LOUNGE /
ART
2015年3月13日
連載・MIC*ITAYA│PEARL SISTERS_April2011
第3回 PEARL SISTERS
Drawing&Copywrite by Mic*Itaya
人魚の姉妹は遠く深い海に棲み、海面に突き出た岩場で歌う。真珠は星と月の雫が太陽の光と海によって磨かれたもので特別な貝が育てる。それぞれの真珠は糸などや穴をうがたれてつながっているわけではなく、互いに美という共通の意識で結びつき離れもする。
美という認識を素直にもつ娘のところには多くの真珠が集まるので、彼女たちはいつでも美しいものを見つけたり接するにつけて歌を唄い賛美する。言葉以前の美しい歌声はその全身から発せられるように感じられて、聞くひとをうっとりとさせる。
潮騒に乗った歌が聞こえて来る。海へ行く用意をしよう。頭には、星の花とハートの花でつくった冠を載せて飾る。彼女たちは木々や草花やそれらのある野原や山を知らないので陸地の美しいものを見せよう。星の花もハートの花の冠も真珠とおなじように糸や穴をうがたれてつながっているわけではなく、星と月と太陽の光と風によって育てられたものが、美しいと思う気持ちで集まり結びついた自由で自然な心持ちのものだ。
人魚の姉妹に会うのはとても楽しみだ。彼女たちも私たちに会うのを楽しみにしてくれているだろうと思う。会うと、いつも一緒に歌をうたう。ありきたりな一日を讃えた美しい歌。私たちは太陽の下の端が水平線に届く前にさようならを言う。星と月の時間には明日のための用意をするから。
PEARL SISTERS
acrylic on canvas
1300×1300
25.03.2011
Mic*Itaya