エスパス ルイ・ヴィトン東京にて、ベルトラン・ラヴィエ展覧会を開催|ART
ART|フォンダシオン ルイ・ヴィトン所蔵コレクションから7点の作品を展示
ポップカルチャーや日常に存在するものを
ユーモラスに再解釈
フランス人アーティストのベルトラン・ラヴィエ(Bertrand Lavier)の展覧会「Medley」が、2018年4月19日(木)~11月4日(日)、東京・表参道のエスパス ルイ・ヴィトン東京で開催される。
Text by OZAKI Sayaka
ジャンル、媒体、素材のミックスを特徴とするラヴィエの展覧会
ベルトラン・ラヴィエは1949年、フランス生まれのアーティスト。
1980年代および1990年代のアプロプリエーション(流用)アート運動に強い影響力を与えたラヴィエは、冷蔵庫やテーブルといった日常的な大量生産製品にペイントを何層も厚塗した作品や、日常にありふれた「物」を台座に置いたレディ・メイド作品で知られる存在だ。
本来のコンテクストから離れて表現された作品群を、ラヴィエは自ら好んで「シャンティエ」(工事現場)と呼ぶ。
これは、あえてオブジェを完成したものとみなさず、つねに立ち戻り、再び手を加える可能性を残していることを意味している。
ベルトラン・ラヴィエ作品の特徴は、多種多様な媒体、様々な素材をミックスさせる芸術的手法である。
絵画と彫刻、描写と抽象、生活と芸術の関係を考察するラヴィエのアプローチには、マルセル・デュシャンのレディ・メイドの精神、ポップアートの大衆文化的イメージ、ありふれた要素を用いたヌーヴォー・レアリスムの手法の混合が見られる。
本展では、フォンダシオン ルイ・ヴィトン所蔵コレクションの中から7点の作品を展示。
物体を厚い絵の具の層で覆うファン・ゴッホ風絵画テクニックを用いた《Atomium》(2007年)、レディ・メイド作品をユーモラスに解釈した《La Bocca sur Zanker》(2005年)など絶えず進化を続け、解釈・置き換え・転化の戦略を用いた実験に挑むラヴィエのユニークなスタイルに触れられる。
ほかにも、ネオンを用いたインスタレーション《Empress of India II》(2005年)、アクリル画の《Walt Disney Productions1947-2013 Nº 2》(2013年)、《Birka》(2007年)、《Paysages Axiois》(2014年)、クロムメッキ
を施した彫刻作品の《Ibo》(2008年)が展示される。
絵画や彫刻の伝統的なカテゴリーを超越し、素材を混成するスタイルはラヴィエの芸術的手法の特徴であり、これによって生まれる作品は、ものの見方や慣れ親しんできた芸術の解釈方法を揺るがし、逆説的で極めて明確な視覚的インパクトを与えるのである。
本展は、現代アートとアーティストに特化した作品を所蔵し展覧会を開催するフォンダシオン ルイ・ヴィトンのディレクションのもと、所蔵するコレクションから未公開の作品を紹介するプロジェクト「Hors-Les-Murs (壁を越えて)」の一環として企画されたものである。