フィンランド近代美術に革新を起こした女性芸術家7人の展覧会|ART
LOUNGE / ART
2019年4月17日

フィンランド近代美術に革新を起こした女性芸術家7人の展覧会|ART

ART|日本とフィンランドの外交関係樹立100周年を記念して開催

「モダン・ウーマン―フィンランド美術を
彩った女性芸術家たち」

2019年6月18日(火)~9月23日(月・祝)の期間、東京・上野にある国立西洋美術館新館展示室にて、「日本・フィンランド外交関係樹立100周年記念 モダン・ウーマン―フィンランド美術を彩った女性芸術家たち」の開催が決定。本展は、日本とフィンランドの外交関係樹立100周年を記念して開催される展覧会だ。

Text by OZAKI Sayaka

北欧の近代美術、そして女性芸術家の活躍に触れる展覧会

ロシアからの独立運動が盛んだった19世紀後半から20世紀初頭のフィンランド。そして1917年は、民主的な憲法を持つ新たな体制のもとで、社会における女性の立場や役割に大変革が起こった。美術界においても当時のヨーロッパではめずらしく、フィンランド初の美術学校において、創立当初から男女平等の美術教育が奨励された。この時代のフィンランド女性たちは、奨学金や留学のチャンスをつかみ、国際的な環境で研鑽に励みながら、芸術家として自立したキャリアを切り開いてきた。

「モダン・ウーマン―フィンランド美術を彩った女性芸術家たち」では、日本とフィンランドの外交関係樹立100周年を記念して、独立前後のフィンランドで生き、近代美術に革新をもたらした女性芸術家たちに焦点を当てる。近年、世界的にも注目を集めるヘレン・シャルフベック(1862~1946年)や、パリでロダンに学び、彼の代表作《カレーの市民》制作時の助手も務めた彫刻家シーグリッド・アフ・フォルセルス(1860~1935年)ら7人の女性芸術家が、その生涯を通して独自の表現を追い求めた絵画、彫刻、素描、版画など約90点が集まるのだ。

本展は、フィンランド国立アテネウム美術館の企画によって欧米3都市で開催された国際巡回展をベースに、日本オリジナルの内容として、女性作家たちの修業時代のスケッチブックや、パリの画塾アカデミー・ジュリアン、アカデミー・コラロッシで取り組んだ習作なども展示される。当時のフィンランドに生きた女性たちがどのような美術教育を受けることができたのか、また美術文化にどのような功績を残したかを通覧できる。期間中には、シンポジウム、講演会、ギャラリートークも予定、フィンランドの文化、芸術に触れられる貴重な機会となっている。

エレン・テスレフ

ヘレン・シャルフベック
シーグリッド・アフ・フォルセルス

左/エレン・テスレフ《装飾的風景》1910年 フィンランド国立アテネウム美術館 Finnish National Gallery / Ateneum Art Museum Photo: Finnish National Gallery / Yehia Eweis。右上/ヘレン・シャルフベック《占い師(黄色いドレスの女性)》1926年 フィンランド国立アテネウム美術館 Finnish National Gallery / Ateneum Art Museum, Kaunisto Collection Photo: Finnish National Gallery / Hannu Aaltonen。右下/シーグリッド・アフ・フォルセルス《青春》1880年代 フィンランド国立アテネウム美術館 Finnish National Gallery / Ateneum Art Museum Photo: Finnish National Gallery / Hannu Aaltonen。

日本・フィンランド外交関係樹立100周年記念
「モダン・ウーマン―フィンランド美術を彩った女性芸術家たち」

会期|2019年6月18日(火)~9月23日(月・祝)
会場|国立西洋美術館新館展示室
住所|東京都台東区上野公園7-7
時間|9:30~17:30(毎週金・土曜日:9:30~21:00)入館は閉館の30分前まで
休館日|月曜日(ただし、7月15日(月・祝)、8月12日(月・休)、9月16日(月・祝)、9月23日(月・祝)は開館)、7月16日(火)
主催|国立西洋美術館、フィンランド国立アテネウム美術館
後援|フィンランド大使館、フィンランドセンター
助成|スカンジナビア・ニッポン ササカワ財団
協力|フィンエアー、ヤマトグローバルロジスティクスジャパン、西洋美術振興財団

問い合わせ先

Tel.03-5777-8600(ハローダイヤル)

http://www.nmwa.go.jp/(国立西洋美術館ホームページ)

           
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