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ART
2019年12月17日
ジェス・ジョンソン日本初個展“NEON MEAT DREAM”開催|ART
ART|高密度の幻想の中に鑑賞者を誘う
夢と現実が入り混じる幻想の世界をドローイング、映像、VRと様々なメディアで表現
異文化の模様やシンボル、ホラー映画、SF、テレビゲームなどをモチーフとして描くアーティスト、ジェス・ジョンソンによる日本初の個展“NEON MEAT DREAM”が、渋谷・NANZUKAギャラリーにて開催中だ。会期は、2019年12月22日(日)まで。
Text by OZAKI Sayaka
高密度の幻想を、緻密なドローイングや映像作品で表現するアーティスト
ニューヨークを拠点に活動するニュージーランド出身のアーティスト、ジェス・ジョンソンによる個展“NEON MEAT DREAM”が、渋谷・NANZUKAギャラリーで開催中だ。ジェス・ジョンソンは、架空世界のジェンダーレスなヒューマノイド、コウモリのような顔をしたエイリアン、未知の時代の建造物の中をうねるミミズのような管など、ジョンソンに影響を与えた異文化の模様やシンボル、ホラー映画やSF、旧時代のテレビゲームなどの要素が混在する高密度な幻想を描くアーティストだ。その作品は、オーストラリアのハイデ現代美術館、ニュージーランドのタウランガ美術館などで展示され、絵画だけでなく、サイモン・ウォードとのコラボレーションによって生み出されたVR作品は、テクノロジーとイマジネーションが融合した新しいアートの形として大きな注目を集めた。
本展では、ジョンソンのドローイング作品の他に、ジョンソンの母であるシンシア・ジョンソンとの共作によるキルト作品、そしてウォードのコラボレーションによる映像作品と、VRを用いた大掛かりなインスタレーションも展示される。映像作品“Genetekker Archaic”は、2画面を用いたアニメーション作品。キャラクターを操作してダンジョンを進む旧時代式のテレビゲームの方法論が基となっており、そこに登場するヒューマノイドたちは皆同じように、自分たちが捕らわれているヴァーチャルな迷宮から抜けだす出口を探しているかのように徘徊を続ける。VR作品“Terminus”は、ジョンソンの描く世界をウォードが3D映像に起こし、そこにアンドリュー・クラークが作り出したサウンドをミックスした、多彩な演出によって構成されたもの。観賞者がその夢とも現実ともつかない仮想文明世界の中を漂流する体感型の作品は、現実と創造された仮想現実の実在感が同等なものに近づいてきたことを示唆するだけではなく、鑑賞者自身の想像と意識が実感にもたらす力、あるいは知覚や存在といった概念についてもう一度考えさせる作品としても、解釈することができるだろう。
Jess Johnson “NEON MEAT DREAM” at NANZUKA
会期|~2019年12月22日(日)まで
会場|NANZUKA
住所|東京都渋谷区渋谷2-17-3 渋谷アイビスビルB2F
時間|11:00~19:00
休館|日曜・月曜
会期|~2019年12月22日(日)まで
会場|NANZUKA
住所|東京都渋谷区渋谷2-17-3 渋谷アイビスビルB2F
時間|11:00~19:00
休館|日曜・月曜
問い合わせ先
NANZUKA
Tel.03-3400-0075
https://nug.jp/ja/exhibitions/2019-jess-johnson