ART|東京都写真美術館で『高谷史郎 明るい部屋』展
ART│高谷芸術の原点となる写真と映像作品を紹介
東京都写真美術館で『高谷史郎 明るい部屋』展 開催
最先端の技術を駆使し、パフォーマンスの可能性を追求してきた映像作家の高谷史郎(たかたに・しろう)氏。彼の展覧会『高谷史郎 明るい部屋』が12月10日(火)から2014年1月26日(日)まで、渋谷区・恵比寿の東京都写真美術館で開かれる。活動の原点となる写真と映像コレクションを、東京都写真美術館の映像コレクションと連動させ、その足跡を紹介する。
Text by YANAKA Tomomi
坂本龍一氏、浅田彰氏も登場する豪華アーティスト・トーク
高谷史郎氏は1963年、奈良県生まれ。京都市立芸術大学環境デザイン科を卒業した1984年に、建築や美術、デザイン、音楽、ダンスなど異なる表現手段をもつ同大学の学生を中心にしたアーティストグループ「ダムタイプ」の創設に携わり、ビジュアルワークを担当するなど、個人での制作とともにさまざまな活動を展開してきた。
近年では、最新技術をもちいたインスタレーションや、坂本龍一氏や野村萬斎氏らとのコラボレーションによるパフォーマンス『LIFE-WELL』など、多彩なアートワークでも知られている。
哲学者ロラン・バルトが1980年に書いた写真論の題名であり、画家が風景を手元の紙の上に映し出すためにもちいた光学装置“カメラ・ルシダ”。その日本語である「明るい部屋」をタイトルとした本展。会場には、レンズをとおして対象物がピントグラスに像を結ぶというカメラの原点の仕組みを、非常にシンプルな手法で構成し、装置そのものをとおして「見る」ことについて検証する『Camera Lucida』(2004年)など、展覧会のタイトルにちなんだ作品も紹介される。
さらに、魚眼レンズを使って、日の出から日没まで5秒毎に刷しした2万枚にも及ぶデジタル写真を連続してつなぎ、太陽の運行や雲の動きを約4分に凝縮させたビデオ・インスタレーション『Chrono』(2006年)や、機械による視点が人間の視覚では捉えることのできないあたらしい現実を表現する『Topograph』といった新作も展示する。
そして会期中の1月3日(金)には、豪華出演陣による『新春特別アーティスト・トーク』も開催。高谷氏と親交の深い、音楽家の坂本龍一氏や批評家の浅田彰氏をゲストに迎え、これからのプロジェクト、社会とアートの関係などについて語り合う。
あたらしい技術を積極的に取り入れながらも、「見る」という原点を追い求めてきた高谷芸術。その「見る」という行為をあらためて観客に問いかけていく。
『高谷史郎 明るい部屋』
会期│12月10日(火)~2014年1月26日(日) ※月曜と12月29日~1月1日は休館。
ただし、月曜が祝日の場合は翌火曜が休館。
時間│10:00~18:00 ※木、金曜は~20:00。1月2日、3日は11:00~18:00
会場│東京都写真美術館
東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
Tel.03-3280-0099
観覧料│一般500円、学生400円、中高生・65歳以上250円
特別アーティスト・トーク
日程│1月3日(金)
時間│16:00~17:30
会場│東京都写真美術館 1Fホール
出演│坂本龍一(音楽家)、浅田彰(批評家)、高谷史郎
定員│190人 当日10:00より整理券を配布、番号順入場、自由席。(1月3日の開館時間は11:00となります)
料金│無料 ※ただし、本展の半券チケットが必要
担当学芸員によるフロアレクチャー
2013年12月13日(金) 16:00~
2013年12月27日(金) 16:00~
2014年1月10日(金) 16:00~
2014年1月24日(金) 16:00~
※本展覧会チケットの半券(当日有効)をお持ちの上、会場入口にお集まりくださ
い。