“お祝い”テックカンパニー・TAIANは、なぜ“セットアップオフィス”に|LOUNGE
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2024年1月12日

“お祝い”テックカンパニー・TAIANは、なぜ“セットアップオフィス”に|LOUNGE

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LOUNGE|TAIAN

デジタルの力で、人生に彩りをもたらす!

感情が通い合う幸せな場面を一つでも多く生み出し、日本を“おめでとう!”と“ありがとう!”で溢れる社会にすることを目指し、Web招待状・席次表サービス「Concept Marry(コンセプトマリー)」のリリースを皮切りに、“お祝い”という文化そのものをデジタルの力で支援するサービス「Oiwaii(オイワイー)」等を手がけるTAIAN(タイアン)社。コロナ禍で数々の苦境にたったブライダル業界に一筋の追い風を見せる代表 村田磨理子さんに話を聞く。
ブライダル業界出身ではない村田社長がなぜ、婚礼業界に参入し、事業を急成長させることができたのか。そして、会社の成長と共にどんな理由でオフィス移転を検討・決断し、“セットアップオフィス”への入居に至ったのか。その裏側にある「理想とするオフィス像」についても伺いました。

友人の店舗を間借りしてミーティングをしていた創業期を経て、シェアオフィスへの入居を決断

──2020年6月にWeb招待状・席次表サービス「Concept Marry」をリリースするに至った経緯についてお聞かせください。
「私はコロナ禍直前の2020年1月に結婚式を挙げたのですが、実は『Concept Marry』は自分たちの結婚式のためにエンジニアである夫と一緒に作ったプロダクトが原型なんです。その後、コロナ禍のタイミングで業界の方々から『使ってみたい!』というお声をいただいたことがきっかけで業界接点が生まれ、サービス化することになりました。
結婚式を挙げたときに感じたのは、ブライダル業界の素晴らしさ。人生の節目である結婚式という一大イベントを成功させるために、誰もが私たちのことを考えて動いてくださって、業界のことが好きになりました。一方で、結婚式の準備を進める中で、ブライダル業界のDX事情にはさまざまな課題もあると感じたんです。
ブライダル業界を『作ったサービスを利用していただくお客様』という視点から見たときに、“別業界にいた私だからこそもたらせる知見があるはず”“この業界のためにもっと力になりたい!”という一心で、ブライダル業界に特化したDX支援に深く関わっていくようになりました」
──なぜ、コロナ禍で「Concept Marry」のニーズが高まっていたのでしょうか。
「コロナ禍によって、結婚式は「日程変更」のニーズに対応しなければならない状況になっていました。招待状や席次表は一度印刷するのに数十万円の費用がかかるため、日程変更によってまた刷り直すというのは式場側だけでなく結婚式を挙げるカップルにとって金銭面でも気持ちの面でも負担が大きいんですよね。さらに、変更後にもまた緊急事態宣言が出てしまうかもしれない…という状況の中で、Web招待状・席次表のニーズが生まれました。
当時、業界では『招待状をWeb化するのは列席者に失礼になるのではないか』という懸念の声も少なくありませんでしたが、現状どうなっているかというと、私がここ1年で招待された結婚式の100%がWeb招待状でした。この2,3年の間で、結婚式の招待形式はWebへと切り替わっています」
──翌年の2021年8月には結婚式をはじめとするあらゆる“お祝い”における マーケティング、新規営業、顧客情報管理、打合せ、当日施行、生涯顧客化に至るまで、Web上で一元管理ができるツール「Oiwaii」がリリースされました。このサービスは、どういったニーズ・課題から誕生したのでしょうか?
「先ほどお話ししたWeb招待状の事例のように、コロナ禍という大変な出来事によってブライダル業界のDXは進んだのですが、業績が大幅に落ち込んだことで式場を運営する企業のほとんどが2年間採用活動を停止した結果、結婚式のニーズが戻ってきたタイミングで人員が足りないという課題も新たに生まれました。スタッフ1人当たりの担当案件数が増えたことで、“業務効率化”の重要性が高まっていたんです。
さらに、コロナ禍で全く売上が立たないという出来事を経験し、1回限りというビジネスモデルに売上の比重を置くことの怖さを業界が知ったことで、“生涯顧客化”のための打ち手を検討する企業も増えてきました。長い間大きなビジネスモデルの変革がなされていなかった業界の足元のIT化・DX化を支援するために、『Oiwaii』を開発・リリースしました」
──TAIANの魅力的なサービスは、どのようなチーム体制で生まれたのでしょうか?
「実は、『Concept Marry』をリリースした頃は、私以外のメンバーのほとんどがまだ副業での関わり方だったんです。当時はバーチャルオフィスに登記をしていたので固定のオフィスがなく、土日の昼間に友人のお店のスペースを借りてミーティングをしていました…(笑)。
それから数ヶ月後、フルタイムのメンバーが増えてきたので、五反田にある個室付きのシェアオフィスに入居しました。当時、スタートアップ企業・ベンチャー企業の多くが五反田に拠点を置いていたことも入居理由の一つでしたが、当時はまだ全然売上が立っていなかったので、とにかく『安さ』重視でしたね」

