ケベック映画賞最多6部門受賞! レア・プール監督作品『天使にショパンの歌声を』|MOVIE
ケベック映画賞最多6部門受賞!
『天使にショパンの歌声を』
国内外の数々の栄誉ある賞に輝いている、女性監督レア・プール。日本でもスマッシュヒットを記録した代表作『翼をください』、『天国の青い蝶』に続く新作は、音楽の力を信じて強く生きる女性たちを描く『天使にショパンの歌声を』。第18回ケベック映画賞最多6部門受賞、そして世界中の映画祭で大絶賛を博した新たな名作が誕生した。1月14日(土)より全国ロードショー。
Text by OPENERS
音楽の力を信じて、いま彼女たちの心は一つになる――
繊細かつ温かな人間ドラマの名手として知られ、カナダ映画界を支えてきた女性監督、レア・プール。その多彩なフィルモグラフィーで、国内外の数々の栄誉ある賞に輝いた彼女の作品を目にした方も多いだろう。思春期の少女たちの愛と情熱に迫った『翼をください』、神秘の蝶と少年の奇跡の実話を映画化した『天国の青い蝶』は、日本でもスマッシュヒットを記録した。
長編映画監督デビューから35年となった2015年、映像作家として円熟期を迎えた彼女の最新作にして集大成の作品が完成した。自ら人生を切り開くという、現代にも通じる普遍的なテーマが絶賛され、アジア、アメリカ、ヨーロッパ各国の映画祭でも拍車喝采に包まれた本作は、国をあげて近代化が推進された1960年代のカナダ・ケベックを舞台に、閉鎖に追い込まれた音楽学校を救おうと奮闘する女性教師と生徒たちの物語だ。
女性の権利や自由、社会進出はまだまだ認められていなかったこの時代に、音楽の力を信じて、古い考え方や大きな権力に立ち向かう女性たちの生き方が深い共感を呼び、カナダのケベック映画賞で作品賞を含む最多6部門を受賞した。
国境を越えて熱く支持され続けている音楽エンターテイメントが、遂に日本にもやって来る――。
冬は白銀のベールに包まれ、春の訪れと共に鮮やかな緑へと変わっていくカナダの美しく豊かな自然を背景に、全編にわたって流れるのは、ショパン、モーツァルト、ベートーヴェン、リストなど偉大な作曲家によるクラシックの名曲の数々。そこへ少女たちが弾く汚れなきピアノ、天使のごとき歌声、胸躍るダンス、愛らしい制服に絵本から出て来たような校舎や教室が、麗しいアンサンブルを奏でていく。
どうにもならない運命に時には涙しながらも、強く、たくましく、明るく、何より自分らしく生きようとした女性たち。彼女たちが音楽の力で未来の扉を開く姿に、笑顔と元気をもらえる希望の物語。
天才的ピアニストで校長の姪のアリス役は、モントリオール音楽院に在学中のライサンダー・メナード。ライサンダーは、5歳からピアノを始め、数々のコンテストで優勝を飾り、2012年にはカナダを代表する未来の音楽家30人の1人に選ばれた新進気鋭のピアニスト。彼女の音色は、心の奥底まで届いてくる。喜怒哀楽の感情を見事に表現した演奏で観る者を魅了するに違いない。
校長のオーギュスティーヌ役を演じるのは、『愛の叫び ~運命の100日』のセリーヌ・ボニアー。カナダでは、TVシリーズ、映画、舞台と幅広く活躍している演技派女優で、カナダのアカデミー賞と呼ばれるジニー賞に3度もノミネートされた実力派である。
何より自分らしく生きたい
ケベックの広大な地にポツンと佇む小さな寄宿学校。そこは音楽教育に力を入れる名門女子校だったが、修道院による運営が財政難に陥り、閉鎖の危機に直面する。校長のオーギュスティーヌは音楽の力で世論を味方につけようと、音楽イベントの開催を計画する。そんな中、校長の姪のアリスが転校してくる。彼女にピアニストとしての天性の才能を見出した校長は、学校存続の鍵になると期待するが、孤独で心を閉ざしたアリスは、誰の言うことも聞かない問題児だった。様々な困難を乗り越えて、イベントの日を迎えるのだが――。
『天使にショパンの歌声を』
1月14日(土)より角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA他全国ロードショー
監督:レア・プール 『天国の青い蝶』『翼をください』
出演:セリーヌ・ボニアー、ライサンダー・メナード、ディアーヌ・ラヴァリー、ヴァレリー・ブレイズ、ピエレット・ロビタイユ、マリー・ティフォ、エリザベス・ギャニオン
カナダ/2015/フランス語/カラー/103分/日本語字幕翻訳:古田由紀子/PG-12
http://tenshi-chopin.jp/