iPad for Creatives｜NOOKA代表 マシュー・ウォルドマン編
iPad for Creatives
NOOKA Inc.クリエイティブディレクター マシュー・ウォルドマン編
いまのところiPadはちょっと高すぎるおもちゃかも
ニューヨークを拠点に15年ものキャリアを誇るクリエイティブディレクター マシュー・ウォルドマン。世界的に有名な腕時計シリーズ「NOOKA」の生みの親である彼は、本国アメリカ代表としてiPadをどう評価するのか？
Text by OPENERSPhoto by NOOKA Inc.
僕にとってはちょっとくやしい感じ
──日々iPadをどのように活用されてますか？
もっとも便利に感じるのは電車のなかなど狭いスペースでもすぐに使えることです。バッテリーもラップトップPCより長持ちするし、外出するさいも仕事のキャッチアップがすぐにできますからね。
──ニューヨークではすでにiPadが普及しているのでしょうか？
ユーザーはとても多いですよ！
──現在どのくらいのアプリをダウンロードされてますか？
15～20個くらいでしょうか。よく使っているのは「Pages」「Kindle」「TweetDeck for iPad」「Flipboard」そして「Godfinger for iPad」。「Flipboard」は周囲で好評だったので最近ダウンロードしてみたんですが、うわさ通りとてもよかったです！ あとECサイト「GILT」のアプリケーション「GILT for iPad」もよく使います。僕はギルトショッピングの中毒者なんです（笑）。
──これらはいつもどんなときに使用されていますか？
仕事のほうが多いでしょうか。自分のブログや「NOOKA」にかんする資料などの文章を考えるときなど、どんな場所でもアップしたり書き込んだりができる。それが目的で僕はiPadを買いましたからね。でも出先で使用する、というよりもベッドの上でニュースやメールを読んだりと、リラックスしながら使うことが多いかもしれません（笑）。
Pages
レター、チラシ、パンフレット、報告書などがマルチタッチジェスチャーによって簡単にレイアウトすることができるワードプロセッサ。
カテゴリ｜仕事効率化
価格｜1200円
42.0MB
言語｜英語 ※日本語対応
© 2010 Apple inc.
Kindle
Kindle Storeの所蔵する約620000タイトル以上もの本のなかからお気に入りの1冊を探すことのできる、いわばデジタル本屋さんである。
カテゴリー｜ブック
価格｜無料
6.6MB
言語｜英語 ※日本語非対応
© Amazon.com, Inc. or its Affiliates
GILT for iPad
最新のファッションアイテムが最大70%オフで購入できるアプリ。通常は会員制だが、すべてのiPadユーザーがショッピングを楽しめる限定のタイムセールもあり。
カテゴリー｜ライフスタイル
価格｜無料
4.6MB
言語｜英語 ※日本語非対応
© Gilt Groupe
TweetDeck for iPad
Twitterを活用するための必需品。iPadの大画面で一度に何人もフォローできて、情報の整理整頓、アップデートがより簡単に。リアルタイムのブラウザとして大活躍。
カテゴリー｜ソーシャルネットワーキング
価格｜無料
1.7MB
言語｜英語 ※日本語非対応
© 2010 TweetDeck Inc.
TwitterやFacebookを、雑誌を「めくる」（＝flip）ように楽しめるアプリ。長い画面をスクロールしたり、リンク先に飛んで画面を行ったり来たりする面倒がないのが魅力。
カテゴリー｜ニュース
価格｜無料
2.4MB
言語｜英語 ※日本語非対応
© 2010 Flipboard Inc.
Godfinger for iPad
プレイヤーが神となり「神の指」を駆使して自然や人びとを操り、天地を創造するゲーム。その世界を活かすも殺すもあなた次第。神としての手腕が問われる!?
カテゴリー｜ゲーム
価格｜無料
22.5MB
言語｜英語 ※日本語対応
© 2010 ngmoco,Inc.
──iPadを手に入れてから、生活はどのように変化しましたか？
これを言ってしまえばおしまいですが、ソフト部分がもっと自由になるまでは生活が劇的に変わるほどの影響力はないと思います。機能面の便利さで比べてみても、iPhoneやラップトップPCよりも劣りますからね。メディアはiPadについてあれこれ騒いでいますが、正直僕にとってはちょっとくやしい感じかもしれません。
iPadが発表されたとき、「絶対ほしい！」と思ってその機能について勉強していたんですが、実際に使ってみると自分にとってはあまり使い道がなかったという印象です。とくにカメラ機能がついていないことはいまでも不可解。僕はよく旅行をするのですが、最初のイメージではこれさえあればラップトップPCやデジタルカメラを持って行く必要がなくなるはずだったんです。iPadにはずっと期待していたので、そのぶん余計に残念……。
最たる問題はOSにマルチタスク機能がないこと。そして2番目にブラウザ。1ページの画面でメールやニュースを読みながら同時にチャットしたり、ネットで遊んだりすることが通常のWebブラウザではできるのに、iPadの場合では各自別のアプリでするしかないんです。
G-mailやFacebookに普段から慣れ親しんでいるので、おなじような便利さはどうしても期待してしまいますよね。
あと、Googleドキュメントが編集できないことと、ファイルを管理できないこと。すべての情報はアプリケーションのなかに保存するしかないんです。たとえば「pages」のアプリケーションは買ったけど、メールで来るGoogleドキュメントは「pages」では開けない（泣）！ コピー＆ペーストするしかないんです。結論、いまのところiPadはちょっと高すぎるおもちゃかもしれませんね。
──ニューヨークではそういった意見が多いのでしょうか？
いや、まったく。アップルファンはみんな盲信的なので、iPadは完璧だって思ってますね（笑）。
──どうすればもっとiPadライフを楽しめるでしょう？
各アプリのデータにアクセスし、処理・保存できる機能をもったアプリがあればありがたいです。それから、ウェブサイトやブログからmp3やビデオをダウンロードできるアプリがシステム機能として必要だと思います。
──今後に期待ですね！ ありがとうございました。
Matthew Waldman｜マシュー・ワォルドマン
クリエイティブディレクターとしてニューヨークを拠点に活動。15年にもおよぶキャリアのなか、映像やウェブメイキングで多くの賞を受賞してきた。現在「NOOKA Inc.」とともに、才能をプロダクトデザインの世界で発揮。その第一歩となったのが世界的に知られる腕時計シリーズ「NOOKA」である。
