神か?悪魔か?-----アーティスト・高木耕一郎が問いかける「お金」|ART
LOUNGE / ART
2021年12月5日

神か?悪魔か?-----アーティスト・高木耕一郎が問いかける「お金」|ART

GALLERY TARGET|ギャラリーターゲット

刺繍作品を中心に発表する高木耕一郎。個展「Is this my God?」を開催中

渋谷区神宮前にあるアートギャラリー「GALLERY TARGET」にて、アーティスト・高木耕一郎の個展「Is this my God?」が開催される。本展のテーマは「お金」。その独特な世界観と手法で物事の背後に潜む二面性を表現するという。

Text by WAKABAYASHI Satsuki

タイポグラフィーと擬人化した動物が織りなす、ストリートで生まれた“イソップ物語”

あらゆる動物を擬人化させ、刺繍やコラージュを用いて唯一無二の作品に仕上げる高木耕一郎(1974年生まれ)。彼には2つのルーツがある。一つはカトリックの家系に生まれ、教会を彩る宗教絵画や神父の纏う法被、刺繍装飾に自然と触れてきたこと。後にサンフランシスコで生活をし、パンクロック、アンダーグラウンドコミック、スケートボードといったサブカルチャーから多大な影響を受けたこと。その比類なき感性は、唯一の神を崇拝する「信仰」と「反体制」や「個性」を強調するサブカルチャーとの間で育まれたものだ。
本展「Is This My God?」はお金がテーマ。「お金を崇める者、忌み嫌う者、人によっては神のようでもあり悪魔のようでもある」と高木氏。それぞれにとって神とは何であるか、価値とは何であるか----あらゆるものが揺らいだ混迷の時代に、アーティストは40点の作品(刺繍、ミクストメディア作品)を通して優しく問いかける。
高木耕一郎
1974年、東京生まれ。大学卒業後にアメリカに渡り、サンフランシスコのアート・アカデミーにてシルクスクリーンを学ぶ。その後、ニューヨークにて画家としてのキャリアをスタートし、2005年に帰国後は東京を拠点に活動。動物をモチーフにした作品だからこその匿名性と神秘性が内包され、親近感と違和感が混在する奇妙な居心地の悪さを生む。高木の作品は揺れ動く人々の心情や抱えている矛盾を描きながら、見た事は無いがあると信じたい理想郷の存在を表現している。理想郷への導き手として彼の作品の主人公の表情に秘められた様々な思惑は、鑑賞者の内面に対して今一度、揺らぐ価値観の中での各々にとっての真実とは何かを問いかけている。国内外の企画展やグループ展の参加や個展開催で画家として精力的な活動し、BEAMS、PORTERやPaul Smithなどのアパレルブランドへのデザイン提供やコラボレーションも多く行っている。NY Timesなど国内外のメデイアにも紹介されている。
高木耕一郎「Is This My God?」
会期|2021年12月18日(土)まで
会場|GALLERY TARGET
住所|東京都渋谷区神宮前 2-32-10
営業時間|12:00〜19:00 ※日・祝休廊
問い合わせ先

GALLERY TARGET
https://www.gallery-target.com/

                      
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