アル・パチーノが初のミュージシャン役に挑戦

伝説のスーパースター、ジョン・レノンにはまだ知られざる逸話があった。ビートルズを解散したばかりのジョンが、なんの面識もない新人ミュージシャンを励まそうと書いた直筆の手紙が、数十年を経てようやく本人に届いたのだ。

本作ではその実話をもとに、ジョンの手紙に背中を押されて、主人公が家族の愛と音楽への情熱を取り戻す旅に出る姿を描く。レノン財団から異例の許可が下りて、劇中にはジョンが歌うオリジナル・マスターを使用。ジョン・レノンの不滅の魂が込められた歌声と、物語が響き合う名シーンは必見だ。

監督は『塔の上のラプンツェル』などの脚本で高く評価されたダン・フォーゲルマン。そして主人公のダニーに扮するのは、名優アル・パチーノ。欠点だらけなのに愛さずにいられない、チャーミングなダメ男を軽快に演じている。そのほかダニーが泊まるホテルのマネージャーにはアネット・ベニング、ダニーの息子にボビー・カナベイル、その妻にジェニファー・ガーナーと、実力派が揃い深みのある人間ドラマを奏でている。

ジョンの言葉に励まされ人生を変えることを決意したダニー

スターとしての絶頂期を過ぎ、もう何年も新曲を書いていないダニー。どこか空しさを感じている彼のもとに、憧れのジョン・レノンからの手紙が届く。43年前、駆け出しのころのダニーに書かれた手紙を、マネージャーが見つけたのだ。そこには、富や名声に惑わされず、音楽への愛情をもちつづけることの大切さが綴られていた。

ジョンの言葉に励まされたダニーは、顔も見たことのない息子に会う旅に出る。息子からは激しく拒絶されるが、気立ての良い妻と可愛い孫娘を味方につけ、懸命に愛情を捧げるダニー。しかし、心を開きかけた息子は深刻な病にかかっていた。父として、そしてミュージシャンとしてもやり直すために、ダニーが選んだ道とは？

『Dearダニー 君へのうた』
9月5日（土）より、角川シネマ有楽町ほかで全国ロードショー
監督｜ダン・フォーゲルマン
出演｜アル・パチーノ、アネット・ベニング、ジェニファー・ガーナー、ボビー・カナベイル
配給｜KADOKAWA
2015年/アメリカ/107分/原題『Danny Collins』
http://deardanny.jp

© 2015 Danny Collins Productions LLC