一目惚れで入居を決めたシェアオフィスで、より社内外のコミュニケーションが活発に

──初めてシェアオフィスに入居したことで、どんな変化がありましたか?
「当時の自宅からほど近く、Wi-Fi環境がきちんと整っていて、個室があるので好きな時間にメンバーと集まれるというのは大きなメリットだと感じました。
ただ、一方で、日が経つにつれて“オフィスの雰囲気がTAIANとは合っていないかもしれない…”思うようになりました。というのも、当時入居していたシェアオフィスは他の入居者の方々との交流があまり活発ではなかったので、より活気のある雰囲気のオフィスに移転した方が、出社するメンバーにとっても良い刺激になるのではないかと思ったんです。また、フルタイム出社メンバーの人数が増え、五反田のオフィスでは手狭になっていたのも移転を検討し始めた理由の一つでした」
──そのタイミングで、サンフロンティア不動産がスタートアップ向けオフィスビル「LIT」のオープンに伴い募集していた「賃料、夢払い。」プロジェクトに応募されたそうですね。
「そうなんです。このプロジェクトのことを知ったのは、友人のオフィスに遊びに行ったことがきっかけでした。そのときは『こういうオフィスもあるんですねー』という軽い雑談程度の話しかしていなかったのですが、数ヶ月後にその友人から『村田さん、たしかシェアオフィスを探してましたよね?こういう企画をやってるみたいだから応募してみたらどうですか?』と連絡をもらって。面白い制度だなと思って応募したところ、審査を通過することができました!
ところが、当社の入居希望人数が6名だったのですが、『LIT』には6人が入れる空き個室がなくて…。すると、サンフロンティア不動産さんのご厚意で、当時オープンして間もない『A YOTSUYA』というシェアオフィスへの入居をご提案いただいたんです。こちらのオフィスは本来プロジェクトの対象ではなかったのですが、破格の条件で1年間入居させていただくことができました」
──「A YOTSUYA」を見学された際の印象はいかがでしたか?
「外観・内観いずれも一目惚れで、オフィス内に入った瞬間にテンションが上がってしまいました(笑)!特に魅力的だと感じたのは、コミュニケーションスペースの多さ。一緒にランチを食べたりボードゲームをしたりしながらコミュニケーションができるような空間がたくさんあって、ちょっと場所を変えるだけで気分転換ができるという多様性を感じられるところがすごく素敵だと思いました。室内の設備も申し分なかったので、他のオフィスとの比較・検討はせずに『A YOTSUYA』に入居を決めました」
──「A YOTSUYA」に移転後のメンバーの方々の反応はいかがでしたか?
「私同様、オフィスのクオリティの高さに驚いていましたね。また、『Brooklyn Roasting Company』のおいしいコーヒーが毎日無料で飲めるというのも、コーヒー好きのメンバーにとっては嬉しかったようです。あとは、これもオフィスを移転した狙いの一つだったのですが、採用候補者さんが面談に来た際に、『入社したらこんなオフィスで働けるんだ!』と入社意欲を高めていただける一因にもなりました」
──村田社長ご自身は、オフィス移転前後でどんな変化を実感されたのでしょうか。
「移転前の最大の課題だった『オフィス内の雰囲気の良さ』というのは格段に良くなりました。何か困ったことがあれば、オフィスに常駐しているコミュニティマネージャーの方々がすぐにサポートしてくださったり、終業後に他の入居者の方々も交えてお酒を飲む場を用意してくださったり、ときには一緒にボードゲームを楽しんだり。温かい雰囲気で、本当にいい思い出ばかりです。
また、地下1階には卓球台があるのですが、当社のエンジニアはよく球をラケットで打ち合いながらミーティングをしていました(笑)。私にとっても他のメンバーにとっても、出社するのが楽しくなるような場所でした」

