今回、サンゴの植え付け体験をナビゲートしてくれるのは、沖縄ダイビングサービスLagoon。恩納村で長くサンゴ保全の活動をしているお店で、知識と愛情たっぷりに体験をサポートしてくれる。
上地 一輝 / Kazuki Uechi
まず、実際にサンゴに触れ合う前に、サンゴとは何なのか、どうして海に必要なのか、沖縄のサンゴと海を取り巻く現状について丁寧に教えてくれた。
上地 一輝 / Kazuki Uechi
特に「白化現象」は、極端に高い海水温によりサンゴと、サンゴの主なエネルギー源となる「褐虫藻」がストレスを感じて起こる現象で、この状態が続くことでサンゴが徐々に弱っていき死に至る。世界的にも大きな問題となっており、沖縄でも過去に3度、深刻な白化現象が起きている。
さまざまな要因から、サンゴ礁は危機に瀕しており、そんな現状をたくさんの人に知ってもらい、環境に対しての意識を変えていってもらうことも、今回の旅で目指していることのひとつだ。
こうして、しっかりとサンゴについて学び、知見が広がったところで、実際にサンゴに触れていくことになる。
上地 一輝 / Kazuki Uechi
恩納村では長くサンゴの養殖をしており、今回はそのサンゴの苗を実際に海へ植え付けるところを体験していく。
参加者はそれぞれ、「この子!」と決めたサンゴを選び、基盤に針金で固定をしていく。サンゴは温度に弱いため、扱う手にも緊張感が走る。基盤には参加者からのメッセージが描かれており、世界にひとつだけのサンゴの苗が出来上がった。
上地 一輝 / Kazuki Uechi
その後、船で海中施設のあるポイントへ移動して、実際に植え付けが始まる。
今回作った苗は一定期間、海中の施設の中でしっかりと成長させることで、基盤と一体化し、立派なサンゴ礁へと育つための準備が行われる。海中施設には、半年前に植え付け体験をした人の苗が植えてあり、それを回収し、新たな苗を植え付けるのだ。
こうやって、長い年月をかけて小さな苗が自然の中へ還って行くことになる。
上地 一輝 / Kazuki Uechi
うちなー大学生と参加者は、ダイビングで植え付けをするチームと、シュノーケリングで上から植え付けの様子を見学するチームに分かれる。
海に入ると、さまざまな種類のサンゴ礁とそこに住む魚たちで、幻想的な世界が広がっていた。
上地 一輝 / Kazuki Uechi
上地 一輝 / Kazuki Uechi
恩納村のサンゴ礁も以前は瀕死の状態が続いており、海底は更地のようになっていたという。このままでは良くない、と立ち上がった地元の方の活動により、養殖のサンゴが広がり、長い時間をかけて再生してきた。現在ではとても美しく自然と融合している。
また、何十年もの年月をかけて大きくなった天然のサンゴ礁も圧巻で、まさに100年先まで残したい景色であると感じる。
上地 一輝 / Kazuki Uechi
体験の最後には、うちなー大学生と参加者でグループセッションを行い、今日感じたことを共有する時間が設けられた。それぞれが感じたことを発表し、思いを共有し合うことで、新しい気づきも生まれ、さらにこれからの未来について考えを深めていく。
上地 一輝 / Kazuki Uechi
実際に参加者からは、「長い時間をかけて大きくなったサンゴも、なくなってしまうときは一瞬。自分たちの世代で終わらせてしまわないように行動していきたい」という話も上がり、環境へ対する意識の変化を実感していた。
最後にLagoon手作りの「サンゴ苗作り証明書」を受け取り、今回のサンゴ植え付け体験は終了となった。
サスティナブルオキナワ代表理事の武藤瞳さんは、今回のように「より直接的なアプローチをしてサステナビリティを実現する」ということを大切にしたく、サスティナブルオキナワを設立した。こうやって、うちなーの大学生や、全国から集まった参加者には、今回の旅を通して感じたことを家に帰ってからも周りの人に伝え、発信して、行動することを続けて欲しいと話していた。
上地 一輝 / Kazuki Uechi
また、今後の活動についてもさまざまなアプローチで企画をしており、その先には「沖縄のことをより知って、沖縄のためにアクションする学生さんたちの行動が、ちゃんとしたアルバイトになるように」というところを目指している。
より長くサステナビリティを実現して行くためには、「環境・社会・経済」の関係に本質があり、環境・社会を維持、増強しながら、経済活動も持続的に成長させて行くことが必要になる。
大学生が企画する「うちなー旅」を旅行会社さんと一緒に修学旅行として打ち出していったり、Instagramで発信をしていくことにもお金が付いてくる仕組みを作ったり、持続可能な沖縄の未来を作るために、その環境を大人の自分たちが整えていかなければ、と武藤さんは語ってくれた。
上地 一輝 / Kazuki Uechi
実際に行って、見て、触ってみることで、これからも守っていくべきものについて強く感じることができた今回の旅。ぜひ皆さんも一度、うちなー旅に参加して、Local Goodな沖縄を感じてみてほしい。
問い合わせ先

サスティナブルオキナワ
https://www.sustainable-okinawa.com/

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