Chapter18:アフリカの魅力/子供たち
Chapter18:アフリカの魅力/子供たち
何故、これほどまでにアフリカ大陸に行き続けているのか?
行けば行くほど、いろいろなことが見えてきて、うんざりすることも多々ある。それでも私はアフリカに行き続ける。
そんな訳で・・・私が感じるアフリカの魅力を書いてみようと思う。
その第一弾は、やっぱり子供たちの笑顔・・・かな。
文と写真=浅野典子
アフリカの魅力は何と言ってもそこに生きる人達。ツアーなどではなかなか触れることのできない一般の人たちの生活のなかにそれは存在している。
特に子供たちの笑顔は格別!!どんなに貧しい村でも子供たちは、満面の笑みを投げかけてくれる。
ともかく人懐っこくて、警戒心のかけらも無い。それだけ日常に危険が無いってことなのだろう。車で通れば、大きく手を振って「ハロー、ハロー!!」と声をかけてくれる。村を歩けば、最初はチョットはにかみながら近づいてきてそっと私の手を握る。
そして、ほかの子が空いているほうの手を握る。しかし、またほかの子が私の手を握ろうとすると喧嘩がはじまる。結局、大きい子が人差し指と中指、小さい子がお姉さん指と小指を握り、決着。
男の子はとにかく元気。
サッカーやカンフーが大好きで特にカンフーは、最近、ブームになっているDVD小屋に毎日かよって技を研究しているようだ。
このDVD小屋、誰が考えたのかあちらこちらで見かけ、大盛況。マラウイでは、ひとり5MKWで観ることが出来る。
だから、子供たちも家の手伝いをしたり、ペットボトルを回収して、それをお金に換えてDVD
小屋にかよっている。
上映されているのは、主にカンフー映画で、子供たちはブルース・リーやジャッキー・チェン、ジェット・リーをよく知っていて、技を掛け合っている。
もともと、身体能力の高いアフリカの子供たちの動きは俊敏で、見よう見まねとはけっして思えないぐらい・・・強い!!
たぶん、あの子たちが本格的に鍛えたら誰も勝てないだろうなぁ・・・と、つい思ってしまうほどだ。
女の子はというと、縄跳びやダンスが大好き。でも基本的に女の子は、家の手伝いをしなくてはならないのであまり遊ぶことが出来ないのが現状。
アフリカに行くといつも思うことだけど、マラウイに限ったことではなく、女性がおかれている状況はあまりに酷い。
それは、すでに子供の頃から始まっているのかもしれない。近い将来、女の子たちが平等に学校教育を受けられる日がくることを心から願う。
本当にアフリカの子供たちは、たくましい。
生きていくことを知っている。生き抜くことを知っている。
今日を生きることが明日につながることを知っている。
だから、どんなに過酷な状況でも弱音を吐かない。そして、どんなに辛くったって彼らには、笑顔がある。
その笑顔は、最貧困層に生きる大人たちにも元気を与えている。もし、子供達の笑顔がなくなってしまったら絶望しかなくなってしまうだろう。
先進国の大半の子供達は、ご飯を食べることに困りはしない。学校にも通える。洋服だってたくさん持っている。泥水なんて飲まなくてもいい。病気になれば病院に連れていってもらえる。
それがあたりまえだと思っている。
アフリカの子供達には考えられないことだ。
でも、日本の子供達には、アフリカの子供たちのような満面の笑みは見られない。
大人の顔色を伺い、いつも周りと自分を比べている。上手くいかないと人のせいにして・・・何かが違っている。
どんなに小さなことでも幸せを感じられるアフリカの子供たち。子供たちの心からの笑顔が一番のエネルギーだと、私たちもそろそろ気づかなくてはいけない。
そのためには、何をすべきなんだろう。どういう風に子供たちと時間を共有すればいいのだろう。・・・どちらにしても物を与えることでは無いってことだけは確かだ。
African JAG Project/ 浅野典子
※ African JAG ProjectのHPのアドレスが変わりました。
新しいアドレスは、www.africanjag.org になります。