ポスト印象派、アクション・ペインティングを独自に解釈。桜をモチーフにしたダミアン・ハースト日本初の大規模個展|ART

スタジオでのダミアン・ハースト 2019年

LOUNGE / ART
2022年2月6日

ポスト印象派、アクション・ペインティングを独自に解釈。桜をモチーフにしたダミアン・ハースト日本初の大規模個展|ART

ART|『桜』を描いた最新作24点が来日

国立新美術館とカルティエ現代美術財団による『ダミアン・ハースト 桜』展

国立新美術館とカルティエ現代美術財団は、日本初となるダミアン・ハーストの大規模個展を、2022年3月2日(水)~5月23日(月)に開催する。桜を描いた大型の絵画作品24点によるダイナミックな展示だ。

Text by OZAKI Sayaka

儚くも鮮やかに咲き誇り、生と死を想起させる“桜”を描き出した最新作

イギリスを代表する現代作家であるダミアン・ハーストは、30年以上にわたるキャリアの中で、絵画、彫刻、インスタレーションと様々な手法を用い、芸術、宗教、科学、そして生や死といったテーマを深く考察してきた。最新作である『桜』のシリーズでは、19世紀のポスト印象派や20世紀のアクション・ペインティングといった西洋絵画史の成果を独自に解釈し、色彩豊かでダイナミックな風景画を完成させてきた。
 
こうした作品群は、1980年代後半以降、継続的に抽象絵画を制作してきた作家にとって、色彩や絵画空間に対する探究の大きな成果と言えるだろう。大きいものでは縦5メートル、横7メートルを超える画面に描かれた風景は、儚くも鮮やかに咲き誇る桜並木の下に身を置いた時のように、見るものを幻想的な世界に誘う。
2021年、カルティエ現代美術財団は本シリーズを世界で初めて紹介し、高い評価を得た。そして2022年春、桜が咲き誇る国立新美術館に、国内初のハーストの大規模個展『ダミアン・ハースト 桜』が開催される。
ダミアン・ハーストのスタジオ風景
本展覧会のために、107点から成る『桜』のシリーズから作家自身が作品を選び、展示空間を作り上げる予定だ。本展は、コロナ禍で閉塞感を抱いていた多くの人々にとって、絵画表現の魅力を存分に楽しむ機会となるだろう。
ダミアン・ハースト 《神聖な日の桜》 2018年 カルティエ現代美術財団コレクション、パリ

『ダミアン・ハースト 桜』

  • 会場|国立新美術館 企画展示室2E
  • 住所|東京都港区六本木7丁目22−2
  • 会期|2022年3月2日(水)~5月23日(月)
  • 時間|10:00~18:00、入場は閉館の30分前まで(毎週金・土曜日は20:00まで)
  • 休館日|毎週火曜日休館 ※ただし5月3日(火・祝)は開館
  • 主催|国立新美術館、カルティエ現代美術財団
  • 共催|日本経済新聞社
Photographed by Prudence Cuming Associates. © Damien Hirst and Science Ltd. All rights reserved, DACS 2022
問い合わせ先

国立新美術館
Tel.050-5541-8600(ハローダイヤル)
https://www.nact.jp/exhibition_special/2022/damienhirst/