Divine of Creation|伊藤嶺花×グエナエル・ニコラ(前編)
スピリチュアル対談 Vol.3|グエナエル・ニコラ
伊藤嶺花が“視た”ゲストの肖像
「愛と喜びの光を人々に贈り届ける地上の天使」(前編)
なぜ日本にいるのか、なぜデザインなのか
第3回目のゲストは、キュリオシティ代表・フランス人デザイナーのグエナエル・ニコラ氏。1991年に来日後、建築、インテリア、プロダクト、グラフィックなど幅広い分野で活躍し、最近では「LEXUS RX MUSEUM」や「LIGHT-LIGHT IN TOKYO」、「TOKYO FIBER '09」など、光をテーマとした作品が記憶に新しい。今回、キュリオシティ取締役でもありパートナーでもある宮元玲子さんも同席。ニコラ氏の素顔を解き明かしていきます。
text by OPENERSPhoto by Jamandfix
ニコラ氏を紐解くキーワードは「エンジェル」
伊藤 さっそく、はじめさせていただきます。
ニコラ 占いとか、すごく興味があるんです。自分でも知らないことが視えるじゃないですか。実際に私と会って、なにか感じましたか?
伊藤 最初から本題に入ってしまってもいいですか(笑)。先ほど、オフィスとその上のご自宅を拝見させていただいて、いちばん最初に目に飛びこんできたのが……、エンジェルがとってもたくさんいるんです。
ニコラ ここに?
伊藤 そうです。ニコラさんのまわりにも子どものエンジェルがたくさんいます。妖精や天使、はしゃいでいて可愛らしい感じのスピリットに守られてらっしゃいます。ニコラさんご自身も、楽しいことやうれしいこと、わくわくするような気持をとっても大事にしているのが伝わってきます。
ニコラ うん、そうだね……。
伊藤 ご自身がよろこびを感じること、うれしいこと、楽しいこと、わくわくすること、それを感じさせてくれるものをもっともっと作りだしたい。そして、多くのひとたちにそれを見せてあげたいという、すごくピュアな気持ちから創作をしていらっしゃるんだなと感じました。
ニコラ (大きく深呼吸)……泣いてもいいですか?
宮元 彼、名前もエンジェルなんですよ。「GWENAEL」はケルト語で「ホワイトエンジェル」。
伊藤 えぇ!? そうなんですか!?
ニコラ だから、私のまわりには家族みんながいるってことだね。
伊藤 そうですね。オフィスに入った瞬間に「こんにちは」なんて言いながらつながっちゃったんですけど(笑)。すごーい!
ニコラ おもしろいね。
伊藤 なんだかうれしいです。それと、前世のお話になるのですが、今のこの人生、お生まれになる前の直結した前世がお医者さまですね。ホスピタリティというか、人助けをしたいというお気持ちがとても強くて、本当に優しいピュアなスピリット。じつは宮元さんも……、一緒に働いてらっしゃった看護婦さんです。
一同 えーーーー!!!
ニコラ だから、私は日本にきたのですね。
宮元 もうこれで別れてくれないですよ(笑)。
伊藤 あははは! ですので、ビジネスパートナーとしても絶対的な信頼関係をもっています。時代背景としては戦時中のヨーロッパで、傷ついた兵士や巻き添えになった街の人びと、本当に困っている方をなんとかしてあげたい、みんなを助けたいというお気持ちが強かったのだと思います。ではなぜ、いまの仕事を選んでいるかといいますと、死と隣り合わせの病院で必死に看護や治療をするなかで、患者さんのよろこぶ姿が本当にうれしかったのだと思います。自分たちは、痛みや苦しみをやわらげるお手伝いしかできないけれど、治療よりももっと前の段階で、人生ってこんなに楽しいんだよということを伝えたい。みんながハッピーになれることをかたちにしたい、提供したいと思ってこの道に進んでいらっしゃいます。
デザイナーは、神から与えられた天職
伊藤 占い的なことをいいますと、社会運、仕事運とおしまして、今の仕事は天職です。神様から与えられたお仕事。ジャンル問わず、カテゴリー分けもせず、どんな分野においてもたくさんの才能を開花させていける運勢をおもちです。ご自身が楽しみながら、それを見てくれるひともハッピーに感じてくれたらいいなというお気持ちでお仕事をされているので、いろんなことを通じて、ご自身ももっと楽しみたいと思っていらっしゃいますね。
ニコラ 「デザイナー」って言葉は知らなかったけど、8歳くらいのときに、ママたちに「おおきくなったらなにをしたいの?」って聞かれて「おもちゃを作りたい」って答えたね。子どものときに「おもちゃ」が意味していたのは“楽しいもの”。私がおもちゃをつくって、みんなが遊ぶというイメージだった。いまもおもちゃを作ってるんだけどね、大人のおもちゃ(笑)。
伊藤 あははは!
