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2015年4月16日
MATSUNAGA Manabu|Vol.6 クロード・モネ 睡蓮の庭
MATSUNAGA Manabu|松永 学
Vol.6 クロード・モネ庭
「光のパレット」──作品のための外劇場
印象派のなかでも精彩を放つ画家、自分の庭を作品のためにつくり上げたクロード・モネの庭(Claude Monet、1840年生まれ-1926年没)。フランス、パリからセーヌ川をくだり約80km、ジヴェルニー村(Giverny)にある。1883年以降はここジヴェルニーに移住、晩年の大作『睡蓮』を制作した地でもある。
写真・文=松永学
あるアーチストが私に言った。
『ジヴェルニーに近くに来ると、光がちがって感じられる』と。
この場所には光の撹拌による魔法がかけられていて、空気がきらきらと輝いてみえた。
それは可視できる光でもあった。
この場所を晩年の居にえらんだモネ。
母屋の台所の装飾も美しく、黄色で統一されたダイニングもすばらしい。
しかも春から秋にかけては花々が狂ったように乱れ咲き訪問者を魅了するが、やはりメインは睡蓮が浮かぶ池に尽きるだろう。
空や雲、風、太陽の位置によって、しかも自分の動きによってさえ、数えきれないほどの色が瞬時に変化する池。
色が混ざり合い、あたらしい色をつくり、そしてまたほかの色と重なり合う。
それが永遠に繰り替え、繰り返す。終わりのない連続。
この流れゆく感覚と時間を写真にとらえることは可能なのか?
モネが描いたように、一瞬の光を切り取ってみようと思った瞬間、
池が巨大な『光のパレット』になった。
公式サイト
Fondation Claude Monet : maison et jardin de Monet a visiter - Normandie
http://www.fondation-monet.fr/jp/