少人数でもメンバー全員でも集える場所に短期間で入居できたのは、「セットアップオフィス」だからこそ

──「A YOTSUYA」はTAIANのみなさんにとって非常に居心地の良いシェアオフィスだったのですね。なぜ、「A YOTSUYA」を離れ、オフィスを移転することになったのでしょうか。
「嬉しいことではあるのですが、事業が徐々に軌道に乗り始めメンバーがさらに増えてきたことや、商談・打ち合わせの頻度が増えて同じ時間帯に会議が複数発生し、会議室を取りづらくなってきたことが移転を検討し始めたきっかけでした。そのため、『常時使える打ち合わせスペースが複数あること』『メンバーが全員週4日の頻度で出社できる執務室があること』を移転先の条件に、オフィス探しを始めました」
──複数の候補物件があった中で、最終的にサンフロンティア不動産が管理している「セットアップオフィス」への入居を決断されたそうですが、決め手は何だったのでしょうか?
「什器がある程度用意された状態なので、入居後にそのオフィスで働くイメージが湧きやすかったという点がセットアップオフィスの良いところだと思いました。一般的な賃貸オフィスにも内見へ行ったのですが、まっさらな状態の空間をオフィスにするというのは、全くイメージが湧かず…。
セットアップオフィスなら、電源工事が済んでいる状態なので立ち上がりが早く、今後また移転をすることになった場合のコストも抑えられる点が魅力だと感じました。実際に、移転の検討を始めてから入居スタートまでに約2ヶ月程度しかかからなかったのも、セットアップオフィスだからこそのメリットだと思います。
入居を決めたセットアップオフィスには、会議室と打ち合わせスペースに加え、フォンブースもあるためミーティングがしやすくなる点や、天気の良い日は外で仕事をしたりちょっとした飲み会ができそうな広いベランダがある点に魅力を感じました」
──「A YOTSUYA」よりも広い個室のあるシェアオフィスへの移転は検討されなかったのでしょうか?
「『A YOTSUYA』が本当に良い物件だったので、他のシェアオフィスに移るなら『A YOTSUYA』のままがいいと思ってしまったんですよね(笑)。なので、移転するなら単独オフィスを構えるという選択肢しかありませんでした」
──現在のオフィスに移転後は、どんな変化がありましたか?
「単独オフィスになったことで、社内外との打ち合わせがしやすくなったのは大きな変化ですね。特に、オンラインでの打ち合わせの場合、シェアオフィスにいた頃はフロアを移動する際にWi-Fiの回線が途切れるなど、通信面でちょっとしたストレスを感じることが多かったのですが、現在のオフィスはワンフロアすべてが当社のスペースなので、ネット環境が安定した状態で常に仕事ができています。
また、執務室が広くなったため、移転前よりも大きなディスプレイを購入することができ、エンジニアの働く環境も良くなったと思います」
あえて移転後に“想定外だった”と感じたことを挙げるとするなら、ベランダをもっと活用するつもりだったのですが、真夏のベランダがあんなに暑いとは…(笑)。あとは、これは物件に対しての不満ではないのですが、思ったよりも早くメンバーが増えたので、もう少し余剰スペースがあるといいなと最近は感じています」
──これまで2度のオフィス移転を経験された中で感じた、「スタートアップ企業がオフィス選びをする上で大切なポイント」とは何でしょうか。
「『集(つど)えること』がキーワードなのではないかな、と私は思っています。メンバー全員が集うこともできるし、2,3人の少人数で気軽に集ってコミュニケーションが取れる。そんな大小どちらの集まりも活発に生まれやすい空間であることが重要です。特にスタートアップ企業の場合、メンバー同士のコミュニケーションには雑談と仕事の話の境目がない場合が多いんですよね。息抜きがてら事業や組織や採用のことを話し合うので、何気ない会話から新しいアイディアを生みだす上でも、活気があって出社したくなる空間は必要です。
オフィスは、会社の社風を表す『メンバーの一員』と言っても決して過言ではない存在ですね」

マーケティングとITの力で、人と社会の関わりを実感できる世界の実現に挑む

──最後に、これまでは主にブライダル業界のDX推進を支援するようなサービスを中心に手掛けてきたTAIANの、今後の展望についてお聞かせください。
「今後、私たちが事業を展開する上でより意識していこうと思っているのは、人と人とが出会うことで生まれる熱量や、多くの偶然や必然が重なって生まれる幸せの場面を増やしていくということです。
現在取り組んでいる婚礼文化は、まさに今までの人生で関わってきた方々との出会いを再認識し、今後の歩みの糧としてもらう素晴らしい文化です。このような、人や社会とのつながりをより実感してもらえるような領域はどこだろうかと議論している最中です。
今はまだ具体的な事業内容について公に発信することができないのですが、マーケティングやITの力で社会に何らかの還元ができるようなビジネスをメンバーと一緒に考えているので、ぜひ今後の動向を見守っていただけたらと思います」
※記事内容は2023年10月26日時点のものです。
                      
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