ニコラ いまの若いひとたちは「デザイン」って言葉を知っているじゃない。でも、20年前のフランスの田舎では聞いたことがなかったし、こういう世界も知らなかった。おもちゃを作りたいと思ったのは、ひとをよろこばせたかったからだね。わたしは、フランスではシャイで、あまり喋れないタイプだかったから、モノがコミュニケ―ションの手段だった。
伊藤 えぇ!? 本当ですか? 想像できない(笑)。
ニコラ モノだったら、見たときのアクションでコミュニケーションがとれるでしょ。私にとってフランス語は表現が曖昧でピンとこないというか、合わなかったのかな。だから英語を見つけたときは本当にうれしかった。英語はストレートだからね。
伊藤 早くから天命というか、使命にきづいていらっしゃったんですね。
ニコラ 小さいころから、家のダイニングテーブルはワークショップみたいだったよ。「デザイン」という言葉を知ったのは、ムービーディレクターの兄の影響だね。一緒に『スターウォーズ』を観て……すごい衝撃だった! 一番驚いたのが、新しい世界を考えられるってこと。知っているもので構成した世界じゃなくて、アートディレクターが考えた、いまの世界にはないもので作られた世界。「え、こんなことできるの?」って思ったね。それまでは、飛行機とか知っているものを作っていたけど、そうじゃないフリーデザイン。新しい世界、文化を作れるってことがすごいショックだった。
なにかをつくるとき、歴史を知るとどうするか悩むでしょう。私は、メモリーがないから作るしかない。だから細かい情報が気にならないし、プレッシャーもない。インプレッションしか覚えていないからね。いまからなにができるかは、フランス人も世界も関係ない。だから日本に来ました。
伊藤 そうですね。日本にいらっしゃったのは、狭い所にとどまりたくないという想いからです。それと、日本は全世界のものが集結する国という点ですね。全世界を平等なバランスで見る目線を欲した結果、魂がここを選んで来ています。
ニコラ いろいろなひとに、なぜ東京を選んだのかを聞かれるけど、東京という場所はどうでもよかった。場所を変えるというよりは、時間を変えたかったね。東京に来るのは10年後に行く、未来に行くというイメージだったから。最初は日本の文化にも興味はなかったよ。だって、外国人が見てもよく分からないし、ただかっこいいだけでしょ。だから、日本に来たときに京都に行くことがすごくこわかった。すごく好きだからこそ、行って分からないのが一番こわい。センスを磨いてからアクセスしようと思っていたね。どこまでのレベルで理解できているか分からないけど、最近、ちょっとずつ分かってきたような気がする。
伊藤 日本独特の伝統やわびさびの感覚を、人間の心の繊細な部分を表現していると魂で感じ取っているようですね。だからこそ、もっともっと広範囲に感じ取れるご自身になってからでないとハードルが高いとお考えなのだと思います。大切なものだからこそ、きちんと取り込みたい。受信できるアンテナを身につけてから訪れるべき場所なのですね。
GWENAEL Nicolas
1966年フランス生まれ。日本在住。E.S.A.G(パリ)でインテリアデザイン科、RCA(ロンドン)でインダストリアルデザイン科を卒業。フリーランス活動を経て、1998年自社「キュリオシティ」を設立。建築、インテリア、プロダクト、グラフィックなど幅広い分野で活躍し、最近では「LEXUS RX MUSEUM」や「LIGHT-LIGHT IN TOKYO」、「TOKYO FIBER '09」など、光をテーマとした作品が記憶に新しい。
ITO Reika
株式会社ディヴァイン代表/スピリチュアルヒーラー 服飾雑貨系の製造卸売業、仕入製造小売業の企業にて商品企画、広告宣伝、経営企画の仕事に従事したのち、チャネリングやリーディングによって視えたことを、複数の占星術を組み合わせて読み解く独自スタイルの宿命鑑定と、ヒーリングや催眠療法などを行うライトワーカとして活動を開始。有名企業経営者からの企業鑑定依頼も多く、これまでに10万件以上の鑑定実績をもつ。2009年7月から、自由が丘にて個人セッション再開、満月&新月のワークショップを開始予定。著書に『シンクロニシティ』、『運命好転術』。www.divine-msg.com